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糖質は減量の敵ではない!むやみな糖質カットが脂肪燃焼効率を下げてしまう!

 

最近、半袖の服を着るようになって「自粛中に太ってしまった!」と思った方、今の時期ダイエットを始めた方も多いのではないでしょうか?
ダイエット(減量期)になると、どうしても糖質を摂りたがらない人が多いものです。もちろん、過剰に摂りすぎると太ってしまいますが、減らしすぎても、かえってうまくいきません。「糖質制限は危険」と、耳にしたことがある方もいると思いますが、糖質は摂るタイミングやシーンを工夫することで、より効率的な減量へとつなげることができます。
今回は、避けられてしまいがちな「糖質摂取の重要性」について桑原先生に解説していただきました。

桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾 主宰。
スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。
NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。
武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。
国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。

糖質の摂りすぎは「老化・不健康」

多くの人が認識しているように、過剰に摂った分の糖質は、悪さしかしません。近年、「糖化」という言葉が流行っていますが、これは老化の一種です。「酸化」が体をさびつかせるのであれば、糖化は体を焦げつかせるものと言えます。
糖化は、糖とタンパク質と熱がセットになると起こります。肌のシミ・シワも、糖化の影響です。肌をつくるタンパク質であるコラーゲンに過剰な糖があると、体温の熱で糖化を招くのです。また、骨も血管もタンパク質でできているので、糖化が進むと骨が脆くなり、血管が硬くなります。糖の過剰摂取による体内の糖化は、美容や減量どころか、健康に悪いのです。

しかし、糖質が悪者であるかというと、そうではありません。最も主要なエネルギー源である糖が不足すると、スタミナがなくなる、筋肉が分解される、脂肪燃焼効率が下がるといった弊害が出ます。

糖質不足が脂肪燃焼効率を下げる

2大エネルギー源である糖質と脂肪のうち、糖を摂らないことで脂肪を優先的に使うようにする減量方法もあります。これがいわゆる糖質制限ダイエットのメカニズムです。

脂肪を分解した後、燃焼するときに糖が使われる

脂肪がエネルギーとして利用されるためにはクエン酸回路に入る必要があります。脂肪は細胞内でアセチルCoAになり、ここにオキザロ酢酸が反応してクエン酸がつくられていくのですが、このオキザロ酢酸は、グリコーゲンから出てくる糖からつくられるので、これが足りないとクエン酸ができにくくなってしまいます。つまり、脂肪がうまく分解されても回路の入り口でクエン酸の生産稼働が鈍くなってしまうために上手に燃焼されない状況になるわけです。

適正量の糖は、脂肪を燃やす上でマストであり、摂るべきシーンで摂らないと、クエン酸回路がうまく回らなくなってしまいます。

糖新生が起きやすくなる

グリコーゲンが足りなくなると、「糖新生」も起きやすくなります。糖新生とは、タンパク質を分解してアミノ酸を取り出し、そこから糖をつくり出すことです。これは非常事態の対応であって、かなり遠回りで無理のある作業であるといえます。これには、筋肉が分解に向かうデメリットがあるだけでなく、アミノ酸を作る過程で、アンモニアという副産物も生んでしまいます。アンモニアを解毒するときには、これまたクエン酸回路の物質が使われるので、さらに回路が回りにくくなるのです。
クエン酸回路は、起点となるクエン酸を含む9種類ほどの酸を通しています。しかし、アンモニアの解毒といった、ほかの用途に一部の酸が使われると、クエン酸回路本来の役割ができなくなってしまうので、脂肪がエネルギーに変わる効率が落ちていくのです。

糖は、解糖系でエネルギーを使えるのですが、脂肪はクエン酸回路が回らないとエネルギーとしての役割を発揮できないので、グリコーゲンが足りなくなると、クエン酸回路が回りにくくなって脂肪の燃焼効率が下がります。
むやみに糖質カットをすると、スタミナがなくなるばかりか、脂肪の燃焼効率までもがぐっと落ちてしまうのです。

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佐藤奈々子選手
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