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“スーパーフード”モリンガは筋肉作りに役立つ!マグネシウムやカルシウムなど不足しがちな栄養も【モリンガのスゴさ#2】

世界では、「スーパーフード」「美容・筋トレ向けサプリ」などとして注目されているモリンガ。じつは、筆者が滞在しているインドネシアのジャワ島では、モリンガは雑草のように至る所に生えていて、シャーマンは「悪魔祓い」としても使用していた。

強い生命力を感じるモリンガ。その効果は科学的にも証明されている。

モリンガの栄養素

和洋女子大学健康栄養学科教授の本三保子先生によると、モリンガは熱帯・亜熱帯地方で、葉、種子、花、茎、根などが古くから用いられているという。特に葉は、野菜として食されたり、乾燥させて茶として飲用されている。カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、食物繊維など日本人に不足しがちな栄養素をモリンガ葉摂取で補給することができ、筋肉の回復やパフォーマンス維持に貢献する。

「特に注目したいのはマグネシウムです。カルシウムが豊富であることももちろんモリンガ葉の魅力ですが、毎年実施されている国民健康・栄養調査の結果によると、日本人のマグネシウム摂取量は不足気味です。マグネシウムは筋肉量を増やしたい人にも重要です。筋肉は収縮のあと、緩むことで次の動作が可能になり、この“緩む”働きにマグネシウムが深く関与しています。また、神経細胞から筋肉細胞への情報伝達にも欠かせません」

また、モリンガ葉にはロイシンが含まれている点にも注目したい。ロイシンは「分枝アミノ酸(BCAA)」に分類されるアミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)の一つで、筋トレをする人なら一度は聞いたことがあるだろう。

ロイシンは、筋肉たんぱく質をつくるスイッチを入れてくれる働きがあり、同時に筋肉たんぱく質の分解を抑えてくれる。

「分枝アミノ酸は、筋肉たんぱく質の約40%を占めていますが、体内で合成できない不可欠(必須)アミノ酸であり、食事からの摂取が必要です。中でもロイシンは積極的な摂取が推奨されますが、ロイシンだけで筋肉たんぱく質が合成されるわけではないので、筋肉量を増やすためには、他の不可欠(必須)アミノ酸もバランスよく摂取することが重要です」

「雑草」だからこそ強い、生命力のパワー

ジャワの雑草として生えるモリンガには、過酷な環境に耐え抜くための強力な生命力がある。インドネシアの伝統では食事やお茶にもモリンガが使われるが、儀式としてシャーマンが悪魔祓いにも使ったりする。インドネシアの友人の母親は毎日モリンガ葉茶を飲み始めてから体調が回復したとも話していた。

緊張やストレスなどをやわらげる効果がモリンガにはあるのかもしれない。ストレスを溜め込みがちな人や、身体のだるさが抜けない人は、モリンガの効果を試してみよう。

本教授

監修:本 三保子(もと・みほこ)
和洋女子大学健康栄養学科教授。農学博士。専門分野は栄養学。信州大学大学院農学研究科修士課程修了。食品機能学の研究に長らく従事しており、食品の生体調節機能について研究。糖尿病の予防に効果が期待できる食品やその成分、機能性食品サプリメントの生活習慣予防作用の研究を続けている。日本臨床栄養学会評議員、日本臨床栄養協会評議員、日本乳酸菌学会学会誌編集委員。研究成果「便秘傾向の成人女性を対象としたモリンガ葉粉末の継続摂取による排便促進効果」は『病理と治療』(47号 No.3 2019年)に掲載された

執筆:松本実奈美(まつもと・みなみ)
元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インド生活を送る。WORLD PEACE YOGA SCHOOLの『200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了

 

 

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