7月19日(土)、大阪・堺市産業振興センターで開催された『サマースタイルアワード 大阪予選&ROOKIE CHALLENGE CUP 大阪予選』。この大会でスタイリッシュガイマスターズ部門2位、スタイリッシュガイトール部門3位という好成績を収めたのが、公務員として働く末永秀昭(すえなが・ひであき/41)さんだ。
「減量期間はしっかりあったんですが、最後の1カ月、詰めきれませんでした。体脂肪率5%(※)からの仕上げが甘かった。悔いが残ります」
※体脂肪率は市販の体組成計で測定
そう語る末永さんは、実は昨年の『サマースタイルアワード日本大会』スタイリッシュガイマスターズ部門で6位入賞の実績を持つ実力者。SSAコンテストアドバイザーとしても活動しており、選手と運営の両側面を経験している存在だ。
重量挙げ出身の脚力を武器に。ボディメイクとの違いに戸惑いもあった
トレーニング歴は長く、ルーツは10年以上前に取り組んでいた重量挙げ。現在は福岡県パワーリフティング協会で運営・審判として活動しており、競技の土台は明確だ。
「パワーリフティングで鍛えた脚力や、胸椎の伸展は現在のボディメイクでも生きていると思います」
一方で、両競技の考え方の違いに戸惑いもあったという。
「パワーリフティングは『全身を効率よく使って、いかに重いものを挙げるか』。でもボディメイクは『狙った部位にいかに効かせるか』。この切り替えがとても難しかったです」
筋肉を効率よく使う世界から、効率よく見せる世界へ。そのギャップを受け入れながら、末永さんは日々のトレーニングに励んでいる。今回の減量では脂質制限を中心に行ったが、「自分の身体には糖質制限の方が合っている」と気づきを得たそうだ。
「以前大会に出場したときは糖質制限の食事法でした。アボカド、卵とくるみのサラダ、牛赤肉ステーキ、MCTオイル入りコーヒー、サーモンステーキのチーズ和え、鯖の味噌煮などを食べていました。今回は脂質制限に切り替えて、ブロッコリーと鶏胸肉と海藻のサラダ、鶏胸肉ハム、雑穀米、鶏しゃぶレタス鍋などを食べました。両方試した結果、糖質制限の方が絞ることができたので、10月開催予定のサマースタイルアワード福岡予選では、糖質を抑えた減量にして、さらに絞っていきたいと思っています」
コンテストアドバイザーとしての責任感と、公務員としての生活、そして選手としての向上心。そのすべてを背負って立つステージには、まだまだ可能性が詰まっている。
「次こそ、納得できる仕上がりを見せたいです」と、競技の壁に戸惑いながらも、自分に合う方法を模索し続ける末永さん。過去のやり方に固執せず、柔軟に変えることが進化の第一歩なのかもしれない。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材・文:柳瀬康宏 写真撮影:岡 暁
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBFやマッスルゲートを中心に、毎年ボディコンテストに挑戦中。
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