マスターズ世代の“筋肉版”日本一は誰だ!?
5月31日、神奈川・カルッツかわさきを会場に、40歳以上対象のボディコンテスト『マスターズカップ2025 produced by SUMMER STYLE AWARD×MUSCLE GATE』が開催された。
イベント名の通り、今大会では『SUMMER STYLE AWARD(サマスタ)』と『MUSCLE GATE(マッスルゲート)』、2団体の初コラボが実現。俳優・金子賢氏のプロデュースにより「その夏が一番似合う男女を決める大会」として2015年にスタートしたサマスタと、「誰でも出場可能なボディコンテスト」を掲げ、2017年にスタートしたマッスルゲート。コンテスト初心者でもチャレンジしやすい大会として人気を集める2団体の初コラボだけに注目度も高く、会場にはトレーニングへの情熱と日々の鍛錬で年齢の壁を軽々と超える精鋭たちが集結。男子6、女子5の計11カテゴリーでハイレベルな戦いを繰り広げた。
特に注目を集めたのは、女子50歳以上の部でビキニモデルとドレスの2カテゴリーを制した髙田礼子(たかだ・れいこ/59)さんだ。
コンテスト歴9年のキャリアのなかで数々の優勝・上位入賞を重ね、「フィットネス界の美魔女」「奇跡の50代」と称される髙田さん。ファッションモデルの経歴を活かし、現在はウォーキングなどを指導するフィットネスコンテストステージングアドバイザーとしても活動している。今大会でも、エレガントなステージングに加え、高いマッスルコントロール力で背中の広がりを鮮やかにアピール。昨年の10月大会に続き2冠達成となった。
今年4月で59歳を迎えた髙田さんは、「年々、その完成度が増している」とも評されるほど、ボディメイクの進化が止まらない。しかし、その進化の秘訣は、意外にも「どう絞るか」ではなく「いかに絞らないか」という逆転の発想にあった。
「もちろん、コンテストに向けて身体は絞っていくのですが、絞り過ぎない。この1、2年で一番変えたのが、その部分なんです」
きっかけは、審査員からの「細すぎる」というフィードバックだった。
「私は“ゆるゆる減量”と呼んでいるのですが、減量で除脂肪のために食事は変えるけれど、体重をそこまで落とすのをやめました。自分では全然絞れていない感じがして、最初はその体重でステージに立つことに不安もありました。でも、サマスタでの評価はむしろ上がったんですよね。今回は、一昨年の体重プラス1.5㎏くらい。過去最高の体重ですが、ありがたいことにまた評価していただけました」
自身が目指すベストな体型と、客観的な評価との違いを、髙田さんは身をもって学んだ。
「ボディメイクを頑張っているお友達のなかにも、絞り過ぎているなと感じる人はいますし、絞らないと不安だという気持ちは、私も本当によくわかります。ただ、年齢を重ねてから絞ると、胸の部分だけが絞れてしまったりするんですよね。本来は大きく見えたほうがいい部分だし、私は絞らないことによって胸の厚みが出てきた気がします」
若さの秘訣を問われ、「コンテスト出場という目標があること」と即答した髙田さん。これからも、年齢や体重の数字に惑わされることなく、「去年を超えよう」を合言葉に、自身のボディメイクの可能性を追求し続けていくことだろう。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:藤村幸代 撮影:中島康介