「パティシエとしてケーキやパンに囲まれ、食べることも仕事の一部。そんな生活で体型はみるみる太り、5年前に買ったままの新品の服を見ては、途方に暮れていました」
6月14日(土)の『サマースタイルアワード名古屋予選』で、美しく絞られたモノキニビキニとビキニ姿を披露し、ビューティーフィットネスモデル部門ルーキー戦にて優勝を制した木下由稀(きのした・ゆき/24)さん。肥満体型を脱し、ステージに立つまでのバックストーリーを聞いた。
1年で−20kg!初挑戦で頂点に立ったコンテストへの覚悟
増えゆく体重に悩んだ木下さんは一念発起し、職場の同僚が通うパーソナルトレーニングに挑戦。しかし、回数券を使い切るまで通っても変化は乏しかった。
「本気で成し遂げたい目標がないから、変われないんだと思いました。そこでコンテストへの出場を決意し、周囲に公言することで後に引けない状態にして覚悟を固めました」
その後、地元・長野でのケーキ屋開業の夢を抱いて帰郷した木下さんだが、ボディメイクへの情熱は冷めなかった。なんと、パティシエを休業。ジムのスタッフとして働きながら、トレーニングへの学びを深めた。
「そのときに自分がやりたいことを絶対にやるというモットーで人生を生きてきたので、どちらも中途半端に挑戦したくなかったんです」
大会の公式セミナーでは周囲の引き締まった身体に圧倒され、危機感を抱いたことから食事管理を本格化。さらに減量を通して、思わぬ発見もしたという。
「自分がグルテン不耐症であることに気づきました。小麦や砂糖を控えたら、長年の悩みだったお腹の張りや便秘などの不調が驚くほど良くなったんです。花粉症もひどかったのが、一切症状が出なくなりました。パティシエの仕事だけをずっとしていたら、絶対気づかなかったですね」
また、固定化された食事では飽きとストレスから過食が出やすいことに気づき、「PFC管理ができていれば何を食べてもOK」のルールで、旬の魚や野菜を毎食多様な調理法で楽しんだ。
そして、わずか1年間で20kgの減量に成功。地道な努力と工夫を経て、目指してきたステージを優勝という最高の形で達成した。
未来のスイーツと終わらない挑戦
木下さんの目下の目標は、コンテストで満足いくまで戦い抜くことだ。だが、パティシエの夢も諦めてはいない。
「10年後にはケーキ屋を開業したいです。ただ、ボディメイクを通じて少し夢の形が変わり、筋トレしてる人でも美味しく食べられるスイーツを作りたいと思うようになりました」
減量中でも楽しめ、自身も悩まされたグルテン不耐症などにも対応できる本格的なパンやケーキで、フィットネスに励む人たちを支えたいと語る。
「まずは自分の身体でもっとボディメイクを理解して、実績を作りたい。それが夢への第一歩になると思っています」
トレーニングにはすっかりハマり、夢が叶った後もずっと続けるつもりだという。木下さんの今後の挑戦と、未来の美味しい減量スイーツの登場に期待が膨らむ。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。
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