上野亜貴(うえの・あき/58)さんは、約2年で体重を24kg減らし、体脂肪率を24%も減らした驚異的な変身を遂げた。50歳も半ばを過ぎたころから、どのようにしてボディメイクを達成したのか。
「太っていたころは、とにかく好きなだけ食べていました。食べることが大好きで、量もタイミングも意識せず、お腹いっぱいになるまで食べてしまう生活を送っていました。子どもがが小学生のころにホットヨガに5年通いましたが、体重は減らず、『運動しても痩せない』という思い込みが強かったです」
そう振り返る上野さんは、息子さんから「ふくよかなほうが優しそうでいいよ」と言われていたこともあり、その言葉に喜びながらも心のどこかで変化への一歩を踏み出すきっかけを探していたという。転機は52歳の夏、恐る恐る足を踏み入れたのは『Prime Fitness & Spa』。入浴施設に併設されたプライベートジムという通いやすさが決め手だった。
多彩なスタジオレッスンと温泉に熱中
上野さんを出迎えたのは、魅力的なプログラムの数々だった。
「グループファイト(ボクササイズ)、グループパワー(音楽に合わせたウエイトトレーニング)、グループブラスト(踏み台を使ったエクササイズ)、グループグルーブ(ダンス)、ZUMBA……どれも楽しくあっという間にハマりました。休みの日は一日中やっていて、平日も会社帰りにほぼ毎日通いました。ハードにトレーニングしたあとの温泉がまた最高で、病みつきになりました」
凄まじい運動量で体型が変わりだしたのを機に、さらに筋トレもパーソナルトレーニングで追加。食事も気にしだしたことで、どんどん体型が変わり自信がついたという。
「自分の変化に驚き、調子に乗って大会に出てみようかなとすら思うようになりました。フルタイムで勤務したあとにトレーニングという毎日が送れたのは、家族の理解があってこそで本当に感謝しています」
挫折せずに続けるコツ
「体型が変わると、それをキープするのが当たり前になってくる」と上野さんは言う。さらに、大会出場を決意したことでレベルアップへのモチベーションが生まれ、継続が自然な習慣になった。
「『なりトレ』や『IPF』、『ファイヤージム』など大会を目指す人たちが通うジムに足を運び、筋トレの基礎から減量知識、大会知識やポージングまで徹底的に学びました」
そして、2020年から出場を開始。最初の成績は振るわなかったものの、フィットネスモデルとして複数大会でベスト3に入る戦果を収めるようになる。このころには会社などで「憧れの体型」と呼ばれるようになっていた。2023年8月には、長年の目標だったFWJビキニに挑戦。57歳とは思えないプロポーションで人生初ビキニを着てのステージを楽しんだ。
目指せZUMBAスキルアップ&還暦ビキニ
上野さんは現在、肘と膝の負傷でトレーニングに制限がありつつも、スタジオレッスンには変わらぬ情熱を注ぐ。1年前にはZUMBAのインストラクターライセンスも取得、「いつかはプロスキルも取りさらに上達したい」と語る。
「還暦でFWJビキニに出られたらかっこいいなと思い、出場に向けて励んでいます。また、これからもいくつになっても思うままに動ける身体でありたいと思います」
50歳を過ぎて別人になれた、とうれしそうに話す姿は、「若々しく生き生きと暮らしたい」という意気込みを体現している。
「外見だけでなく内面も社交的で自信に満ちた自分に変わりました。あの日、勇気を出して一歩踏み出した自分に拍手を送りたいとともに、フィットネスを通して出会った方々、応援してくれる方々、家族には感謝しかないです。年齢を重ねても夢中になれるものを見つけられて、本当に『フィットネスありがとう』と叫びたいです」
取材:にしかわ花 写真提供:上野亜貴
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。