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【デカい腕!革命】吉岡賢輝が語る「腕を太くする最強メニューと意識改革」

吉岡選手は、トップ選手の中でも特に目立つ上腕三頭筋を持っている。そしてその発達の基本になったのは、初心者のころにやり込んだある種目だという。今回は、現在のメニューの解説も交えながら、腕トレに関する意見をお聞きした。

取材・文:舟橋位於 撮影:舟橋賢 Web構成:中村聡美

吉岡賢輝 2021年日本クラス別ボディビル選手権男子65kg以下級優勝

現在のトレーニングの分割は、脚、胸、背中+三頭、肩+二頭の4分割となっています。この分割にした理由は、ボディビルダーという視点で客観的に見た場合に、一番強化したいと考える脚のトレーニング頻度を上げたいと思ったからです。もちろん、まだまだ腕を太くしていきたいと思ってはいるのですが、それよりも今は脚を優先したいと考えています。そのため、現在は腕の日は個別に設けておらず、背中や肩の日に組み込んで行う形式となっています。

このような4分割にしたことで、1回のトレーニングあたりで見た際の腕のボリュームは減りましたが、腕をトレーニングする頻度は以前よりも増えました。結果として、1カ月のような大きなスパンで見てみると、腕だけ個別にトレーニングを行っていたときと、全体的なセット数はそれほど変わってはいないように思います。

分割を変えたことにより、腕のトレーニングに向かう意識も変わりました。4分割にしたことでセット数が減ったため、以前よりも少ないセットの中で出し切ることを考えるようになりました。もちろん、セット数が多くても少なくても、全力で頑張ることには変わりないです。ただ、少ないセット数でトレーニングする場合は、セットに入る前に「これしかない」と思うようになります。こう考えることで、無駄なセットがなくなるよう意識できるようになりました。これにより、トレーニングのクオリティは明らかに上昇したように感じます。また、重量を伸ばすという観点でも良い影響がありました。セット数が少なければ、セット数が多いトレーニングと比べて、それだけ重量に挑戦できるチャンスは少なくなります。そのため「重量を上げてやるぞ」という強い気持ちを以前よりも強く持った状態でトレーニングできていることを感じます。

過去を振り返って腕を太くするのに役立ったと思う種目は、上腕二頭筋がインクラインダンベルカールで、上腕三頭筋がライイングエクステンションです。インクラインダンベルカールの一番のポイントは、ストレッチをかけることができる点です。自分は腕に限らず、他の部位のトレーニングにおいても、いかにストレッチをかけるかを重視しています。そういった意味では、強いストレッチのかかるインクランダンベルカールの種目選択は、自分に合っていて良かったのかなと思います。

三頭で一番効果があったのはライイングエクステンションなのですが、現在はメインメニューからは外しています。これは、身体が発達して重量が扱えるようになってきたことで、肘への影響が無視できなくなってきたのが理由です。今は怪我をしてしまうことが一番怖いので避けるようにしていますが、もし重量を扱っても肘に問題が生じないのであれば、今でもライイングエクステンションしかやっていないと言っても良いくらい気に入っている種目です。

腕のトレーニング全体を通しては、使用重量を上げていくことを意識するようにしています。フォームに関しては、チーティングは使わず、最初のレップから最後のレップまでストリクトに動作することを心がけています。

自分の長所である上腕三頭筋を作ったのは、初心者のころにフレンチプレスをやり込んだことではないかと思います。18歳でトレーニングを始めた際に、ベンチプレスやショルダープレスといったありふれた種目に加えて、なぜかフレンチプレスも選択して、最初からずっと行っていました。なぜその種目を選んだかもよく分かっていないまま、とにかくやり続けたことが、今の三頭の発達につながっている気がします。一方で、初心者の時期に誰もがやりそうなカールなどの上腕二頭筋の種目は一切行っていませんでした。

これから腕を太くしていきたいと考える読者の方は、使用重量を上げていく意識を強く持つようにすると良いと思います。僕の今の分割のように、背中と三頭を組み合わせたり、肩と二頭を組み合わせたりする場合によくあるのは、腕のトレーニングが適当になってしまうことです。背中や肩がメインの部位で、そのついでにトレーニングするような感覚になってしまうのは良くないと思います。分割を工夫する中で、他の部位のトレーニングに腕を組み込むこともあると思いますが、そういったマイナスのポイントが起こらないようにすることは大切です。

背中の後に三頭をトレーニングする場合は、背中が終わったら一旦気持ちをゼロに戻し、そこから改めてテンションを高めていかないといけません。別の言い方をするならば、腕と真剣に向き合う必要があるということです。そのためには、腕だけのトレーニング日を設けるというのも一つの選択肢です。腕の日を作り、腕が太くなることを実感することで、初心者は腕トレに対する情熱やモチベーションを手に入れることができるのではないでしょうか。僕のように、腕に対するモチベーションが十分に高まったレベルにあるならば、他の部位と組み合わせて行ってトレーニングする段階に移行しても良いと思います。いずれにしろ、腕に対して100%向き合うことが大切だと言えそうです。

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