フィットネス界で輝き、PrimeVideoで配信された恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シーズン6では“美ボディトレーナー”としても注目を集めた”ゆん”さんこと村岡優子さんが、女性のためのトレーニング&スポーツ専門誌『Woman'sSHAPE』の最新号 vol.30で表紙に登場しました。
バレエでの挫折を乗り越え、自らの経験を通じて「諦めないこと」「自分を信じること」の大切さを体現する彼女のフィットネス・ヒストリーに迫ります。
[初出:Woman'sSHAPE vol.30]圧巻のステージング
ルーツは15年間のバレエ人生
━━恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シーズン6の撮影では、マレーシアに滞在されたそうですね。
ゆん 貴重な、濃い経験をさせていただきました。翌日のために食事を節制する方が多いなか、私は「何か食べられるタンパク質はないか」ってタンパク質ハンターになっていましたが(笑)。
━━コンテストも『バチェラー・ジャパン』もある意味競い合いの場ですが、ゆんさんはいつも周りの目を気にせず自然体ですよね。
ゆん 「自分らしくいる」というのがモットーですが、やっぱり難しいときもあって。今回の旅のなかでもみんなのスペックがすごく高くて、自分がイヤになることもありました。「私は英語を全然喋れないのに、みんなペラペラだな」とか「私なんて何も肩書きがないじゃん」とか。でも、それはその人の努力の証だから、純粋にすごいなって。あとは、ふだんから出会う人の背景を深く知るようにしています。どういうバックグラウンドがあるのか聞くのが好きで。背景を知ると、自然と尊敬の気持ちが湧いてくるんですよね。
━━今回が本誌の表紙初登場。また、番組を通して、ゆんさんを知った方もいると思います。改めてフィットネスライフを伺っていきたいのですが、そのルーツはクラシックバレエだそうですね。
ゆん 母が大人のためのバレエを趣味で習っていて、その見学をきっかけに私も3歳から大阪のバレエスタジオで15年間続けました。私はもともと一つのことしか頑張れない性格みたいで、バレエに真剣過ぎて勉強した記憶がないくらい(笑)。バレエ漬けの生活で先生のアシスタントにも入らせてもらったり。
━━青春時代はバレエ一色?
ゆん ですね。当時はプリマになることよりも成長させてくれた先生に恩返しをしたくて、スクールで活躍したいという気持ちが強かったです。ずっと続けたかったのですが、母子家庭で経済的な状況もあり、結局バレエは18歳で諦めました。10代で究極の選択を迫られ、それがきっかけでバレエが嫌いになってしまった時期も、正直ありましたね。
━━打ち込んでいたからこそ、離れることがつらかったのでしょうね。
ゆん それまで学生生活をほとんど経験してこなかったので、10代の最後は友だちとたくさん遊びました。すごく楽しかったんですが、だんだん目標がない自分がイヤになり、遊ぶ時間もむなしくなってきて。私に何ができるだろうと考えたとき、「表現することが好きだから、表に出る仕事がしたい」と強く思いました。そこからモデルになると決めて、成人式を終えて東京に出てきました。
バレエをやっていてよかったと思えた日
━━新たな環境に身を置かれて、どのような変化がありましたか。
ゆん バレエ専門店で働きながらモデルやタレントなどのお仕事を始めました。でも、身体を動かさなくなったことで、ぶくぶく太ってしまって。それに、バレエで目標を達成できなかった中途半端な自分に、ずっとコンプレックスを抱いていました。自信が持てず、せっかく表に出る仕事をさせてもらってもネガティブになる一方。本当にやりたい仕事なのかと悶々とする日々でしたね。
━━いつも明るいゆんさんに、そんな葛藤の時代があったとは意外です。乗り越えたきっかけは?
ゆん モデルの友人に体型の相談をしたら、「私が通っているパーソナルジムに行ってみる?」と誘ってくれたんです。それが、今もお世話になっているトレーナーさんとの出会い。そこからがむしゃらにトレーニングを始めました。仕事も、バレエのレッスン場にあるバーを使ったエクササイズのインストラクターを始めることになって。

ゆんさんが代表を務める女性専用パーソナルジム「cheeks」は今年で3周年!
━━ 一度は離れたバレエと、インストラクターという形でまた向き合えるようになったんですね。
ゆん 考えてみたら本当にそうですね。そのスタジオで働きながらパーソナルトレーナーの研修もさせてもらい、大会にも出始めて。そして、最後の日本大会のときに「チャンピオンになったら独立するぞ」という目標を立て、それを叶えての”今”ですね(笑)。
━━現在はご自身のジムでパーソナル指導をされているんですよね。お話を伺っていると、一つひとつ明確な目標を立てて努力する生き方をされているように感じます。
ゆん 目標がないと私らしくいられないというか、どんどんネガティブな気持ちになってしまう気がして。目標があるからこそ日々の人生が豊かになって、頑張れるんですよね。それがたまたまフィットネスとぴったり合ったんです。ただ筋トレに目覚めただけではなくて、大会に向けて背中を押してもらえたことが大きかったです。大会では、ポージングってすごく重要じゃないですか。
━━バレエの経験が、ポージングにも生かされたのですね。具体的にはどのような点で役立ちましたか。
ゆん 大会では、ただ筋肉があるだけでなくステージでの表現力を褒めてくださる方が多いんです。バレエをやっていたおかげでポージングの所作や柔軟性を活かすことができ、それが評価につながっている。一度は嫌いになって離れたけど、今はバレエをやっていて本当によかったなぁと思います。
食生活の改善がもたらした劇的ビフォーアフタ―
━━バレエ時代とトレーニングを始めてからでは、身体はもちろん食生活も大きく変わったのでは?
ゆん バレエ時代、ストレッチは好きで毎日やっていましたが、筋トレは全くやっていなくて。ふにゃふやで「こんにゃく」って言われていました。筋肉がないから体力もなかったし、食生活も痩せろと言われるがまま、ペプシコーラゼロとグミ、あとはマカロニパンをかじるだけ(苦笑)。細くはなるけど筋肉はつかず、食べるとお腹が出てしまう。ダイエットのために、大好きな「じゃがりこ」で本数を稼いで空腹をごまかしたり、お腹が出るのを気にして水を飲まないなんていうこともありました。
━━今のご自身では考えられないような食生活ですよね。
ゆん だから、トレーニングのスタートは「食生活の見直し」からでした。トレーナーが学校の先生みたいに必要な栄養素を書き出してくれて、「まずは3食食べなさい」と。「そんなに食べたら太るじゃん!」と抵抗しましたが、それでも説得されて。カップ麺やコンビニ飯の代わりにスーパーでカツオのたたきやアボカドを買うようになり、そのうちタンパク質を意識して摂るようになり、プロテインも飲み始めて。
━━実際に食生活を変えてみて、身体に変化はありましたか。
ゆん ものすごく変わりました。私、素直というかバカ正直で(笑)、言われたことしかできないんですが、その代わり最後までやり遂げるので、身体がどんどん変わっていって。そうしたらトレーナーから「ゆんちゃん、こんな大会があるよ」とサマスタ(サマースタイルアワード)を紹介されました。最初は、「まだ無理に決まってる」とウジウジしていましたが、「とにかくやってみようよ」とまた説得されて。じゃあ、やるからにはと減量にも取り組み、初めて出た大会で優勝できたんです。
━━身体にメリハリができていくのは、バレエ時代とはまた違った感覚があったのでは?
ゆん すごく新鮮でしたね。私でもこんな風になれるんだと感動しました。バレエ時代は前腿の張りがコンプレックスで「下半身デブ」だと思っていましたし、上半身も華奢なのが良いと思っていましたが、実は肩幅がなく顔が大きく見えてバランスが悪かったんです。トレーニングを始めたら前腿の張りも解消され、身体が変わっていくことで自信が持てるようになりました。コンテストや周囲からの評価も、さらに自信へとつながっていきましたね。
後編に続く
むらおか・ゆうこ
1993年12月1日、大阪府出身。168㎝。3歳から15年間クラシックバレエに打ち込んだ後、モデルやタレントとして活動しながらトレーニングを開始。サマースタイルアワードでは2018年にROOKIE CHALLENGECUPビューティーフィットネスモデル部門で総合優勝、2021年に決勝大会ビキニモデル部門総合優勝。WBFFKoreaでは2023年ディーバビキニ部門、コマーシャル部門で2冠を達成。2025年サマースタイルアワードJAPAN PRO GRAND PRIX・ビューティフィットネスモデル部門オーバーオール優勝。女性専用パーソナルジム「cheeks」代表として、女性らしいボディメイクの指導に携わる。
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YunChu-bu・ゆんちゅーぶ
フィットネス・ストレッチ・トレーニングを中心に、“美と健康”を発信しています
取材・文:藤村幸代 撮影:AP,inc.、夏目英明(大会写真)、村岡優子(写真提供) ヘアメイク:平塚美由紀 Web構成:中村聡美
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