8月31日(日)に開催された『サマースタイルアワード(以下サマスタ)ROOKIE CHALLENGE CUP 京都予選&京都予選』。過度な減量は求めず、健康的な女性らしい曲線美を競うグラマラス部門で2位に輝いたのは、エステサロンを経営する齋藤夕子(さいとう・ゆうこ/30)さんだ。
「初めての挑戦でしたが、本気で優勝を狙っていました。水着選びは自分で装飾まで行い、ポージングも毎日練習。短期間でもボン・キュッ・ボンのS字ラインを表現するために努力しました。舞台で表現できた自分を誇りに思います」
48kgから53kgへ増量し、「細い=美しい」という価値観を変える
齋藤さんは2022年にBeauty with a purpose(目的ある美)をスローガンに掲げ、美に集まる力を社会貢献に生かすことを使命としている『ミスワールドジャパン』の埼玉大会で優勝、日本大会でも特別賞を受賞した実績を持つ。美容の世界で輝き続けてきたが、筋トレを始めたのは今年5月。わずか4カ月で仕上げた身体で堂々とステージに立った。
「お客様から『サマスタにはグラマラス部門があるよ。うまく身体を生かせたら絶対強い』と言われて、挑戦する気持ちになりました」
それまで164cmで48kg前後をキープしていた体重を、あえて52〜53kgにまで増量。すると脚やお尻に丸みが出て、女性のお客様から「セクシー」「うらやましい」と声をかけられるようになったという。
「大会1カ月前には、今まで余裕で履けていたスキニーパンツが太ももで引っかかるようになったんです。最初は驚きましたが、周りから『お尻いいじゃん』と褒められるうちに、今の身体も好きだなと思えるようになりました」
細いことこそ美しいと考えていた自分の価値観を、筋トレが大きく変えてくれたと話す。齋藤さんは高周波(ラジオ波)で身体を温めるハイパーナイフやインディバを導入したエステサロンを経営。芸能人やアスリート、ダンサーといった顧客を担当している。近年はサマスタやベストボディ・ジャパン出場者の来店も増えた。
「選手の減量や仕上げの大変さは、ミスコンとはまったく違うもの。お客様の気持ちを理解し、施術に生かしたいと思って出場を決めました」
サロン経営者として多忙な日々を送る中、時間の使い方にもこだわり、「朝早く起きてジムに行ってから仕事を始めるようにしました。朝に身体を動かすと頭がスッキリして、1日のスタートが気持ち良かったです」と話す。また、ジムに行けない日でも『1日1万歩』をルールに設定。1週間単位で歩数を平均1万歩に保ち、余分な脂肪がつかないように調整していた。
「女性はお尻に年齢やトレーニング歴が出る」と分析した齋藤さん。重量を扱った日は必ずボディケアを取り入れ、疲労を残さない工夫を重ねた。
「その積み重ねで、短期間でもお尻の形がぐっと上がりました」
一方で「グラマラス部門は筋肉をつけるだけではなく、柔軟性を生かした曲線美が必要」と語る。背中周りのケアで可動域を広げ、バランスの取れたラインを意識して調整してきた。
「トレーニングを始める前にどんな身体になりたいかをしっかりイメージしました。出すところは出して、締めるところは締める。そう意識して取り組んだら、筋肉が少しずつ形になっていったんです。筋肉を育てるってこんなにおもしろいんだと実感しました」
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない
取材・文:柳瀬康宏 撮影:岡暁
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに挑戦中。
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