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18年間勤めた消防士を辞めてスウェーデン移住、41歳で初メンズフィジーク3冠 元救助隊員が踏み出した新たな挑戦

18年間勤めた消防士を辞め、家族4人でスウェーデンへ移住。言葉も文化も違う土地でゼロから生活を築く中、41歳で初めてメンズフィジークの大会に挑み、3カテゴリーで優勝したのが大野俊成(おおの・としなり/41)さんだ。現在は語学学校に通いながら、4月末にスペインで開催されるヨーロッパ大会にスウェーデン代表の一員として挑む。

【写真】大野俊成さんのスウェーデン大会優勝時のバキバキに割れた腹筋を含む14枚

大野俊成さん

23歳で消防士となり、救助隊や特別消火隊なども経験してきた大野さん。充実した毎日を送りながらも、40歳を迎えたころ、「もっと大きなことに挑戦したい」という気持ちが強くなったという。

「最大の決め手は、新しいことにチャレンジしたいという気持ちでした。消防士としての日々は充実していましたが、40歳になって今後の人生を考えたとき、海外で一から積み上げてみたい思いが強くなったんです」

移住後は、言葉の壁や慣れない生活の中で自信を失いかけた時期もあった。

「最初は分からないことと、できないことだらけでした。スウェーデン語もなかなか上達せず、つらいときもありました。それでも踏ん張れた理由の一つが、消防士時代の経験で、消防の訓練や勤務はかなり過酷だったんです。だから今つらいことがあっても、あのころに比べれば大したことではないと思えるんです」

自信を失いかけたとき、筋トレが背中を押した

筋トレを始めたのは21歳のころ。消防士になるために体力を付けようとジムに通い始めたのがきっかけだった。約20年にわたって続けてきたが、日本にいたころは大会出場には興味がなかったという。

「お酒が好きだったので、日本では大会に出ようと思ったことはありませんでした」

そんな大野さんが競技に踏み出したのは、スウェーデン移住後。ジムで「大会に出るべきだ」と言われた一言が、挑戦への背中を押した。

「その言葉は日本でも言われたことがありました。でも、スウェーデンに来て自信を失いかけていた自分には、すごく刺さったんです。スウェーデンに来ること自体がチャレンジでしたし、どうせゼロからのスタートなら、失敗してもゼロでしかないと思って挑戦しました。初めての海外大会は分からないことだらけで、エントリーは妻がサポートしてくれて、ポージングは日本のトレーニング仲間に相談しました。さらに大会直前には、認可ジムへの所属が必要だと分かり、現地チームに助けられて何とか出場までこぎ着けたんです」

その結果、『Westcoast Trophy 2026』で40~49歳部門、176cm以下級、オーバーオールの3カテゴリーで優勝。勝因について大野さんは、約20年の積み重ねに加え、生活環境の変化を挙げる。

「一番は、約20年にわたって筋トレを続けてきたことだと思います。あとはスウェーデンに来て飲みに出かけることがなくなりました。今は午前中に語学学校、終われば自習して、そのあとトレーニングという流れなので、すごく恵まれた環境です」

最後に、大野さんは新しい挑戦をためらっている人へこう語る。

「挑戦したことで、たくさんの出会いがあり、いろいろなことがプラスに動きだしました。チャレンジしたからこそ見える世界があると思います。スウェーデンでは30代や40代でも学校で勉強しながら、セカンドキャリアを築いている人がたくさんいます。チャレンジに年齢は関係ないと、改めて感じました」

41歳で安定した職を手放し、異国の地で新しい人生に踏み出した大野さん。その姿は、年齢に関係なく挑戦できるということを教えてくれる。

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取材・文:柳瀬康宏 写真提供:大野俊成

執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。

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