「ぼてっとしたお尻や、隙間のない太ももがずっとコンプレックスでした。気になっている人が細い脚の芸能人を褒めているのを聞くと、自分と比べてしまい嫌な気持ちになることもありました」
そう語るのは、山部映美(やまべ・えみ/29)さん。かつては、周囲の友人と自分の体型を比べて落ち込んだり、服選びにも悩んでいたという。
そんな山部さんの転機となったのは、偶然入社した会社にフィットネス部門があったことだった。
「デスクワークよりも、自分には身体を動かす仕事の方が合っているかもしれないと思い、フィットネス部門への配属を希望しました」
こうして、新たな環境へ飛び込んだ山部さん。入社後はフィットネスジムに配属され、トレーニングについて学びながら、自身のコンプレックスを克服するためのトレーニングを始めた。
「全身をバランスよく鍛えることを意識しつつ、特に気になっていたお尻のトレーニングには重点を置きました。スクワット、デッドリフト、ヒップスラストは特に効果を感じましたね」
トレーニングだけでなく、ストレッチや食生活の見直しも並行して行った。
「毎日ストレッチポールを使って身体をケアし、食事は糖質とタンパク質を中心にバランスを整えました。特に、ストレッチを習慣化することで肩こりや腰痛がなくなり、体調が良くなったと感じています」
フィットネスの知識を仕事に活かしながら、自身の身体も変えていった山部さん。やがて、大会にも出場するまでになった。
現在は家庭を持ち、子育てとトレーニングを両立する生活を送っている。
「以前は両立を大変だと感じることはなかったのですが、子どもが生まれてからはトレーニング時間の確保が難しくなりました。でも、子どもとの時間を大切にしながら、種目数やセット数を絞って短時間で集中してトレーニングすることで、時間をうまく確保しています。トレーニングができない日があっても、あまり気負わず『まあいっか』と思うことも大切ですね」
環境が変わっても、自分なりに工夫しながらトレーニングを続けている。
「もっと自分を好きになりたいし、理想の身体を目指し続けていきたい。子どもとの時間を大事にしながらも、落ち着いたらまた大会にも挑戦したいと思っています!」
コンプレックスを乗り越え、自分自身と向き合いながらトレーニングを続けてきた山部さん。母となった今も、新たな目標に向かって挑戦を続けている。その姿は、これからも輝きを増していくだろう。
取材:佐藤佑樹 写真提供:山部映美