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「背中の発達+機能面チェックに有用です」喜納穂高流【チンニング】トップ選手の背中トレ解説!

背中ので背中の基本的な種目を、トップ選手はどう考え実践しているのか?ここでは喜納穂高選手の背中を作ったチンニングの効果や狙い、やり方を詳しく聞いた。

文:柳瀬康宏 大会写真:中原義史 トレーニング写真:岡部みつる Web構成:中村聡美

なぜチンニングをやるのか

私がチンニングを続けている一番の理由は、機能的な側面にあります。チンニングは、自分の身体が動くことで成立する種目です。手はバーに固定されていて、そこから身体全体をコントロールしながら引き上げていく。単純に背中を鍛えるというだけではなく、体幹の安定も必要ですし、頭の位置も含めて身体全体が連動して動いていく必要があります。そう考えると、この種目がしっかりできている状態というのは、筋力や筋肥大だけではなく、身体の機能がある程度整っている状態だと考えています。

もちろん、背中のトレーニングとしてはラットプルダウンなどもありますし、チンニングとラットプルダウンをその日の状態によって使い分けることもあります。どちらか一方だけを行う日もあります。ただ、チンニングに関しては、単なるメニューのひとつというよりも、自分の身体の状態を確認する意味合いも強いです。背中に負荷がうまく乗るか、体幹が安定しているか、余計な力みが出ていないか。そういったことを確認するためにも、定期的に入れておきたい種目ですね。

チンニングの狙い・効果

チンニングで一番狙っているのは、広背筋の上部です。チンニングというと、背中全体に効かせる種目というイメージを持たれることも多いと思いますが、私の場合は、その中でも特に広背筋上部にしっかり引っかかっている感覚を大事にしています。逆に、大円筋ばかりに意識が寄り過ぎたり、下部、つまり腰に近いあたりまで入り過ぎてしまわないようには注意しています。

その感覚を作るうえで大事にしているのが、肩甲骨の動きです。広背筋の上部にきちんと負荷が乗っているときは、「肩甲骨でぶら下がっている」ような状態になります。肩甲骨が動いていること、そしてただ動くだけでなく、安定していること。両方が必要です。もちろん、これは目で見て確認できるものではないので、最終的には感覚の話になります。ただ、自分の中で「今、肩甲骨付近にちゃんと負荷が乗っているな」と感じられるかどうかは、大きな基準になっています。

また、私は普段からポージングの感覚をトレーニングに持ち込むことが多いのですが、それはチンニングでも同じです。たとえばフロントダブルバイセップスを取ったとき、広背筋が左右に広がって、前から見ても背中の広がりが見えてくると思います。あの形を頭の中でイメージしてからバーを握り、スタートするようにしています。

グリップや 手幅とその意図

グリップはサムアラウンドで握っています。親指をバーに巻き付ける握り方ですね。理由としては、単純にその方が握りやすいというのもありますが、それ以上に背中にテンションを作りやすいからです。サムレスグリップで親指を外してしまうと、肩が外旋方向に行きすぎるような感覚があります。私の中では、「外旋のテンションをかけながらも、どこかでブレーキがかかっている状態」が必要なんです。そのバランスを作るうえで、サムアラウンドの方がやりやすい。親指が、そのブレーキの役割を果たしてくれている感覚があります。

手幅は肩幅よりやや広めです。感覚としては、ダブルバイセップスのポーズを取って、少し肘を前に出したときの手幅に近いですね。バーの形状については、ストレートバーを使うこともありますし、ラットプルダウンバーのように少し曲がっている形状のものを使うこともあります。バーによって収縮感やストレッチ感に多少の違いは出ますが、基本的な狙いや意図そのものは変えていません。

喜納穂高の現在の背中トレ全メニュー

チンニング
ラットプルダウン
ベントオーバーロウ
ダンベルロウ
ダンベルワンハンドロウ
マシンロウ
ラットプルダウン(Vバー)

チンニングの注意点

一番よく言われるのは「肩をすくめない」ということだと思いますが、私自身もそこは気をつけています。ただ、完全に肩を固定して動かさないようにしているわけではありません。ストレッチの局面では、自然に少し肩が上がることもありますし、そこまで神経質には考えていません。大事なのは、完全に力が抜けてしまわないことだと思っています。

もうひとつ気をつけているのは、お尻を締めすぎないことです。トレーニングでは「お尻を締める」とよく言われますが、締めすぎると股関節が外旋方向に強く働いてしまいます。そうなると肋骨が開きやすくなって、広背筋ではなく腰の方に負荷が流れやすくなってしまう。だから私は、あえてお尻を強く締める意識は持っていません。広背筋にしっかり負荷が乗るポジションを作った結果として、身体全体が自然に安定している状態を目指すイメージです。

私自身も、いまだに感覚を探りながら行っていますし、背中のトレーニングとしてだけでなく、身体の機能を確認する意味でも、これからも続けていきたい種目のひとつです。

チンニング種目解説

●対象部位:広背筋上部

●重量・レップ数・セット数
自重×20~10レップス×4セット

●セッティング握り:サムアラウンドグリップ
手幅:肩幅程度
※フロントダブルバイセップスを取ったときの自然な幅

●動作方法
肩甲骨を下制して対象筋に負荷を乗せたところからスタート肩甲骨の下制を維持したまま肘を骨盤に向けて引いてくるストレッチ時も下制を維持しつつ伸ばしていく肘は完全に伸ばし切らないところで切り返す

●ポイント
動作中は必ずしもずっと肩甲骨が下制しているわけではなく、ストレッチの最終段階では多少の肩のすくみは出る。次のレップにつなげるためのストレッチというイメージを持つ

 

きな・ほだか
沖縄県出身。身長173㎝、体重78(オン)86㎏(オフ)、フリーパーソナルトレーナー。クラシックフィジークでは2021年・2022年ジャパンオープン選手権175㎝以下級優勝、2022年はオーバーオールでも優勝。ボディビルでは2023年日本選手権5位、2024年日本選手権7位、2025年日本選手権6位

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