サマスタ選手 コンテスト

蕁麻疹と闘う26歳が作ったスレンダー脚線美 筋トレで得た自信が病気にも好影響

「なんで急にこんなことになったの?なんでこんなに辛い思いをしないといけないの?」

原因不明の慢性蕁麻疹(じんましん)が井上来実(いのうえ・くるみ/26)さんを突如襲った。井上さんは歯科衛生士として日中働きながら、2022年の『サマースタイルアワード』のビューティーフィットネスモデルルーキー部門で3位となった選手だ。

【写真】井上来実さんの締まった下半身と逆三角形の上半身

トレーニング歴は3年ほどで日頃筋トレに励んでいるのだが、その裏では、「慢性蕁麻疹」という見えない壁との闘いもあった。

「何で私だけ?」原因不明の慢性蕁麻疹との闘い

「4年前に突然、身体に数箇所発疹がポツポツ出てきました。それから1カ月も経たないうちに全身に広がって、身体中が蕁麻疹だらけで信じられないくらいのかゆみに毎日襲われていました。とにかく一日中かゆくて、寝てもすぐ目が覚めてしまい、仕事も集中できない、顔も身体も蕁麻疹だらけなので、人の目にもつくし、『なんで急にこんなことになったの?早く治って欲しい!!』そう願いながら、毎日泣いていました」

それでも井上さんは、「考えてもどうにもならない。付き合っていくしかないって思えるようになった」と語る。今でも蕁麻疹の治療法は見つかっていないが、処方してもらった薬と自分のメンタルの安定が蕁麻疹の緩和につながっていると気づき、自分のやりたいことに挑戦していこうと決めた。

蕁麻疹が落ち着いてきてから、井上さんが始めたのは筋トレ。きっかけは「デニムをきれいに履きたい」という思いからだった。井上さんは身長168cmと高身長ながら、下半身の太さがコンプレックスだった。

知り合いからの「上半身はいい感じなのに、脚が太くてもったいないね」「意外と下半身しっかりしてるんだね」という何気ない一言が積もり、気づけば体型を誤魔化せる服ばかりを選ぶ日々に。

「でも心の底から変わりたかったんです。自分を変えることができたら、大きな自信になる。自信があればメンタルも強くなるし、蕁麻疹にも良い影響が出ると思いました」

トレーニングを始めると、身体はどんどんと変わっていった。特に印象的だったのは、職場で着ていた制服がブカブカになり、ズボンが歩くたびにズリ落ちてくるようになったこと。「ボタン閉めてるのにズボンが下がるようになったんです(笑)」と笑顔で振り返る。

食事にも気を遣い主食・主菜・副菜をそろえ、炭水化物・たんぱく質・脂質・食物繊維をバランスよく摂ることを徹底。彩りを意識して野菜を取り入れ、蕁麻疹を発症しないように加工食品や添加物もなるべく避けるようにしている。お気に入りは胸肉ミンチを使ったガパオライスやタコライス。彩りも良く、飽きずに続けられるのが魅力だという。減量期には、デザート感覚で楽しめるプロテインマグケーキが欠かせないそうだ。

「私は今でも蕁麻疹は治っていません。次いつ出るか分からなくて不安になることも正直あります。『なんで私がこんな辛い思いをしないといけないの?』って何十回も思いました。でも同じように悩みがある人たちは、絶対に自分を責めないで欲しいです。1人で抱え込まず、誰かに頼っていいんです。誰かに話すだけでも、気持ちは全然違いますから。熱中できる趣味もあれば気分が明るくなって気持ちも晴れるのでおすすめです!」

井上来実さん

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材:柳瀬康宏 写真提供:井上来実

執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。NSCA認定パーソナルトレーナー,ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NASM認定コレクティブエクササイズスペシャリスト。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年より毎年ボディコンテストに出場中。

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