「脂肪は最強のポテンシャル」
そう語るのは、『サマースタイルアワード京都予選』で、女性らしいS字ラインと健康的なスタイルが評価されるグラマラス部門で特別賞を受賞した野田あや(のだ・あや/32)さんだ。昨年は『ベストボディ・ジャパン関西大会』モデル部門で3位に入るなど活躍し、トレーニング歴わずか2年半ながらステージで観客を魅了するステージングで存在感を示した。
野田さんが筋トレを始めたのは、出産前に離婚を経験し、娘と二人三脚で生きていこうと決めたことが大きい。
「女1人で育てていくには、まず見た目に説得力が必要だと思ったんです」
体型について「ゴツイ」と言われても「その脂肪はポテンシャル」と笑い飛ばす。筋トレを始めてからはお尻や姿勢を褒められるようになり、「男に裏切られても筋トレは裏切らない」と確信するまでになった。夜はエステで働き、育児と仕事に追われる生活。時間のやりくりは徹底している。
「減量期は朝4時半にママチャリでジムに行き、空腹中の有酸素をして汗だくのまま4歳の娘が起きる前に帰宅。夜は1時間半だけトレーニング。それができないときは10分でもやるし、精神的に無理なときは諦めて休養にあてます」
苦手な下半身、とくにお尻の上部はパーソナルで限界を知り、フォームを見直しながら克服を続け、得意な肩はインナーマッスルも意識するようになり、さらに磨きがかかっているそうだ。
出産前と出産後では身体だけでなく、考え方も大きく変化したという。
「お尻や背中、脚のラインは劇的に変わりましたし、根性やポジティブさも増しました。相手が受ける印象まで違ってきたと思います」
さらに驚いたのは「筋トレが続いていること」「確実にモテるようになったこと」、そして「娘まで筋トレ(のまねごと)を始めたこと」だという。親子で前向きな習慣をシェアできているのは大きな喜びだ。
「どんな人生でも可能性はいくらでもあります。太っていても悩む必要はなくて、脂肪は最高のポテンシャル。私の友達も筋トレに出会って180度人生が変わりました。だからまずは身体を動かしてみる、ジムに行くといったことだけでもチャレンジしてみてください」
シングルマザーとしての強さと女性としての自分らしさ、その両方を体現しながら野田さんは今後も挑戦を続けていく。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない
取材・文:柳瀬康宏 撮影:岡暁
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに挑戦中。
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