減量

「流行に流されるな」トップビルダー・杉中一輝が実証!自分に合う減量法の見つけ方

「何かを変えたら、もっと良くなるかも」。そんな思いから、杉中一輝選手は昨シーズン新たな栄養管理を試みたが、結果は合わず……。苦悩した1年を過ごしたからこそ、自分の筋肉にとって必要な栄養素が見えてくる。

筋量を落とした昨シーズンから学んだ
タンパク質不足とトレ中の糖質不足は筋肉を削る

タンパク質は本当に大事

ここ2年の経験を通して、一番学んだのは〝減量中でもタンパク質はすごく大事〞だということ。自分の体感では、体重の3倍(200g前後)が一番バチッとはまるタンパク質量です。これを下回ると、大事な筋肉量まで削られてしまうんだな、と学びました。

この量は減量初期から末期まで変えず、何の食材から摂るかが変わるだけです。初期は鮭や牛肉なども食べますが、終盤になると鶏胸肉と卵だけになります。一方で、タンパク質を摂りすぎて〝絞れない〞という現象に悩んだ時期もありました。このときは体重1㎏あたり4〜5倍(300g前後)のタンパク質を摂っていましたね。カロリーを落として減量しても見た目が緩くなってしまい、見栄えがいい身体とは言えなかったです。

そして、昨年のシーズンで摂取していたタンパク量は体重1㎏あたり1倍(70g前後)。さらに、摂取カロリーも2000㎉で、以前の摂取量の2500㎉と比べてもかなり少なかったです。その内訳としても、わずかに糖質量が増えたぐらいで。トレーニング前半に持ってくるパワー系の種目でも、それほどパワーが落ちなかったので、見た目も変わっていないと思っていました。しかし実際は違いましたね。

流行りと自分は違う

これまでは自分で探りながら減量をしてきましたが、減量嫌いな自分にとって減量というのは、すごくつらい時期なんです。「心も身体も、もっと楽に減量したいな」と、ずっと思っていました。

そんなとき、「減量カロリー内で炭水化物を多く摂った方が、楽にできる」という情報を得ました。「もしかしたら、気持ちも身体も楽に減量ができて、しかも2023年の仕上がりを超えた自分になれるかもしれない」と思い、糖質メインの減量方法を指導している栄養士さんに管理をお願いしたんです。

結果的に自分には合わないことが分かりましたし、何かを極端に削るというように、栄養バランスが偏りすぎたらダメなんだと学びました。むしろ、これまでの減量方法が自分には合っていたんだと、自信が持てるようになりましたね。

具体的な数字で言うと、タンパク質が200g前後、脂質が40〜50gからスタートして減量末期になると10〜20g、残りが炭水化物という内訳になります。これからは、流行りの減量に惑わされることなく、自分の最適解として減量を進められる安心感があります。

減量中でもバテないように

もう一つ、自分にとって必要不可欠だと感じたのはトレーニング中のサプリメントです。これまではトレーニング中に、ゴールドジムのアミノペプチド、ホエイペプチド、CCD、グルタミン、クレアチン、マルチビタミンを摂っていました。しかし、昨シーズンは指導のもと、サプリを一切やめたんです。唯一飲んでいたのはマルチビタミンです。これは栄養士さんにお願いしてまで摂っていたほど。自分の体調管理のためには必須サプリです。

サプリメントの摂取をやめたことで顕著に感じたのは、トレーニング中の〝燃料切れ〞という現象です。パワー系がメインの前半は体力もあるのですが、後半になるにつれてバテました。筋肉がパンプしないし、体力がもたなかったですね。「早くトレーニング終わりたい」って思っていました。また、トレーニング後に食事をしても、本当に体内に栄養は吸収されているのだろうか……と思うほど満たされた感じがしなくて。総カロリー数が少なかったのも一因かもしれませんが、身体がすごく枯渇している気がしました。

やはり、トレーニング中のサプリメント摂取は自分にとってのエネルギー源になっています。自分の身体が良かったとき、悪かったときを連続で経験したことは、大きな財産だと捉えています。

すぎなか・かずき
1999年1月7日生まれ。三重県出身。身長:158㎝。体重:72㎏(オン)、85㎏(オフ)。パーソナルトレーナー。2022年日本ジュニア選手権70㎏超級&オーバーオール優勝、2023年日本選手権4位、2024年日本選手権8位。減量中のご褒美は日曜日のチートデイ

取材・文:小笠拡子 撮影:岡部みつる、中島康介(プロフィール写真) Web構成:中村聡美

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