40代後半に「このままだと死んでしまう!」と焦りダイエットを開始したと話す、菅原竜人(すがわら・りゅうじ/53)さん。
社会人になり運動習慣が遠退き、そのときに食べたいと思ったものを『いつでも・好きなだけ』食べていたところ、じわじわと体重が増加。増えていった体重は30kgを超え、仕事も手につかなくなり、心身ともに限界を迎えていたという菅原さんは、「自分を変えたい!」と一念発起した。
今では筋トレにドハマりし、ボディコンテストへの参加やパワーリフティング競技と、人生を謳歌しているパワフルな菅原さんに、これまでの身体づくりの経緯を伺った。
生活習慣病、待ったなし!?45歳で命の危険を感じ、死ぬ気でダイエットに挑戦!
菅原さんはダイエットに挑戦する前、「自分に自信がなく、鬱々とした毎日を過ごしていた」という。
「運動は好きで、学生時代は陸上の短距離競技やアーチェリーをしていました。社会人になってからは運動をしなくなり、161cmで50kg前半だった体重は、20代後半で60㎏前半に。30代で70~75㎏、40歳を過ぎた辺りから80㎏を超え、ウエストは100cmを超えていました!鏡に映る自分はお腹が出ていて、顔も二重顎。精神的にも参っていて『このままでは生活習慣病や精神面で命を落としかねない』そう思ったのです。これまでに挑戦していたダイエットは一週間以内に挫折していましたが、命の危険を感じていたので死ぬ気で挑戦しました」
「初期は『脂肪を落とすには、走るのが一番だ!』と思い、ひたすら走っていた!」と話す、菅原さん。
「平日は3~5km、休日は5~10kmは走っていたと思います。筋トレは週に5回、1~2時間。主にダンベルやチンニング台を使用する、宅トレをしていました。食事は、量を少なめにしてプロテインを導入。1年ほど頑張った結果、体重が50kg台へと戻ったのです!ウエストも細くなり、喜んだものの……。鏡に映る自分の姿に、納得がいきませんでした。胸や腕周りには若干、筋肉がついたような気がしましたが、思っていたほどついていません。『プロテインも飲んでいるのに、なぜ腹筋バキバキなボディビルダー体型になっていないのか!?』と、本気で考えていましたね……」
脂肪を減らすことに成功した菅原さんは、次に筋肉を付けるステップへ移った。
「本やYouTube、SNSなどで筋トレ情報を集めました。その過程でBIG3を知り、見様見真似で始めたものの、なかなか上手くいかず……。重量も伸びず、一時は諦めかけていました。試行錯誤を繰り返していたところ、どうやら自分の身体の使い方と機能面に問題があったようです。BIG3のことを調べているうちに、パワーリフターの動画や選手さんのことを知る機会が増え、パワーリフティング競技へも興味が湧くようになりました。現在は身体づくりとBIG3の強化を同時に行っています。それなりに筋肉と自信がついてきたので、自分の力を試してみようと2022年にボディコンテストへ参加しました。2024年は、念願のベンチプレスの公式戦へデビューしています」
様々な失敗を経て、菅原さんが行き着いた『自分なりの正解』
IT企業でエンジニアとして働く菅原さんは、朝4時に起き、4時半にはジムへ通っている。
「トレーニングは週に5回、1時間半~2時間ほど。BIG3を中心に、その補助で必要な部位を鍛える種目を追加しています。1日目はデッドリフト+補助(背中、肩リア、腕二頭)、2日目はベンチプレス+補助(胸、肩サイドとプレス系、腕三頭)、3日目はスクワット+補助(脚、腹筋)、4日目はオフのサイクルです。これまで分割法・全身法・ダブルスプリットと色々と試しました。その経験を経て『コンパウンド種目がしっかりとできないと、分割法や様々なトレーニング自体の質も上昇しない』と気付き、現在はこのやり方に落ち付いています」
菅原さんは、食事面では『摂取カロリー』を意識しているそうだ。
「特に意識するのは、炭水化物です。増量期は、BIG3のパフォーマンスが最大限に発揮できる量を確保します。減量期は、体脂肪を落としながらもBIG3のパフォーマンスを落とさないギリギリの量です。増量期は1日2500~3000kcal、減量期は1500~2000kcalで調節しています。もともと、食べることが大好きなので、1~2週間に1回は好きなモノを食べる日を設けているため、食事のストレスはあまり溜めていません」
菅原さんが目指すのは、ボディメイクとパワーリフティングを両立させる『パワーフィジーク選手』!
「大好きなパワーリフターは、『ウッシー』こと牛山恭太選手です。私がパワーリフティングに挑戦するきっかけとなった方で、ボディビルとパワーリフティングを両方やる姿に憧れています。昨年イベントで実際にお会いした際、メンズフィジークとパワーリフティングの両立がしたいと話す私に『絶対にできる!』『続けるべき!』と激励していただきました。それは大きな励みとなり、今の原動力になっています!」
もともとは「とにかく痩せたい」から始まった菅原さんのダイエットだったが、続けていくうちに、より良い身体を目指すボディメイクへ進み、ボディコンテストやベンチプレスの大会に出場することになった。ダイエットに成功したことで「あらゆる面で自信がつき、人生を楽しめるようになった!」と話す菅原さんからは、継続することの大切さと試行錯誤による成功体験の積み重ねの大切さを学ぶことができるだろう。
取材:山口夏織 写真提供:菅原竜人
フィットネスからグルメ&レジャー、経済紙まで様々なジャンルで執筆&撮影を行う、歌う筋肉クリエイター。自身もボディコンテストへの参加経験があり、日々鍛えている。どちらかといえば猫派、某チョコはきのこ派。