元海上自衛隊員で、現在はフィットネストレーナーとして活動しながら、ボディコンテスト団体『サマースタイルアワード』のプロ選手としても活躍する馬場裕(ばば・ゆたか / 37)さん。8月9日(土)に行われた『サマースタイルアワード 2025 JAPAN PRO CHAMPIONSHIP』ではクラシックフィジーク部門で3位という結果を残した。1日30分で作り上げたとは思えない肉体美が持ち味だ。
元海上自衛隊員という経歴をもつ馬場さんがトレーニングにのめり込んだきっかけとは。
「自衛隊員という仕事柄、運動量や身体を鍛えることも多かったので、数年前に『自衛隊プレミアムボディ』という自衛隊員限定のボディコンテストに出場しました。これをきっかけにボディメイクに目覚めてしまって(笑)。現在はパーソナルジムの経営者としてどっぷりボディメイクに関わっています」
身体作りのポリシーは『短時間で成功させる』こと
日頃から短時間でのトレーニングを意識しているという馬場さん。その背景には、トレーナーとして多くの人に伝えたい『メッセージ』が込められている。
「トレーニング時間は1日10分〜20分が基本。多くて30分です。トレーニングは時間より質が大切だと思っていますし、まずは仕事が第一。ボディメイクは副産物的に生まれる幸せのピースだと考えています。また、私のジムに来るお客様のほとんどは、忙しいなかでも隙間時間を捻出して来てくれています。だからこそ私も同じ環境で身体作りをすることを大切にしていて。短い時間であったとしても『かっこいい身体』は作れるということを証明したいです」
左膝の前十字靭帯断裂経験もあるという馬場さんは、これまで5度の手術を乗り越えてきた。古傷を抱えながらのトレーニングで意識していることとは。
「古傷の影響でフリーウエイトのスクワットはできないため、マシンを活用しながら日々のトレーニングに励んでいます。コンテストに出場する以上、脚の細さは気になりますが、できる範囲でできることを全力で行っています」
「焦らず自分のペースで進めることが継続のコツです」と語る馬場さん。その裏には自身の苦しんだ経験があった。
「続けるコツは急がないこと。ボディメイクは小さなことの積み重ねです。SNSを見ているとすごい人も多いのでどうしても飛び級しようとしてしまいがち。でも、現実的にそれは不可能で。自分のレベルに合わせて継続をすることで、『うさぎとかめ』のようにいずれは大きな目標を達成できると信じています。私も初めはこの考え方がなかなかできず、悩んでいました。でも自分と向き合うことに集中できるようになった瞬間に気持ちが楽になって。この考え方の大切さを皆さんにも知っていただきたいです」
1日30分のトレーニングで人間の身体は進化を遂げる。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:池田光咲 撮影:中原義史
執筆者:池田光咲
IRONMANを中心にトレーニング・スポーツ系メディアや雑誌で執筆・編集活動を展開中。ベンチプレス世界選手権3位の入賞経験をもつ現役アスリート。
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