モデル出身の21歳ピラティスインストラクターがコンテスト初挑戦で気づいた本当の美しさ「細いだけが美しさじゃない」

「細いことが正義だと思っていました。でも、ボディコンテストに出場している鍛え上げられた身体をした女性を見たとき、はっとしたんです。本当にきれいってこういうことかもって」

そう語るのはモデル、そしてピラティスインストラクターとしても活動する関本未来（せきもと・みらい／21）さん。172cmで体重はオフのときの55kgのまま出場した『サマースタイルアワード BODY MAKE CUP』のドレス部門で、最もバランスが取れた良い身体の選手に贈られるベストボディ賞を受賞した。トレーニングを始めてわずか3カ月での出場だったそうだ。

【写真】関本未来さんのしなやかで美しいドレス姿

ピラティス×筋トレの相乗効果

「ステージが始まるまではドキドキだったけど、終わったら本当に一瞬で。ああ、頑張って良かったなって思いました」

元々はモデル活動をしていた関本さんだが、トレーニングとの出合いを機に「筋肉のある女性ってかっこいい！」と価値観が変わっていった。

「これまでは下半身に脂肪がつくのは嫌なことだと思っていました。でも今は、お尻にボリュームが出ることで砂時計ラインが作れて、むしろメリットだと思えるようになったんです」

関本さんが特に得意とするのはお尻。ブルガリアンスクワットやヒップスラスト、アウターサイなどのトレーニングをし、「お尻の筋肉でお箸を持つくらいの繊細な感覚」を意識しているという。

「ネガティブ（ゆっくり戻す動作）を絶対に抜かないようにしています。小さな動きの積み重ねが大事なんです。こういった意識は私がピラティスを指導しているからかもしれません。ピラティスって筋トレにも生かせると思っていて、腹圧を高めたり身体のアライメントを整えたりできるので、トレーニングで狙っている部位にしっかり刺激が入るんですよ」

ピラティスのセッションの前後や遊びに行く前の隙間時間を活用し、トレーニングが1時間できない日も少しでも動くことも意識しているようだ。また内側からの美しさを意識して、食事にも気を遣っている。

「まずはタンパク質を意識すること。それから加工食品を減らすだけで、ある程度のPFCバランスは整うと思います。あとは腸活やミネラル、ビタミンも意識しています。朝の定番メニューは、ヨーグルトにバナナ2本、プルーン、ブルーベリーを入れたものと、トマトジュースにアップルサイダービネガーを加えたドリンク。昼は鶏胸肉、温泉卵3個、お米、ほうれん草、ブロッコリーが王道メニューですね。夜は日によって違いますが、基本はバランスの整った食事をしています。特に朝は自分の体調を整える時間でもあるので、手を抜かないようにしています」

ちなみに勝負メシは赤身ステーキだという関本さん。「元気が出るし、カルニチンが豊富。牛肉を食べた次の日は絞れている感覚があるんです」

初めてのコンテストを終えて、関本さんが得た一番の収穫は「決断」だったという。大会に出ると決めたことで、毎日の食事管理やトレーニングを習慣化でき、出場すると決断しなければ、トレーニングも続かなかったと言う。そしてそんな挑戦は周囲へのポジティブな影響も広がっている。

「幼なじみがトレーニングを始めたり、母が私の姿を見てヨガの資格を取り始めたりして……。一緒にいるとやる気になるって言ってくれるのがうれしいです！今の自分で満足してないなら、新しい自分を探しにいきましょう！大会に出たら、絶対に何か得られると思います。まずは決断する勇気を！」

関本さんは『細い＝美しい』から『しなやかで強い＝美しい』への価値観のシフトとともに、ボディメイクの世界で新たな一歩を踏み出した。

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD（サマー・スタイル・アワード）はJBBF（公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟）とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材・文：柳瀬康宏　写真撮影：岡 暁

執筆者：柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に執筆。保有資格：NSCA-CPT,CSCS,NASM-CES,BESJピラティス。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBFやマッスルゲートを中心に、毎年ボディコンテストに挑戦している。