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筋トレの筋肉痛(DOMS)を和らげる有酸素運動の効果とコーヒー(カフェイン)の鎮痛作用【海外研究が明かす】

ハードなトレーニングをしていれば、「痛み」と向き合うことは避けられない。

急性の怪我や慢性的な障害は、医師の診断に基づいて適切にリカバリーしていくことが必要不可欠だが、筋肉痛をはじめとした筋損傷を修復する過程で生じるような、生理的で健康な身体にも起きる痛みへの対応は、個人によってまちまちなはずだ。

そこで、本記事では米フィットネス誌がまとめたトレーニングに伴う痛みの対策や、痛みを和らげるセルフケアのヒントになるトピックを詳しく解説する。

本記事は、海外のフィットネス事情やトレーニング文化に関する情報をもとに構成された翻訳・編集記事です。日本国内の事情や環境とは異なる部分も含まれます。

(IRONMAN2025年9月号「from IRONMAN USA」より一部Web向けに編集・加筆修正して転載)

有酸素運動で耐性がつく

DOMSという言葉を聞いたことがある人は多いだろう。遅延性筋肉痛とも言い、トレーニングを終えてしばらく経ってから襲ってくる筋肉痛のことを指す。ボディビルダーを含むアスリートたちにとってDOMSはある種の職業病だと言えるかもしれない。一般のトレーニーであっても、何かの理由でしばらくオフを挟んだ後にトレーニングを再開すると、強烈な筋肉痛を感じることがある。

サウスウェールズ大学の神経学者による研究では「有酸素運動が得意な人ほど痛みに耐える程度が高い」という結果が得られている。サイクリング競技は極めて過酷な競技であり、選手は猛烈な痛みや苦しみに対する耐性が高い。その点を踏まえ、実験では被験者が6週間のサイクリングプログラムを実施した。

サイクリングトレーニング後、被験者らはハンドグリッパーを握り、どれだけ長い時間、握った状態を保持できるかという虚血性疼痛テスト(痛覚耐性テスト)を実施した。その結果、サイクリングトレーニングによって体力(有酸素性フィットネス)が向上するにつれ、ハンドグリッパーを握る持続時間は長くなったという。

一方、サイクリングトレーニングを行わずにウエイトトレーニングのみを行った場合、筋肉痛の影響を抑えてレップ数や使用重量を伸ばすことは容易ではない。しかし、サイクリングなどの有酸素運動とウエイトトレーニングを組み合わせることで、運動誘発性鎮痛(EIH)などのメカニズムにより、痛みに対する耐性(痛覚閾値)が高まる可能性が示唆されている。

トレーニングで痛み解消?

ウエイトトレーニングが慢性的な痛みの緩和につながることもあるとされている。

デンマークの国立労働環境研究センターが行ったアンケートによると、オフィスワーカーの4%、工場労働者の8%が反復動作によって前腕に慢性的な痛みを抱えていることが明らかになった。

そこで研究チームは、前腕に慢性的な痛みを抱える282人の労働者にサイドレイズ、フロントレイズ、シュラッグ、リバースフライなど、肩の基本種目で構成したトレーニングプログラムを実施してもらった。

20週間後、前腕の痛みの程度を確認したところ、被験者の多くは痛みが緩和された傾向があったと報告されている。これは、肩や肩甲骨周りの筋力が向上したことで姿勢や動作のアライメントが改善され、末梢である前腕への過剰な負担が軽減されたことや、運動刺激による中枢性の痛み抑制機構が働いたことが理由の一つであると考えられる。

コーヒーの鎮痛効果

コーヒーに含まれるカフェインの作用に着目し、運動時の疲労感や不快感の軽減に活用している人も少なくない。実際、ノルウェー国立労働衛生研究所の研究では、作業前にコーヒーを摂取することで、長時間の作業に伴う局所的な痛みの発現が抑えられる傾向が示されている。

ボディビルダーは長年、トレーニング前にカフェインを摂取してきた。カフェインは集中力を高め、運動時の痛覚や疲労感を和らげることで、高重量を扱う際の粘り強いパフォーマンスをサポートする体感があるからだ。限界に挑戦し、それを突破することでさらなるレベルアップが望めるが、それには相応の苦痛や疲労が伴う。

そのようなカフェインの主作用(アデノシン受容体の拮抗作用)による痛覚抑制効果は、高強度トレーニングにおける苦痛軽減の手段として理に適っている。リフレッシュやコンディショニングの一環としてカフェインを含有するコーヒーを活用することは、トレーニーのパフォーマンス維持を支える有効な手立てになり得ると言えるだろう。

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