筋トレ

筋トレ初心者が騙されがち!極端なネット情報を見抜く方法とは?【筋トレ初心者よくある落とし穴❾】

「〇〇さえやればいい!」「〇〇だけダイエット」SNSや動画でよく見る、そんな“夢のようなビフォーアフター”。つい真似したくなってしまいます。でも、その情報━━本当に信じて大丈夫?
ボディビル元世界チャンピオン鈴木雅さんと、AthleteBody所属ボディビルコーチ本橋直人さんが、ネットやSNSの“信じすぎ注意”な情報をどう見極めるか、そしてそれらに惑わされないための方法を解説します!

筋トレ初心者の落とし穴⑨

ネットやSNS上の極端な情報に流されてしまう

SNSを開けば、短期間でものすごい身体へ変わった話などはたくさん目に入る。そういった人と比べて、自分には才能がないんだと落胆してはいないだろうか。たくさんの情報が出回る現代社会の問題は、ボディメイク業界でも頻繁に起こりうるだろう。

「まず、SNSやネットで見ている人と自分は、同じ人であるとは限らないと理解することが必要です。筋肉のつきやすさやこなせるトレーニングのボリュームも当然違うため、そういった情報だけを参考にすると潰れてしまう原因になりかねません」(本橋)

ごく短期間で極めて大きな成長をする人は、おそらくボディメイク競技のトップ選手から見てもすごい素質の持ち主であると思われる。そういった人の全てを参考にしないようにすることは大切だ。

「すごい身体の人が語る経験論には注意するようにしたいです。経験論はあくまでも主観的で個人差もあるものだからです。それよりもむしろ、その人が経験をする中で、どのような知識を入れたかや何をベースに取り組んできたかといった面に目を向けると、参考にしやすくなります」(鈴木)

経験論だけに基づいた情報は、極論にもなりやすい。YouTube等で発信される情報の中には、自身の経験論が内容の大部分を占めるものもある。そういった動画は、最終的には科学的でない持論や根性、精神といった話に向かいがちなことがある点には注意するようにしたい。

「極端な情報に惑わされないためには、情報をキャッチする側のリテラシーも重要です。自分でも勉強して知識をつけるようにすると、新しく得た情報がどれくらい真実なのかも分かるようになっていくはずです」(鈴木)

トレーニングの世界では、個人差はあるもののベースとなる部分は同じだ。そこを正しく理解しないまま、極論だけを吸収しようとしてしまうことは避けたい。

「発信者が、何を根拠にしてその発信をしているかを注意深く見ることも大切です。発信内容が経験論のみに基づく場合は、少し疑いながら向き合う意識が必要だと言えるでしょう」(本橋)

動画配信者の中には、科学的なエビデンスの元で根拠がはっきりとした情報発信をしている人もいるが、中にはビジネス目的で強い言葉や目立つ言葉を使う配信者もいる。そういった情報に惑わされないためにも、自分で勉強する習慣をつけるようにしたい。特に、これからボディメイク競技で活躍していきたいと考えるならば、トレーニングや栄養に関する正しい知識を手にいれることは不可欠だと知っておこう。

こんな情報には気をつけよう!

  • 身体の変化にかかった時間をあまりにも少なく書いている
  • 特定の部位が大きく見えるように撮影・加工している
  • 原理原則でないことをそれっぽく言っている
  • ビジネスに誘導している
  • 基礎からあまりにも逸脱した奇抜なトレーニングや食事内容
  • 引用がはっきりしない科学データ

回避法!

情報だけを鵜呑みにせずに発信側の根拠や背景を知る

すずき・まさし
1980年12月4日生まれ。福島県出身。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2010~2019年日本選手権9連覇。2016年IFBB世界選手権ボディビル80kg以下級優勝。現在トレーナーとしては主にアスリートやボディビル競技者のトレーニング、栄養指導にあたる。他にもアスレティックトレーナーや理学療法士に対して身体の原理原則をいかにトレーニングに落とし込むかといった指導にも携わる。

もとはし・なおと
1982年11月1日生まれ。埼玉県出身。AthleteBody.jpで活動中のパーソナルトレーナー。トレーナー歴17年であり、ここ10年は体組成改善に専門で取り組む。特にここ5年はボディビルやフィジークといった競技者のクライアントを多く指導している。久野圭一選手や昨年の日本クラス別で活躍した藤井貫太郎選手も指導を受け、指導前後の変貌振りがSNSで話題となった。

取材・文:舟橋位於 撮影:北岡一浩、舟橋賢、中島康介 Web構成:中村聡美

-筋トレ
-


おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手