5月4日、アクトシティ浜松中ホールで開催された『マッスルゲート浜松大会』。ビキニフィットネス一般の部で2位という素晴らしい結果を手にしたのは、高校1年生の片山あうら(かたやま・あうら/15)さん。仕上がったボディと堂々としたステージングで、初出場ながら観客を魅了した。
【写真】15歳の高校生・片山あうらさんの堂々としたビキニ初ステージ
「最初はトレーニングをするというより、競技者の方のプレアクションやポージングを見るのが好きだったんです。家で真似っこしたり、フリーポーズを見たりしていたら、大会出場経験のある母から“やってみたら?”と軽く勧められて。スポーツ経験もなかったし、何かに挑戦してみたいという気持ちもあって始めました」
母親のサポートのもと、信頼できるトレーナーからの指導を受け、自然と“楽しい”という気持ちが湧き上がったという。
「始めた当初は、食欲のコントロールができず、隠れてごはんや魚を多めに食べてしまったり……。トレーニングも“とにかく重量挙げとけばいいか”と思っていたので、効かせたい部位に効かず伸び悩んだこともありました」
そんな壁にぶつかりながらも、少しずつ改善を重ねたという。
「下半身は脚が太くなりやすいので、お尻だけに効かせるトレーニングを、軽めの重量・高レップで意識しています。上半身は逆に細いので、背中は重量をしっかり持って、絶対に効かせるように。肩は苦手なので、友だちに合トレを頼んだりして頑張っています。日常生活でもウエイトシェイパーを使って意識を高めています」
食事については、体調への影響が出やすい年齢でもあることから、相談しつつ、指導を受けながら柔軟に調整していたが、競技への取り組みと高校生活の両立は、決して簡単ではなかったという。
「友だちとの食事の誘いを断ることが増えたり、気を遣わせてしまったこともありました。高校入学直後の減量期間だったので、仲良くなるきっかけの“ご飯行こ!”が難しくて……お弁当を持って行ったり、食事以外の遊びを提案したり工夫しました。でも“フィットネス競技に出てるんだ”と伝えると、みんな理解してくれて、応援してくれたんです!」
大会当日には多くの友人が連絡をくれ、結果をSNSに投稿した際も「かっこよすぎ!」「すごい!」とたくさんの称賛が寄せられたそうだ。
「中学生や高校生で、筋量をつけるためにトレーニングをしている人は珍しかったみたいで、いろんな人に“すごいね”って言ってもらえました!」
今大会は『私でも頑張れるんだ』と気づけた初ステージだったという。
「正直、1位じゃなくてもすごくうれしかったです。今までスポーツや競技をまったくやってこなかったから、“私でも頑張れるんだ!”って。悔しさは全然なくて、とにかくメダルがもらえたことがうれしくて……」
今後の目標については、こう語ってくれた。
「これからも健康的な身体を目指していきたいです。写真や鏡に写ったとき、自分の身体が整っていると全体がきれいに見える気がして、もっと頑張ろうと思えるんです」
『誰にでも、はじめの一歩がある』それがたとえ15歳でも、「やってみようかな」という小さな好奇心が、人生を動かす原動力になる。片山さんの挑戦は、年齢や経験にとらわれず“やってみる”ことの大切さを、私たちに改めて教えてくれたのだ。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
執筆者:佐藤佑樹
主にFITNESS LOVEで執筆中。自身も大会へ出場するなどボディメイクに励んでいる。料理も好きで、いかに鶏胸肉を美味しく食べるかを研究中。