コロナ禍により太ってしまった。そこから体型が戻らないという方は少なくないはずだ。今回紹介する西澤浩一郎(にしざわ・こういちろう/55)さんも、その一人だった。現在はボディコンテスト団体「サマースタイルアワード」のスタイリッシュガイ部門/スポーツモデル部門で活躍されているが、過去を振り返り語ってくれた。
「当時は体重70kg、体脂肪率18%でした。本格的に筋トレを始める前は、好きなものを、好きなときに、好きなだけ食べていました。コロナ太りにより緩んだお腹を解消しバランスの良い体型になりたいと思っていました」
※体脂肪率は市販の体組成計によるものです。
筋トレを始めてから特に意識していたことを教えてくれた。
「筋トレを始めたころは、正しいフォームにこだわりながら行っていました。ベンチプレスやスクワットを中心に、扱う重量の更新を目標にしていました。食事に関しても毎回PFCなど主要栄養素を記録するようになり、内容に気を遣うようになりました。ランチは外食をやめて、弁当を持参するようになりました」
トレーニングの結果や食事を記録するようになり、憧れの体型に近づいていったそうだ。そこから「大会に出場する」という目標を持ち、さらにボディメイクへの熱意が高まったという。
「コンテスト出場という目標を持つことで、トレーニングにも張り合いが出て、毎日がさらに充実するようになりました。トレーニング内容も変わり、出場後は審査員のフィードバックに従い、背中や肩に注力したメニューを組んでいます」
筋トレを始めたことで日常生活にも良い影響があったという。
「夜型から朝型に変わり、出社前の時間をウォーキングやトレーニング、弁当づくりなど有意義なものに変えることができました。筋トレという趣味が高じて、パーソナルトレーナーの資格も取得しました。人脈が広がり、さまざまな年代や職業の方との交流が増え、日々多くの刺激を受けています」
現在は体重60kg、体脂肪率5%という体型を手に入れた西澤さんに、ここまでの体型を作り上げるためのモチベーションの維持方法を伺ってみた。
「仕事や家庭など日々のストレス解消法が筋トレなので、筋トレではストレスを溜めないように意識しています。『無理せず、気にせず、コツコツと』がモットーです。怪我をしないよう無理せず、扱う重量の停滞や減量の停滞、お酒やお菓子を多少食べても気にせず、とにかくコツコツ筋トレを続けています。またコンテストに定期的に出場することで、常にモチベーションを高く保つようにしています」
趣味だった筋トレが、気づけば人生を変えるきっかけに。西澤さんの挑戦は、誰でも、どんなタイミングでも始められることを証明しているのではないだろうか。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:佐藤佑樹 写真提供:西澤浩一郎