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岡部友の“尻トレ”体験で男性陣が苦痛のあまり悶絶…… 「ホモサピエンスには殿筋が重要」と語る尻トレ第一人者の追い込みとは…!? 男性限定尻トレセミナーに潜入

「お尻が痛すぎる!!もうあかん、ヤバい!!」

男性の悲痛な声が大阪にある女性専用ジム内に響いた。6月29日(日)スパイスアップフィットネスNeo梅田店で開催された男性限定の尻トレイベントでの出来事だ。普段は女性専用のジムであるスパイスアップフィットネスが、お尻トレーニングの先駆者、岡部友さんを筆頭に、プロトレーナー3名が指導にあたった。過去に2回、同店舗にて男性限定で尻トレイベントを開催し、今回は3回目にあたる。イベント前半は『男の尻は背から〜人は後ろ姿で人生を語る〜』をテーマに、お尻だけでなく背中のトレーニングを指導、イベント後半は『岡部友の尻トレ体験』ということで岡部友さん直々に男性へのお尻トレーニングをプレゼンし、「人生100年時代に突入した我々ホモサピエンスはお尻のトレーニングが必要です」と強調した。

昨今のYoutubeでは、ボディビルダーのバズーカ岡田さんや、医師の高須幹弥さんが岡部さんに尻トレを受ける動画が人気を博しており、動画内では苦痛の表情を浮かべ、膝から崩れ落ちながらも、やり遂げた後の達成感に満ちた表情が印象的だ。「映像でしかみたことがない」という今回の参加者も、どれほどの強度なのかと好奇と不安の表情を浮かべていた。

【写真】男性限定の尻トレの様子

【前半】岡部流:尻&背中トレーニングで悶絶するオスたち

前半は尻トレだけではなく、背中の種目を伸ばしたい人やスクワットの重量の伸び悩みを感じている男性ならではの内容だ。対象は筋トレ中級者〜上級者におすすめとあり、8名の参加者の中にはボディビル大会でも好成績を収めるボディビルダーの姿もあった。

前半のイベントは2人1組になって、指定されたマシンと回数を交代しながら順番にこなしていくというトレーニング方式。

◼️ウォームアップ

男性の尻トレまずはお尻に刺激を入れるモンスターウォークから始まる。専用バンドを膝上と足先に巻き、前後左右に歩く動作を繰り返す。上体を倒して脚を浮かせる時間を長くすることで、お尻にかかる負荷は想像以上に強い。「痛い!ヤバい!」という声が早速漏れ始め、動作中は歯を食いしばり、終わった直後には無意識にお尻を叩く参加者も多くみられた。

 

1.ヒップスラストエリートとヒップスラスト

男性の尻トレお尻トレーニングの王道であるヒップスラストを、フリーウエイトと最新マシンを交代で行った。岡部さん曰く、フリーウエイトのヒップスラストはスクワットの重量より、10〜20kg程度追加した重さを持ち上げれるようになった方が良いとのこと。もしスクワットの重量より重さが扱えない場合はヒップスラストをメインにすることで殿筋が強化されてより下半身を強化することができるそうだ。バーベルを股関節の上に乗せたまま、股関節を最大に伸展させる。少しでも可動域が狭くなると、3名のプロトレーナーが飛んできて「もっと上にあげる!」と指摘が入り、休む間もなく継続的にお尻に刺激が入った。

2.ブルガリアンスクワット

男性の尻トレ参加者のうち、半数以上が脚のトレーニングで取り入れていた種目。ただ、普段のブルガリアンスクワットと違い、ヒップヒンジをかけながら、斜め後ろに下がって斜め前に上がるスタイル。前足に体重を保持しながら行い、逆足の膝が地面につくイメージで深く沈めていくことで、お尻に最大のストレッチをかけられて負荷が倍増した。ダイレクトにお尻に刺激が入り、普段の半分もいかない重量でも呻き声が止まなかった。

 

3.45度ヒップエクステンションとヒップアダクション

男性の尻トレ膝が曲がった状態で行うバックエクステンション。ターゲットは腰ではなく、もちろんお尻だ。両手にプレートを持った状態でお尻の収縮のみで上体を引き上げる。力任せに身体を起こすと、腰から上がってしまうので、お尻をメインに可動させるため、尻トレの中で唯一猫背姿勢で実施した。一般的なジムのマシンと違って、膝が曲がった状態で行うため、もも裏の関与が少なく、集中的にお尻の筋肉を使うことができた。

ヒップアダクションは股関節が若干沈むように斜めになった専用のマシンを使って殿筋を鍛えた。脚を開くときに脚が下がる設計になっており、股関節を自然に使える仕様になっている。お尻の中の方まで痛くなるように収縮でき、後半になるにつれ脚が開かなくなってくる。

4.懸垂とランジウォーク

男性の尻トレ「背中の筋肉は胸腰筋膜を介して殿筋につながっているので、背中の筋肉を刺激するとお尻の筋肉を使いやすくなり、その逆も起こります」と岡部さん。指定された懸垂の回数は30回。おもわず「え!?」という参加者の声も漏れた。

ランジウォークは感覚としてはブルガリアンスクワットとほぼ同じで、一歩脚を出したら上体を倒して、ヒップヒンジを行い、反対足の膝は地面に下ろす意識で行った。ボトムポジションで一瞬止まり、お尻から上がるように踏み出していく。こちらの種目は回数と時間指定がなく、終わるまでひたすら歩き続けるという顔面蒼白な内容だった。

 

【後半】岡部友の尻トレ体験 殿筋特化マシンを引っ提げて男性へプレゼン

後半は参加者の入れ替わりがあったものの、合計7名の参加者の中には前半から続けて入る猛者もいた。すでに疲労困憊になっているが、後半は殿筋に特化したマシンでさらにお尻を追い込んでいく。

後半は7種目のトレーニングを指定回数とセット数で順番に行なっていく。

1.デッドバグ

男性の尻トレ体幹仰向け姿勢になって行う体幹のトレーニング。背中を地面に押しつけたまま、肋骨を閉じて両手と両足を操作するのだが、普段アウターマッスルのトレーニングをしている男性陣も、インナーマッスルの細やかな使い方には苦戦していた。

「男性は重りをあげることには慣れているけど、それに慣れるとどうしても外側の筋肉ばかりを使ってしまうようになります。体幹トレーニングの痛みに対する耐性をつけることで、筋トレの最後の1回2回でも痛みに耐えて最後まできれいなフォームでできるようになります」という岡部さん。筋肥大を求める男性にも必要な体幹だが、両手に持つバンドを両足にくぐらせる動きでは、腹筋が耐え切れずに悶絶する参加者もみられた。またインナーマッスルを使うためには呼吸も大切。動きと呼吸がバラバラになり、動作が混乱することもあった。

2.グルーツブリッジ 50回×1セット

男性の尻トレ仰向けで両足を台の上に乗せて、股関節の上にバンドを締める。骨盤を後傾させながら、大腿骨を上に押し出すようにすると大殿筋に強い収縮がかかった。こちらはダンベルなどの重りは使用しないが、ゴムの張力の抵抗でお尻を上げるほどに負荷が増えることが特徴だ。終盤に差し掛かると、ゴムで縛られて身動きが取れなくなる参加者もいた。そのときはもちろん「まだ休憩じゃないよー!」という岡部さんの声が響き渡った。

 

3.ヒップスラストエリート ∞回×3セット

男性の尻トレ前半のイベントでも行ったヒップスラスト。違うことは回数設定がなく、お尻が上がらなくなるまで限界まで行い、それを3セット繰り返すこと。角度のついたベンチとショルダーパットにより、負荷が抜けにくいため、「ちょっと待ってください!こんなにキツいんですか!?」と汗が一気に噴き出る。そこに「まだまだ!あと3回上げるよ!」とトレーナーの鼓舞が飛ぶ。

 

4.アブダクター 大殿筋狙い12回×1セット 中殿筋狙い12回×2セット

男性の尻トレ『3Dマルチアブダクター』という最新マシンを使ってのアブダクション。こちらも前半で行った種目だが、背もたれの角度を変えて中殿筋や大殿筋と、効かせる場所を調整して行った。脚を閉じた状態から、脚を開くというシンプルな動きだが、マシンの起動が立体的な軌道を描くため、強い刺激が入る。 「脚の力じゃなくて、お尻を意識するのが難しい……」。普段筋トレをしている人でも、お尻よりもつい脚の力で開いてしまいがちになる。骨盤や股関節の微妙な使い方の変化で強烈な刺激がお尻に入り続ける。

5.ランドマインルーマニアンデッドリフト 10回×2セット

男性の尻トレバーベルの端を持ち、片脚で行う片脚のデッドリフト。片足立ちで行うため、バランス能力やお尻ともも裏のコントロールが求められる高度な種目。 片足でバランスを取りながら、お尻からもも裏までがストレッチされるのを意識して股関節を曲げていく。バランスが保てなかったり、上体が外に開いたり、腰から動かしてしまう場面もあった。それでもトレーナーからの指導で、動作ポイントを掴んだ参加者は「あ、こういうことか…!!」と苦痛の表情を浮かべながら取り組んだ。

 

6.45度ヒップエクステンション 12回×3セット

男性の尻トレ前半でも登場したヒップエクステンション。後半は両手にプレートを持たずに自重で指定された回数をひたすら繰り返した。自重とはいえ、身体の起きる可動域が狭いと「もっとお尻を収縮して上げる!」と勢いよく指摘が飛んできた。

 

7.ブルガリアンスクワット 10回×2セット

男性の尻トレ前半のブルガリアンスクワットと違い、片手をスミスマシンのバーにかけた状態で行った。ヒップヒンジをかけながらも前体重を保持しながら行ったが、バーで重心と動きをサポートしながら丁寧にお尻に効かせた。動作の最後には、片手では身体を支えきれずに、両手でバーを持ち震えながらも最後まで力を出し尽くした。

 

【まとめ】

トレーニング中はあまりの強度に叫びに似た声が各方面から聞こえてきたが、トレーニングが終わると参加者全員が晴れやかな笑顔を見せた。

岡部さんに男性が尻トレをする意義を伺った。

「股関節をうまく使えるというのは二足歩行をするホモサピエンスにとっては、とても大事です。その要になっているのがお尻の筋肉。もちろん腿の筋肉や腰の筋肉などもありますが、それをバランスよく使うためにもお尻の筋肉は重要です。お尻の筋肉がメインで動いて、他の筋肉はサブ的な感じで働きます。昔はそうではなかったのかもしれませんが、座って生活することが多くなり、お尻の筋肉が使えなくなっている人がとても多いです。その結果、腰痛や膝痛になっている人も多いので、予防や軽減のためにも男性にもお尻のトレーニングは必須ですよ!」

限界を超えた達成感、自分の身体を上手く使えた満足感、まだ伸び代があると発見した喜び、そして参加者全員で味わった未知の刺激……。多くの感情を胸に男性だけの尻トレイベントは幕を閉じた。

「男性の尻トレイベントはこれからも定期的に開催する予定です。ぜひホモサピエンスの男性はお尻を鍛えにきてくださいね」

見た目を整えるだけではなく、腰痛や膝痛の予防や軽減をしたい方、高重量でトレーニングがしたいという方やスクワットの重量が伸び悩んでいる方は、一度ホモサピエンスの原点に立ち返ってお尻を鍛えてみてはいかがだろうか?

次ページ:男性限定の尻トレの様子

取材・撮影:柳瀬康宏 写真提供:SPICE UP FITNESS

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佐藤奈々子選手
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