50歳・多忙な管理職の会社員が筋トレに出合い「人生の趣味」に　「心の余裕も生まれました」

「体型が変わったことで、生活面にも自信が持てるようになった」と話す、神部義幸（かんべ・よしゆき/50）さん。

もともとはダイエット目的で始めた筋トレが毎日のルーティンになり、ボディコンテスト・マッスルゲートに出場するまでになっている。筋トレで人生も変わった神部さんに、トレーニングを通して得られた経験やつながりなどのお話を伺った。

【写真】ムチムチからバキバキに！神部義幸さんの劇的ビフォーアフター

憧れの選手に背中を押されて、ボディコンテストにデビュー

バリバリのスポーツマンだった神部さんは、「子どものころからずっとテニスをしてた」と話す。

「テニスでは、インターハイに出場した経験もありました。社会人になっても続けていたものの、45歳頃から仕事が忙しくなり、行く頻度が激減。そのうちに、体重も今より14kgほど重くなっていて。これはマズイと思い、家の近くにオープンした24時間ジムにダイエット目的で通い始めたのです。そのころは肩幅と胸板が狭く、アウトラインにもコンプレックスがありました」

神部さんは「最初はYouTubeやSNSを参考に、見様見真似でトレーニングしていた」という。

「SNSでカッコいい選手さんを見つけてはフォローして、トレーニングの参考にしていました。特に漆島ご夫婦（JBBFトップ選手の美紀選手と隆喜選手）がカッコ良くて、ときどき勇気を出してトレーニングについて質問をさせてもらっていたのです。まだ選手ではない自分の質問にも気さくに答えてくださり、優しい方だなぁと思いました。あるとき、自分のSNSで『ボディコンテストの大会に出てみたい』と投稿したところ、漆島隆喜さんから『一緒に出てみませんか？』と誘っていただいたのです！そこからパーソナルトレーニングや大会に向けた減量など、あらゆる面でサポートしていただきました。2023年にフィジーク選手としてデビューし、それから毎年挑戦しています」

トレーニング、食事、どれも丁寧にしないと『筋肉が育たない』と気付いた

神部さんは尊敬している漆島ご夫婦のトレーニングの様子を見て、強い衝撃を受けたのだそう。

「トレーニングは週に5～6日、1回90分くらい行います。部位分けは、胸、背中と二頭筋、肩と三頭筋、脚の4分割で、4日行って1日休むサイクルです。尊敬している漆島ご夫婦に、トレーニングのご指導をいただいたことがあります。その際、自己流で行っていたトレーニングがいかに間違っていたかを痛感しました。効率的に丁寧に効かせることや、ストレッチによる刺激の大事さを、改めて理解できたのです。それからは、正しいフォームでスティッキングポイントを意識すること、ストレッチ動作を重視することを心掛けています」

神部さんの減量期・増量期は、「食事の量を増やすだけで、食べている食材は変えない」とのこと。

「ボディメイクは、食事管理が8割だと思っています。筋トレにハマる前までは、ジャンクなモノを食べたいときに好きな量を食べていました。今は食事のカロリーやPFCバランスを記録して、管理しています。食事は6回に分けて取るようにしました。特にトレーニング前後の食事に気をつけています。このタイミングと食べ物の質が、トレーニングの質と筋肥大に影響する実感があるからです。今は、オートミール、白米、鶏むね肉、サーモン、砂肝、牛赤身、ナッツ類、フィッシュオイルばかり取っています」

筋トレを始めたことで、人付き合いの多い管理職を務める神部さんの環境も変わっていったそうだ。

「もともとお酒が飲めないタイプで、お酒の席にはあまり参加していませんでしたが……。トレーニングを始めてからは、飲み物だけでなく食べられる物もそんなにないので、ほとんど行かなくなりました。人付き合いや周りの環境も徐々に整ってきて、心地よい距離感が保たれています。心に余裕も生まれ、筋肥大にも効果絶大だと感じました。トレーニングを始めたことで、漆島ご夫婦と知り合えたことも、人生に大きな変化をもたらしています。トレーニング方法だけでなく、生き方やマインドなどを尊敬している漆島ご夫婦から、私のことを『友だち』と言っていただけました。最高にうれしかったです！漆島ご夫婦に少しでも近づきたいので、日々のトレーニングも頑張ります！」

神部さんは、勇気を出してボディメイク成功者の漆島ご夫婦にコンタクトを取った。アドバイスを素直に聞き入れ、自分流に落とし込みながら成長していく神部さん。そのひたむきさに、漆島ご夫婦も一目置き、大会へと導いてくれたのだろう。筋トレで人生が変わった、神部さんの根底にあるのは「探求心」と「継続」にあると言えるのではないだろうか。

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取材：山口夏織　写真提供：神部義幸