筋トレ ピラティス

「ぶっちゃけ、ピラティスってどういいの?」柔軟性?体幹強化?先輩たちに聞いたピラティスで得られる“リアルなメリット”とは?

聞いたことはある、始めてみたいけど勇気が出ない、自分には必要なのか──? ピラティスに対して、こう思っている人も少なからずいるだろう。今回はさまざまな競技団体で活躍し、すでにピラティスを実践している先輩たちから、どんな人にお勧めか、実践してみての感想などの声を集めた。

過去に怪我をした方や日常生活を楽に送りたい方など挙げ出したらキリがない!

JPA(日本パワーリフティング協会) 一般女子57kg級
友松春奈
1997年生まれ、神奈川県横浜市出身で現在も在住
●職業:管理栄養士・ピラティスインストラクター
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれジムに通い始めて4年と1年
●ピラティス頻度:マット&マシンピラティスを週3回程度

美ボディだけじゃない自身の怪我も回復へ

仙腸関節を痛め、トレーニングが思うようにできなかったときに新しいボディワークとして取り入れてみようと思い、始めてみました。職場にピラティスができる環境があったので、1人でパーソナルレッスンを受けに行ったんです。モデルさんや女優さんが「身体を美しく整えるためのもの」だというイメージが強かったんですが、自分の怪我が回復に向かい、美ボディのためだけではなく幅広い年代で良い影響があると知りました。

インナーマッスルや自身の身体をコントロールすることにフォーカスするため、集中力を高めながらエクササイズを行うところが楽しいポイントですね。重たい重さを持つパワーリフティングでは、身体がガチガチに固まりやすくなってしまいますが、ピラティスでコンディションをしっかり整えることで重さを担ぐときにも力みすぎないようになりました。私生活でも自分自身の姿勢の意識や、楽に歩けるなど良い変化を感じています。

悩みがあろうがなかろうがスクワット200kgできようができまいが今これを読んでいるあなたです

JBBFボディビル
野間健介
1988年生まれ、愛媛県出身で現在も在住
●職業:銀行員
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれ6年と半年
●ピラティス頻度:マシンピラティスを月1~2回程度

「ピラティス=キツい」は印象操作だと思っていた

ピラティスはキツい&しんどいというのは、実はピラティスを浸透させるための世間の印象操作だと思っていました。ヨガに代わる新しい流行というイメージを持っていたので、「ピラティスデビュー ! 余裕でした !」というのをやりたかったです。ですが、実際は気合いと根性でなんとかなるものではありませんでした。世間の印象操作でもなんでもなく、普通にキツかったです。自分の身体のコアを全く使えてないことに驚きました。

常時必死で、なかなか楽しみながらはできていません(笑)。筋トレでは「気合いと根性」理論もありますが、通用しないのがピラティス。本当に自分の身体を理解して動かせないと難しいのですが、それが面白い点だと思います。今まで気合いと根性で扱えていた重量が扱えなくなったのですが、動作に入る前の姿勢、呼吸、対象筋への意識の仕方が変わり、感覚は抜群に良くなったと思います。

O脚や反り腰、ストレートネックで悩んでいる方はぜひやってほしい!姿勢がいいだけでオーラは出ます!

ベストボディジャパン・ベストボディ部門
芳村真樹
1991年生まれ、岡山県出身で現在も在住
●職業:飲食店経営
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれ7年と1年
●ピラティス頻度:マットピラティスを週2~3回

ピラティスってなに……?無知からのスタート

ボディコンテスト出場にあたり、講師の方にピラティスを勧められたのがきっかけ。当時はピラティスというものに対してイメージが湧かず、全く無知の状態からのスタートでした。初めてピラティスレッスンを受けるにあたってそれほどこだわりを持たず、インターネット検索から予約して1人で受けに行きました。正直深く考えずに選びましたが、通おうと決めたのは、先生と自分がピタッとハマった感じがしたからです。

ピラティスをやってみたからこそ、自分の身体の歪みや、インナーマッスルの使い方、足の先から頭の先まで集中するとはこういうことなのだと認識することができました。筋トレ前にピラティスをすると効かせたい場所に刺激が入るし、真っすぐ整う感じがして。もちろん、アウターマッスルのような大きい筋肉の方が使いやすいのですが、インナーマッスルを意識するとトレーニングも効率が良くなると思いました。

人間としての性能をあげたい人や呼吸が浅い、疲れやすい人を始め”整う”を感じたい人におすすめ

パワーリフティング/ベンチプレス
鈴木佑輔
1984年生まれ、茨城県出身で現在は東京在住
●職業:ジムオーナー・フィットネス機器販売
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれ25年と約7カ月
●ピラティス頻度:マシンピラティスのパーソナルを2週間に1回

思い込みを持っていて第一歩が踏み出せなかった

前々から興味はあったものの、先入観や始める機会がなかったのでできずにいました。筋トレ・重量挙げ否定派の人が大多数いるイメージで、個人的な考えですが「使えない筋肉」とウエイトトレーニングをひとくくりにしている人が多くいると思っていて。フィットネスイベント『スポルテック2024』にてピラティスを体験させていただく機会があり、そこで良さを知りました。このきっかけがなければ、正直始められなかったですね。

ピラティスを通じて普段自分が使えていない筋肉へのアプローチや顕在化、自分が扱う重さのコントロール力向上による競技力への貢献が、はっきりと目に見えて感じられるように。そして先述の先入観やネガティブなイメージは払拭されました。パーソナルでリードしてもらうことで、自分の能力を開花させてもらえる感覚が楽しいです。身体の不自由さが解消されてきたので、一定以上のクオリティで練習を続けられていますよ。

仕事で背中が丸まってしまったりハイヒールで歩くとふらついたりそういった方々にもお勧めします !

JBBF ビキニフィットネス
長瀬陽子
1977年生まれ、岐阜県出身で現在は東京在住
●職業:ポージング講師
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれ10年と4年
●ピラティス頻度:マシンピラティスを週1回

快適な日々を過ごすための土台を作ってくれるもの

当初持っていたピラティスのイメージは「体幹運動プログラム」。ですが、今は快適に毎日を過ごすための基本を作るものだと気づきました。ピラティスは呼吸と動きの連動が最も大切。レッスンで呼吸や正しい動きを意識的に訓練し、日常生活では無意識にそれを行えるようにするためのアプローチ方法なんだと考えています。「軸を真っすぐにするとはどういうことか」が分かるようになりましたね。

ピラティスを始めたきっかけは、トレーニング時やポージング時の身体の使い方の癖を直したかったから。色々模索し、体験した結果始めることにしました。知人が通っていたパーソナルスタジオで、マシンピラティスのレッスンを受けたのが始まりです。トレーニングとは違って自分の呼吸にフォーカスしたり、筋肉を意識しないで内側から動く力にフォーカスしたりする貴重な時間を過ごせることに楽しさを感じています。

トレーニングでの怪我予防や身体の左右差が気になる方には特におすすめしたいです

マッスルゲート(2024年)/JBBF・ボディビル(2025年)
嘉数玖留
2000年生まれ、高知県出身で現在も在住
●職業:パーソナルトレーナー
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれ(競技歴)5年と約半年※マシンは3カ月
●ピラティス頻度:マットはコンディショニングの一環としてトレ前に実施、マシンは月に2回

筋トレに打ち込む人こそ必要な要素がたくさんある

ピラティス=キラキラ女子がするもの、だと思っていました。鈴木雅さんのセミナーがきっかけで興味を持つようになり、トレーニングやポージングでの左右差、腹部や腹圧、呼吸の機能向上が目的で始めたんです。1人でパーソナルレッスンを受けに行き、実際やってみるとめちゃくちゃキツくてびっくりしました。トレーニングに真剣に取り組むボディメイク競技者にこそ、必要な要素が多々あるのではないかと感じましたね。

ウエイトトレーニングではあまり意識しないインナーマッスルの動きだけではなく、脊柱(骨)の動きや呼吸への意識が向くことにピラティスの良さはあると思います。マットピラティスではハムストリングの活性化と肋骨のアライメントが整い、腹圧が正しくかかる変化を感じています。腹部を固めるのが腹圧ではないことを再確認できました。マシンは歴が浅いので言い切れませんが、実施直後は重心が変化した感覚があります。

最大限を引き出す手段として身体の痛みや不調がある方、競技者には取り入れてほしい!

JBBFビキニフィットネス
岩崎有希
1996年生まれ、東京出身で現在も在住
●職業:パーソナルトレーナー兼ピラティスインストラクター
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれ4年と1年半
●ピラティス頻度:特に決めておらず、固まってきた感覚があったとき

課題だったお尻の筋肥大は約半年で成長を実感!

筋トレ頻度の割に、殿筋群の発達が思わしくなかったのが、ピラティスを始めた1番の要因。実はピラティスを始めるまで苦手意識があったんです。トレーニングでアウターマッスルばかり強くなり、どの動きでも先にアウターが働いてしまって身体の変化を感じられないのでは……と。しかし、動きを習得する前に腰痛がぱったりなくなり、トレーニングの質がぐっと向上 ! なんでもっと早く始めなかったんだろうと後悔しました(笑)。

ずっとできなかった動きがある日突然できてしまったりするんです。その喜びと同時に、整ったポジションが獲得できるのはピラティスの特権だと思います!頭の位置、足先の感覚などすべてのポジションが整ったとき、同じ重量でも格段に筋肉への刺激が変わる。この意識の変化が一番大きいですね。ピラティスを始めるきっかけだった殿筋群の筋肥大に関しても、開始から半年ほどで一回り成長できたと感じています。

ポージングが不安定な人だけでなく姿勢不良や痛みがある方、寝つきが悪い方に勧めたいです

SSAビキニモデル
RUNA
1998年生まれ、広島県出身で現在も在住
●職業:ピラティスインストラクター
●トレーニング歴とピラティス歴:それぞれ5年と1年
●ピラティス頻度:マット週3回、マシン週2回

柔軟性と神経伝達が向上!組み合わせの重要性を実感

私が求める理想はしなやかで女性らしい身体。これまでは筋トレがメインだったのですが、ピラティスだと理想を手に入れられると思ったので約1年前からピラティスを始めました。また競技者でもあるため、ポージングの安定性を高めたいと思ったのも理由のひとつです。最初の一歩は1人でのパーソナルレッスン。柔軟性を出して動きを良くするというイメージがありましたが、実際にやってみるとかなり細かくとても難しかったです。

最初は身体の各部位の動きを出していくことが難しかったですが、やっていくうちにどんどん動きが良くなっていくのがとても楽しくて ! 柔軟性がアップすると身体が動かしやすくなりますし、かなり神経伝達も良くなりトレーニングの効き方が変わってきました。今ではトレーニングとピラティスを組み合わせることの重要性を感じています。まだまだですが日常生活での姿勢は良くなり、下腹部から引き上げる意識もついてきました。

 

取材・文・構成:小笠拡子 大会写真:中島康介、北岡一浩、EastLabs Photo Team 写真提供:各選手より Web構成:中村聡美

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佐藤奈々子選手
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