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反り腰にお悩みの方必見!“姿勢のリセット”でトレーニングとカラダはこんなに変わる【前編】

腰痛や見た目の悪さだけでなく、トレーニングの不調やぽっこりお腹、リブフレアなどなど、あらゆるお悩みの原因は「反り腰」ってホント!?
今回はフィットネストレーナーの小倉シエカさんが反り腰を徹底解説。反り腰改善のための姿勢リセットエクササイズも教えていただきました!

※Woman's SHAPE&Sports vol.28に掲載された「反り腰にお悩みの方必見!“姿勢のリセット”でトレーニングとカラダはこんなに変わる」をWEB用に編集したものです。

“反り腰”は姿勢不良の代表ボディメイクへの影響も!

人一倍トレーニングを頑張っているのに、なかなか効いてくれない。
ボディラインが思ったように変わらない――。そんなお悩みを持っている人は、背骨のアライメント不良、つまり正しい配置が崩れて姿勢不良を起こしたままトレーニングを行っている可能性があります。

その姿勢不良の代表が「反り腰」です。反り腰は自覚がない人もたくさんいますが、たとえばトレーニング後に腰が痛くなった、日常的に腰に疲労が溜まりやすい、朝起きると腰まわりが硬いなどの不調や違和感が出ている人は、反り腰に関わらず何かしら姿勢や身体の使い方に問題があるかもしれません。

反り腰の場合、背骨が重力に対してまっすぐ立っていないので、崩れた塔のように必ずどこかにひずみが出て、大きな負担がかかります。前腿やふくらはぎの張りや痛み、また首こりや肩こりなどは反り腰からくる不調の典型です。

アライメントが崩れたままの状態でのトレーニングでは効かせたい部位に刺激が入りづらく、思ったようなボディメイクができないという人も少なくありません。キャッチーなところでは肋骨が開いてしまう「リブフレア」も、姿勢が崩れて肋骨の形が変わることから起こる場合も多いのです。

骨盤が大きく前傾する反り腰、前に突き出るスウェイバック

代表的な反り腰のタイプは2つ。一般的に「反り腰」と呼ばれているのは、お尻を後ろに突き出すように腰が反ってしまっている状態。骨盤が前に大きく傾いているぶん、腰のカーブもきつくなっています。

もうひとつが「スウェイバック」です。首まわりや背中は猫背のように丸まっているのに、骨盤が前に押し出されてお腹だけが突き出ている。背骨の流れでいえば、腰が前に持っていかれて反っている状態なので、“隠れ反り腰”タイプといえます。デスクワークやスマホ操作の姿勢が日常化した今、本当に多くの人が気づかないうちにスウェイバックになっています。

骨盤が大きく前傾している反り腰と、骨盤が前に押し出されているスウェイバック。困ったことに、2つとも下腹が出てくるのが大きな特徴です。トレーニングを頑張っても、なぜかお腹痩せできないとか、お腹だけ突き出てシルエットがかっこ悪いと思う人は、反り腰の可能性を疑ってみるべきかもしれません。

その原因はさまざま 予防や緩和に取り組もう

誰もが気づかないうちになっているかもしれない反り腰。その原因はさまざまです。ひとつは、「よい姿勢」のイメージにとらわれすぎていること。頭でイメージする美姿勢をキープしようとするあまり、胸を張って背筋を伸ばした瞬間に腰が入って反り腰になってしまうのです。

ステージ上などの見せる場面では必要になってくるポーズですが、実は身体を動かす姿勢には向いていません。日頃からその姿勢を意識しすぎると、筋肉の各部位が本来の機能を失ってパフォーマンスが低下し、ボディメイクにも影響が出てきてしまいます。逆に、きちんと骨盤やコアをニュートラルに戻せる人ほど背骨に美しい反りが生まれますし、コアを上手にコントロールできるのでステージングも楽になります。ステージでのポージングで疲労感が強く出てしまう人は、やはり筋バランスが崩れて働きの悪い部位があるのかもしれません。

反り腰の原因では、やはり生活習慣のクセも見逃せません。スウェイバックを引き起こす長時間のPCやスマホ操作はもちろん、ヒールを履くことが習慣化している、あるいは運動不足や加齢により背骨を支える筋力が低下することで、前後左右の筋バランスが崩れて背骨や骨盤の位置がずれてきてしまう。また身体全体に張り巡らされた抗重力筋の低下によっても姿勢を維持することができなくなり、反り腰を始め身体にゆがみが生じます。

もうひとつ、反り腰の原因として気をつけたいのがメンタルの不調です。ちょっと意外かもしれませんが、忙しくてストレスが溜まってくると、呼吸が浅くなり肋骨まわりが硬くなります。それにつれて体幹部の働きもにぶり、遠回りながら確実にアライメントにもネガティブな変化が生じてきます。日々の生活で緊張状態が強い人は、特に背中や背骨が硬くなりがち。反り腰は、頑張りすぎる人にとって注意喚起のアラームという側面もあるのです。

常態化させないことが重要 エクササイズでニュートラルへ

背骨を支える前後左右の筋力がバランスよく引っ張り合いをしながら背骨をコントロールしてくれると、腰を反らなくても胸が大きくきれいに伸びるなど、背骨が機能的に働くようになります。逆に、引っ張り合いのバランスが崩れてしまうと、背骨が潰れたまま反る・曲げるといった不自然な動きが続き、背骨の間のスペースも潰れていってしまう。長い目で見ると、これはかなり危険な兆候となりえます。ゆくゆくは椎間板ヘルニアや、女性に多いすべり症の障害にもつながっていってしまうからです。

今回ご紹介するエクササイズでは「姿勢のリセット」をメインテーマに、反り腰で硬くなりがちな筋肉を背中、骨盤まわり、股関節と上から順に気持ちよく伸ばすこと、また機能を失いかけている筋肉に刺激を与えて本来の働きを取り戻すことを通じて、筋バランスを整えていきます。

このエクササイズをトレーニング前に行い、姿勢を偏りのない「ニュートラル」に戻しておくと、狙った部位にしっかり効きを感じるようになるという人は多いと思います。ウエイトトレーニングではどうしても腰の緊張が高くなるので、疲労の回復という意味でもオススメですし、本来のアライメントでトレーニングに臨めるので、怪我の予防にもつながっていきます。また、ステージでヒールを履いている人ほど腰まわりに疲労がたまってくるので、リセット方法のひとつとして知っておくといいと思います。姿勢のリセットで反り腰を改善し、より質の高いトレーニングやステージングにつなげていきましょう!

胸を張るタイプの典型的な「反り腰」のほか、猫背姿勢の「スウェイバック」も!

ニュートラル、反り腰、スウェイバック

骨盤が大きく前傾している反り腰と、骨盤が前に押し出されているスウェイバック。腰の違和感、痛みのほか、以下のような自覚症状が現れる場合も。

●ポッコリおなかが気になる
●お尻が出ている気がする
●内股、またはO脚だ
●つまずく頻度が人より多い気がする
●胸を反らせるのが苦手
●背骨を反らせたり丸めたりするのが苦手
●背中、股関節などに違和感がある

当てはまるものが多いほど反り腰の可能性が高いと言えます。ぜひ【後編】のエクササイズを実践してみてください。

小倉シエカ

小倉シエカ

小倉シエカ

1979年生まれ。フィットネストレーナー/運動経験ゼロであったが、体型の崩れをきっかけに2007年、27歳で筋力トレーニングを開始。JBBFボディフィットネスに出場し、東京・関東(初)・東日本(初代)大会チャンピオンとなる。2010年に全日本大会準優勝、11年東アジア選手権代表に選出。現在はピラティス、ウエイトトレーニング、筋緊張抑制などを組み合わせたコンディショニング&ボディメイクを行うパーソナル指導を中心に活動中。

取材・文_藤村幸代 text=Yukiyo Fujimura 撮影_ Ap,inc. photo=Ap,inc.

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