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6種目の鬼の尻トレで再び悶絶する男性たち…尻トレ第一人者・岡部友が教える「男性限定ヒップトレーニング」を体験

3月30日(日)、スパイスアップフィットネスNeo梅田店で、2月に行われた『男性限定の尻トレイベント』が好評につき補講レッスンとして再開催された。

普段は女性専用のジムであるスパイスアップフィットネスで、お尻トレーニングの先駆者、岡部友さんをはじめとするプロトレーナー3名が指導にあたった。

前回の2月24日(月・祝)に行われた男性限定イベントでは、トレーニング中に腰の張りや前ももの張りがあったとの声があり、今回は腰痛の原因となるフォームの乱れを徹底的に修正し、「腰や前ももではなく、お尻だけをしっかり鍛える」ことを目的とした。

参加者はほとんどが前回のイベントも参加したボディビルなどのボディコンテストに出場する屈強な男性6名。「前回は立てなくなるくらい追い込まれたけど、自主トレもしてきたので今回は情けない姿は見せません!」そう意気込む男性陣だが、今回はプロトレーナー陣の追い込みに応えて、無事にお尻だけを鍛えることができるのか!?

【写真】尻トレで苦悶の表情を浮かべる男たち

6つの美尻トレーニングでお尻だけにフォーカスしてトレーニング

【トレーニング方法】
参加者は6名、一人一つのマシンが割り当てられて、規定の回数とセット数を順番にこなしていく。

「腰が痛くなってきたら動きを止めるように。フォームを直しに行くので、痛いのを我慢して続けないようにしてください。決してガチャガチャと雑にやらないように!」

岡部さんから釘を刺された男性陣。各トレーニングを「丁寧に」「正確に」行い、お尻の筋肉にしっかり効かせることに集中した。

【美尻メニュー】
1.ヒップスラストエリート

2.ブルガリアンスクワット

3.アブダクション

4.45度ヒップエクステンション

5.リバースハイパー

6.カートシーランジ

■モンスターウォーク(ウォーミングアップ)

ヒップアップに重要な大殿筋と中殿筋、そしてお尻のインナーマッスルも鍛えられる動き。専用バンドを膝上と足先に巻き、前後左右に歩く動作を繰り返す。

〜動作ポイント〜

・足幅は腰幅か肩幅で、膝も同じ幅を維持して動作する(膝を閉じない)

・膝を曲げるのではなく、お尻を突き出すようにする

・上体を起こさないようにお尻を意識し続ける

岡部さんから「ウォーミングアップだよ〜」と言われながらも、開始数十秒で苦悶の表情を浮かべる参加者たち。単純な動作に見えるが股関節の微妙な角度の違いで、お尻にかかる負荷は一気に上がる。普段かなりの重量でトレーニングをしているボディビルダーたちも「ゴムチューブだけなのに……キツい!!」と全身に汗が吹き出始める。ウォーミングアップとは思えない強度。燃えるような痛みを感じたところで終了。

■ヒップスラスト(狙い:大臀筋)

・限界回数×3セット

〜動作ポイント〜

・骨盤を後傾し、お尻を最大に収縮させながら引き上げる

・お尻の力で持ち上げ、トップポジションでしっかり締める

・お尻のストレッチを感じながらゆっくりと下ろす

角度のついたベンチとショルダーパットで負荷が抜けにくい設計のマシンを使用。女性トレーニーはよく行うトレーニングだが、男性はボディビルダーでも慣れていない人が多い種目。どうしても前ももを使いがちな動作だが、そこはトレーナーが軌道修正して、ひたすらお尻に効いた。数センチしか動かなくなる人も続出し、うめき声と共に力尽きた。

■ブルガリアンスクワット(狙い:お尻下部・大殿筋)

・10回×各2セット

〜動作ポイント〜

・片脚を後ろの台に浅めに乗せ、前足重心で片手にダンベルを持つ

・股関節を折りたたむようにして、後ろ足の膝を地面に下ろすように深くしゃがみこむ

・立ち上がりは、斜め前に向かって身体を押し出す

こちらは普段の脚トレでも取り入れている人が多い種目。だが、動作が『深くしゃがんだところから、斜め前に上がる』という、完全にお尻にフォーカスしたフォーム。前回は岡部さんに支えながら行なった男性陣も多かったが、今回も補助付きで行なった。終わったときには膝から崩れ落ち、呼吸も乱れて動けなくなった。片脚で行うため、バランスを取りつつお尻の筋肉をじっくり伸ばし縮める。今回初参加者も今までとは違うフォームで苦戦し、歯を食いしばりながらなんとか終了。

■アブダクション(狙い:大殿筋・中殿筋)

・12回×2セット(シート起こしてお尻の中心の大殿筋狙い)、12回×2セット(シート寝かせてお尻の上側と横側の中殿筋狙い)

〜動作ポイント〜

・骨盤を前傾し、膝をしっかりと閉じた状態で、お尻のストレッチを感じる

・骨盤を後傾しながら、同時にお尻に力を入れて、膝に当てたパッドをしっかりと外へ開く

・骨盤を前傾に戻しながら、お尻をストレッチさせていく

2種類の角度で効かせる部位を変えながら行なった。ただ脚を開くのではなく、脚を開いていくと同時に恥骨を自分のおへその方に向けるように、骨盤を前傾から後傾にしていくとお尻の横ではなく真ん中らへんが熱くなった。『脚を開いていく』というイメージは持たずに『お尻に力をいれると骨盤が前傾から後傾になり、結果的に脚が開いていく』というイメージを持つことで強烈な刺激が入った。

■45度ヒップエクステンション(狙い:お尻と腿裏の境目)

・10kg×15回×3セット

〜動作ポイント〜

・膝を曲げた状態で、猫背姿勢で上体を丸める

・上半身の力は使わずに、お腹に力を入れて、お尻を絞めながらしながら上体を起こす

・絞めたお尻の力を緩めながら、ゆっくりと元のポジションに戻る

動作的には腰に負担がかかりそうなトレーニング。だが、猫背姿勢を意識して膝を曲げておくことで、腰やもも裏ではなく、お尻をメインに動かすことができる。お尻を絞めるときは、前ももでパットを押し付けることでお尻をさらに強い力で引き締めることができた。前回ではこの種目で腰が痛くなる人もいたが、微妙な骨盤の向きを調整することで、見事にお尻だけを鍛えることができた。

■リバースハイパー(狙い:お尻上部〜中央部)

・20回×3セット

〜動作ポイント〜

・ゴムの張力を緩めないように、お尻を締めて上げる

・腰は反らないように肋骨を閉じて腹圧をかける

・恥骨は台に吸い付いているイメージで浮かさない

膝上にバンドを巻き、股関節を起点に足を上部へ引き上げる動作で、腰への負担を最小限に抑え、お尻全体を刺激。おそらく参加者のほとんどが初めて行なったこの種目。どうやって力を入れるか探り探りやっていると、「勢いで上げないよ!」と岡部さんの言葉。筋トレ歴を重ねていても、初めての種目は見様見真似ではできない。教えてもらった動作ポイントをおさえることで、回数を重ねていくうちにお尻に力が入らなくなり、脚が重たくなっていくのを感じた。

■カートシーランジ(狙い:お尻側面)

・各12回×2セット

〜動作ポイント〜

・片脚を斜め後ろへクロスして、前足体重で立つ

・前脚に体重を乗せ、脛が地面に垂直を保ったまま下がっていく

・後ろ膝が地面に付く寸前まで下ろして、前足体重のまま元の姿勢に戻る

スミスマシンでバーベルの軌道を安定させた状態で行う。片脚をクロスさせながらしゃがむことで、お尻の側面にしっかり刺激を入れる種目。脚を前後に開くランジのトレーニングでは、前ももや後ろ脚に効くという方が多い。前回は脛の角度が垂直に保てずに、前ももを使ってしまう人も多かったが、今回はきれいな姿勢で動作できた人も多かった。とはいえ、負荷が常にお尻にかかるので、5回上下するだけで脚が震えて汗も吹き出してきた。

【イベントの気づき】
合計6種目のトレーニングを完遂した男性陣。前回は腰が痛くなる参加者が多かったが、今回の補講を通じて「腰が動くと痛みにつながる」という気づきがあった。股関節を正しく動かすフォームに修正したところ、参加者たちからは「腰の痛みが全然ない!」「フォームの大切さを改めて痛感した」との感想が寄せられた。

「お尻を変える一番良いトレーニングは何ですか?」と聞く方も少なくないが、骨格と脂肪のつき方は人それぞれ異なるため、やはり最初はプロに頼るのが最短で結果がでる方法だと感じた。

「自分もやってみたい」「次は参加してみようかな」と感じた方は、ぜひ次回のイベントに足を運んでほしい。トレーニングの新しい発見が、あなたのお尻を変える第一歩になるはずだ。

取材・撮影:柳瀬康宏 写真提供:SPICE UP FITNESS

 

 

 

 

おかべ・とも
1985年12月6日生まれ、神奈川県出身。株式会社ヴィーナスジャパン代表取締役。分子整合栄養アドバイザー。高校卒業後、アメリカで運動生理学、解剖学を学び、フロリダ大学在学中に、プロアスリートに指導できるスポーツトレーナーが保持する資格NSCA-CSCSを取得。女性専門ジム「SPICEUPFITNESS」を東京、大阪、名古屋の5店舗で運営。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演し大きな反響を呼んだ。IG:@tomo_fitness

SPICEUPFITNESS(スパイスアップフィットネス)
岡部友が設立した女性専用フィットネスジム。トレーナーやスタッフも全て女性で構成されており、脂肪燃焼や筋力アップなど、個々人の目標を達成するために厳しい研修を経た一流のトレーナーたちが全力サポートする。特に「美尻トレーニング」に特化しており、ヒップの筋肉を鍛えることで女性らしいボディラインを作り出すことを重視する。店舗は東京の南青山・原宿、大阪の心斎橋・梅田、名古屋と計5店舗。

執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。NSCA認定パーソナルトレーナー,ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NASM認定コレクティブエクササイズスペシャリスト。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年より毎年ボディコンテストに出場中。

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佐藤奈々子選手
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