管理栄養士として働く植西具子(うえにし・ともこ/54)さんも、筋トレと出会って人生が変わった1人だ。
もともと運動が苦手だった植西さんは、アラフィフから始めた筋トレがきっかけで、ボディコンテストに参加するまでにボディメイクにドハマりしている。そんな植西さんに、筋トレを始めた経緯やトレーニング方法についてお話を伺った。
いつか「これだけ頑張った」証として「メダルが欲しい!」
植西さんが筋トレを始めたきっかけは、『健康のため』。
「健康診断の結果が悪く、3年前からトレーニングを始めました。血圧が180/140ぐらいあり、投薬治療をしなければならなくなりました。私はこれまで運動経験もなかったし、運動を楽しいと思ったこともありませんでしたが……。そのときの私は、身長155cmで体重は75kg。お腹が出ていて姿勢も悪く、ボディラインも含めて健康的になりたいと思ったのです。何をどうしたらいいか全く分からなかったので、スポーツジムへの入会と同時に、パーソナルトレーニングに申し込みました。それから1年くらい運動を続けたところ血圧が改善し、現在も投薬の必要がなく安定しています」
植西さんは筋トレを通じた自分の成長を、日々楽しんでいる。
「筋トレと食事管理で身体が変わっていき、頑張っている証が欲しいと思うようになりました。そのとき、芸能人がボディコンテストに出場したというニュースを思い出し、『メダルが欲しい!』と閃いたのです!ボディコンテストに参加するようになって、『自分がメダルに届くためには何が足りないのか?』を意識してトレーニングするようになりました。筋肉だけでなく、考え方やメンタルも成長できて良かったです!」
植西さんは家族との時間を確保するため、休日は始発の電車でジムへ向かう。
「トレーニングは週に4~5日ほど行っています。平日のトレーニングは、仕事と家事に追われているので45分くらいです。土日は2時間くらい、朝の5時半や7時ごろに済ませています。50歳を過ぎているので、まずは「ケガをしない」ことが大前提です。そのうえで、週に1回1時間のパーソナルトレーニングでは、『どこの筋肉を、どう動かすことを狙っているのか?何のために、その部位を鍛えるのか?』をよく聞いて覚えます。自主練習で習ったことを再現できたときは、感動ものです!」
15kgの減量に成功した植西さんは、小さな積み重ねを習慣化している。
「甘いお菓子が大好きで、1袋や1箱単位で食べていました。今思えば、食でストレスを解消していたのですね。今は基本的に、不要な間食はしません。間食が必要なときは、低カロリーゼリーや小さなようかん、干しイモなどを食べています。食事管理は、糖質や脂質の摂取量を見直し、タンパク質の量を意識しました。体重管理のために、電車では座らない・外食は揚げ物を避ける・ご飯は小盛りにするなどを心掛けています」
筋トレに励む植西さんは「何を目指しているの?」と質問されると、笑顔で「健康で、アクティブなシニアでいたい」と答えている。そんな植西さんに、周囲の方々は「痩せた!若返った!きれいになった!」とうれしい言葉をかけてくれるのだそうだ。
「筋トレを始めたことで身体も若返り、新しい価値観を知り、様々な考え方を肯定的に受け止められるようになった」と話す植西さんからは、いくつになっても挑戦する大切さを学ばされる。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:山口夏織 写真提供:植西具子
フィットネスからグルメ&レジャー、経済紙まで様々なジャンルで執筆&撮影を行う、歌う筋肉クリエイター。自身もボディコンテストへの参加経験があり、日々鍛えている。どちらかといえば猫派、某チョコはきのこ派。