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【サウナ好きトレーニー必見】筋トレ×温熱で筋肉量が変化!? 熱ショックタンパク質(HSP)が引き起こす筋肥大の科学:米フィットネス誌で紹介された「サ活」の最新知見

「サ活」といった言葉が流行したように、健康やリフレッシュのために、温浴施設やサウナに通う人も多いだろう。ボディビルダーやアスリートの中にも、減量中に温浴施設やサウナを活用するといった選手もいる。また、筋肉を温めることで、タンパク質合成の活性化や疲労感の軽減などのコンディショニング効果を期待する人もいるかもしれない。

しかし、こうした温熱療法的なアプローチについてその具体的な科学的メカニズムや正しい活用法は、一般にはまだ十分に知られておらず、なんとなく良さげだからといったかたちで取り入れているケースが大半かもしれない。

そこで、本記事では科学的メカニズムを理解する一つの参考情報として米フィットネス誌で紹介された温熱療法に関する興味深い2つのトピックを紹介する。

本記事は、海外のフィットネス事情やトレーニング文化に関する情報をもとに構成された翻訳・編集記事です。日本国内の事情や環境とは異なる部分も含まれます。

(IRONMAN2026年9月号「from IRONMAN USA」より一部Web向けに編集・加筆修正して転載)

熱ショックタンパク質を活性化する

筋肉を直接温めることで筋発達が促進されるか、その関係性を調べた研究がある。『エイジング・クリニカル&エクスペリメンタル・リサーチ(老化に関する臨床と実験)』誌によると、ウエイトトレーニングに「熱」を組み合わせることで、筋肉の成長を後押しする可能性が示唆された。

韓国の科学者による実験では、被験者を以下の3グループに分け、12週間後の変化を比較した。

①毛布にくるまる
②下半身のウエイトトレーニングを行う
③筋力トレーニングと温熱療法を組み合わせる

その結果、グループ③はアナボリックホルモンの分泌が刺激され、グループ①②と比較して筋肉量や筋力のより効率的な向上が認められた。

興味深いことに、全てのグループで1RM(1回できる最大重量)が増加し、インスリン様成長因子(IGF-1)のレベルも向上したものの、顕著な筋肥大を示したのはグループ③だけだった。

研究者らは、トレーニングと温熱療法の組み合わせによる筋肥大の要因として、“熱ショックタンパク質72”が活性化され、それが筋肉内でのタンパク質合成や細胞修復を促進した可能性を推測している。

 

編集注

熱ショックタンパク質(別名HSP)は細胞を短時間温めた後やグルコースの枯渇によって発現するタンパク質である。HSP72は変性したタンパク質の修復や保護に関与する機能を持つ。

 

トレーニング前に身体を温めて筋肥大

『フィジオロジカルサイエンス』誌では、「熱ストレスによるアナボリズム」についての研究結果が紹介されている。日本人による研究であり、トレーニング前に筋肉を温めた場合と温めなかった場合で、トレーニング後の筋肉のアナボリズムに違いが見られるのか調べられた。

実験の結果、トレーニング前に筋肉を温熱療法で温めると、トレーニング後、筋肉内で特定のアナボリック調整分子の活性化が顕著に認められた。研究者らは、この分子の活性化が筋線維でのタンパク質同化作用を引き起こすのではないかと考察している。もしこの仮説が正しいとすれば、トレーニング前は対象筋を温めることが筋発達に有利に働く可能性がある。

ただし、この方法は、血流量を増やして温めるウォームアップとは異なる。研究では温熱療法が用いられ、小型のマイクロ波装置が使用された。IFBBプロのブランダン・フォッケンは、赤外線サウナ(インフラレッド・サウナ)を利用しているようだが、高額な設備ではなく、赤外線ヒーターなどでも代用できるかもしれない。

上述の実験で代用機器の有効性が検証されているわけではないため不確実性はあるものの、トレーニング前に対象筋の温度を上げるアプローチとして選択肢の一つにはなり得る。

編集注

入浴も温熱刺激を与える方法の一つとして知られており、温熱や水圧の複合効果により肩周囲の筋肉のこりを和らげるといった研究報告も存在する。

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