フィットネス HYROX

「もっと速く、もっと強く!」――43歳で挑んだHYROX、初挑戦で準優勝【HYROX WARRIORS no.28】

世界的に話題のフィットネスレース「HYROX(※)」で活躍する選手に迫るコーナー。第28回は、HYROX Chiba・Open single woman(41-44歳)部門で準優勝に輝いた上明子(かみ・あきこ/43)さんを紹介する。

※「HYROX(ハイロックス)」とは、ランニングとフィットネス種目を組み合わせた新しいスタイルの競技。1kmのランニングと、8種目のファンクショナルトレーニング(機能的全身運動)を交互に繰り返すことで、筋力や持久力だけではなく、さまざまなフィットネスに関する能力が問われる。

【写真】好記録の前でお決まりのポーズを見せる上さん
上明子さん

マラソン×筋トレ。「自分に合っている」と感じたHYROX

約10年間、マラソンに取り組んできた上さん。今年はボディメイクを目的に筋トレも始めた。
そんな中、Instagramを通じてHYROXという競技を知った。
「マラソンと筋トレの両方が活かせる競技だと思いました。不安よりも、ワクワクする気持ちのほうが大きかったです」

初挑戦ながら、前向きな気持ちでレースへ。準備では、通っていたジムがHYROXの器具を揃えてくれたことも大きな助けになった。

「本番を想定したシミュレーションをやったり、サーキットトレーニングに参加したりしました。マラソンやトレイルの大会にも引き続き出場しながら、心肺機能を落とさないように準備を続けました」

得意種目は、やはりランニング。1kmを4分30秒以内で走ることを意識してレースに臨んだ。

「最後のランだ!」苦しさの先にあった3分45秒

実際のレースで待っていたのは、想像以上の過酷さだった。

「特にスレッドプッシュ後のランとウォールボールは苦しかったです。写真を見たら鬼の形相で、自分でもビックリしました(笑)」

それでも、苦しい時間の先には大きな達成感が待っていた。

「7種目目のサンドバッグランジを終えたとき、『ここまでこれた。これが最後のランだ!』と思った瞬間、気持ちが一気に前を向きました」

最後の1kmの記録は、なんと3分45秒。フルマラソンサブ3の底力を発揮し、最後まで自分の力を出し切った。

さらに最後のウォールボールでは、50回以上も止まることなく投げ続けた。驚異的なフィジカルを見せつけ、さらなる伸びしろを感じさせるレースとなった。

一方で、今回は完全に一人での参加。レースに向けて一緒に練習する仲間もおらず、「周りの人たちが羨ましかった」と率直な思いも明かす。

それでも、自分自身と向き合いながら初めてのHYROXを走り切り、見事、HYROX ChibaのOpen Single Women(41-44歳)部門で準優勝に輝いた。

「もっと速く、もっと強く」――次なる目標は年代別優勝

レースを終えた上さんの心に残ったのは、達成感だけではなかった。

「もっと速く、もっと強くなりたいです。優勝まであと一歩だったので、次こそは年代別で優勝して、白フラッグを取りたいです」

初挑戦を終えたことで、HYROXに対する思いはさらに強くなった。出場前は未知の競技だったHYROXも、今では『もっと上を目指したい』と思わせてくれる存在になっている。

「HYROXはもちろんハードですが、無理だと思わず、挑戦してみてほしいです。『自分にはできない』ではなく、『自分にしかできない』ことがきっと見つかるはずです」

初挑戦を終えた上さんの、HYROXへの挑戦はまだ始まったばかりだ。

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文:林健太 写真提供:上明子

執筆者:林健太
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。日本初開催のHYROX横浜はシングルプロで出場。

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