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“立体胸筋”を生み出す最強胸トレ7選《後編》━グラチャン3連覇・伊吹主税のメンズフィジーク講座【胸トレ編】

どこの部位も、どこから見ても隙のないフィジーク絶対王者、伊吹主税の身体。その裏には緻密に考え抜かれたトレーニング技術が隠されていた。
各トレーニングを基本の動作から、ワンランクアップするための伊吹式の『チカラポイント』を紹介していく。

取材・文:柳瀬康宏 撮影:中島康介(大会写真)、岡暁(トレーニング写真) Web構成:中村聡美

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ペックフライ

この種目は、ベンチプレスやダンベルプレスと違い、肩関節しか使わない単関節種目なので集中して胸に刺激を入れることができます。特徴としては、胸が収縮するときに一番負荷がかかるコントラクト種目になります。

セッティング

①シートの高さは、グリップの位置が肩よりも少し低い位置にする
②握る場所は肩の真横に肘が来る位置にセットする。可動域を取りすぎると上腕二頭筋にも負荷が入ってしまう

基本動作

①マシンに座り、スタートポジションを作る
②左右のグリップを中央に引き寄せる
③スタートポジションに戻す

各動作ポイント

スタートポジションのときは、肩甲骨を中央に寄せて胸をしっかりと張ります。このときのグリップは親指側で握るようにしています。マシンを動かすときは腕ではなく、胸の力でグリップを中央に引き寄せるようにしましょう。また、引き寄せると同時に両足でしっかりと地面を捉えて肩甲骨とお尻はシートに固定しておきます。肩が上がりやすいので、肩甲骨を下制しておくことも大切ですね。グリップを戻すときは、ゆっくりと負荷を感じながら戻すようにします。ペックフライのときは常に胸を張り、脚を閉じて、肋骨が開かないようにしておきます。

チカラポイント

グリップを引き寄せると同時に、顎を引くようにします。そうすることでより胸の収縮を感じられて効きやすくなります。イメージとしては、めちゃくちゃ二重顎にする感じです。あと息を吐きながらグリップを中央に寄せて、吸いながら戻していくことで自然と身体が使いやすくなります。

各動作の共通ポイント

①胸郭を常に立てて胸を張る
②脚をできる限り閉じて、肋骨が開かないようにする

マシンインクラインプレス

大胸筋の上部を狙った種目で、フリーウエイトとは違い、身体を固定しやすいのが特徴です。

セッティング

グリップの位置が肩よりも少し低い位置にする

基本動作

①マシンに座り、スタートポジションを作る
②肩甲骨に負荷を乗せるようにして押し込む
③スタートポジションに戻す

各動作ポイント

スタートポジションのときは、肩甲骨を下制させて肩を下げておきます。グリップはしっかりと握るようにして、両足でしっかりと地面を捉えて肩甲骨とお尻はシートに固定したまま押していきます。グリップを戻すときは、ゆっくりと負荷を感じながら戻すようにしましょう。マシンインクラインチェストプレスのときも常に胸を張り、脚を閉じて、肋骨が開かないようにしておきます。

チカラポイント

押し出すときに息を吐いて顎を引くことでより胸で押す感覚がわかると思います。胸の種目の中で2種目あるマシン種目ですが、私はある程度フリーウエイトができた上で、マ
シンを取り入れることをおすすめしています。全部マシンでトレーニングをしている選手はどうしても使っていない筋肉が出てしまい、身体にも偏りが出てしまうので、補助的にマシンを使うと良いと思います。

各動作の共通ポイント

①胸郭を常に立てて胸を張る
②脚を開きすぎず、肋骨を閉じた状態で動作するようにする

伊吹式インクラインダンベルフライ

大胸筋の上部を狙ったダンベルフライで、ストレッチしかやらない、特殊なやり方です。一部の方からは「気持ち悪い」と言われている伊吹式をお伝えします(笑)。

セッティング

①ベンチの角度は30〜45度

見出し(全角15文字)

①ダンベルを膝に乗せて座る
②ベンチに仰向けになりダンベルを挙上する
③片足をベンチに乗せてセット
④弧を描くようにダンベルを胸の高さまで下ろし、それと同時に両足で地面を踏んで下半身を浮かせていく
⑤スタートポジションにダンベルと身体を戻す

各動作ポイント

仰向けになるときは、ダンベル・オン・ザ・ニーの動作でダンベルを挙上します。仰向けになったら、片足をベンチの上に乗せ、肩甲骨を下制して、胸郭をしっかりと立てるようにします。ちなみにベンチの上に乗せる足はどちらでも大丈夫です。ダンベルを下ろすときは、大きく弧を描きながら下ろします。そしてダンベルを挙げて、下半身を下ろしてスタートポジションに戻る、というのを繰り返し行います。

チカラポイント

ダンベルを下ろすときは、同時にお尻を浮かせて下半身を持ち上げていきます。こうすることで胸に最大にストレッチがかかります。この種目を最後に持ってきているのは、胸の筋肉を気持ち良く伸ばして終わるということもあります。

最後に

大胸筋はフィジーク競技において、6〜7割を占めるフロントポーズで存在感を発揮する部位です。大胸筋全体のボリュームアップも重要ですが、特に大胸筋上部の筋肉をつけて、ワンランクアップした大胸筋を作りましょう!

いぶき・ちから
1991年7月28日生まれ/滋賀県出身/身長173cm、体重71㎏(オン)、79㎏(オフ)/職業:トレーナー/戦歴:2021~2024年オールジャパンメンズフィジーク176㎝以下級4連覇。2022~2024年グランドチャンピオンシップスメンズフィジ―ク3連覇

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