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「朝型人間の方が筋肥大しやすいのか?」という疑問に米国フィットネス誌が答える

規則正しい生活として「早寝早起き」が昔から重要視されており、一部の経営者たちは朝早く起きて日々のルーティーンをこなすことを推奨している人も多い。そうした、広く受け入れられている「朝型人間」の優位性は、筋力トレーニングにおいても科学的に証明されているのだろうか。多くのトレーニング愛好者が抱くであろうこの疑問に、米国フィットネス誌が、さまざまなデータをもって解説する。

(IRONMAN2026年4月号「from IRONMAN USA」より転載)

早朝トレ前は糖質を取らない?

人それぞれ、自分に合った生活パターンというものがあり、早朝から活発に動ける人もいれば、夜の方が思考がさえるという人もいる。日常生活に不便を感じなければ朝型でも夜型でも問題はない。

しかし、活動内容によっては、朝より夜、あるいは夜より朝のほうが適している場合がある。例えば、トレーニーの中には早朝に起床し、すぐに固定バイクを漕いで有酸素運動を始めるという人もいるだろう。エネルギーレベルが最も低い目覚めのタイミングで有酸素運動を行うと、体脂肪が積極的に消費されると考えられているからだ。

一方で、早朝にウエイトトレーニングを実施する場合、エネルギー不足でパフォーマンスが低下することが考えられる。朝起きたとき、私たちの身体は空腹状態にあり、エネルギーレベルは非常に低い。この状態で高強度なウエイトトレーニングを行うには、食事を事前に取ることが不可欠だ。

推奨されるのは肉類とナッツ類を合わせたメニューだ。これらの食品は、エネルギー管理を司る神経伝達物質の供給を助け、朝から一気にエネルギーを高めることができるとされている。

逆に、オレンジジュースなどの糖分が多い飲料は勧められない。血糖値が一気に上昇するとインスリンの過剰分泌を促し、その反動で血中の糖レベルが急降下する。結果として倦怠感ややる気の低下が生じてしまい、トレーニング開始時の精神状態を悪化させてしまうことが考えられるからだ。

例)バッファロー肉などのパテを1、2枚とマカデミアナッツ
ターキー肉のハンバーガーと手のひら分のアーモンド

 

朝はコーヒー!

米国成人の約3分の2が毎朝摂取しているとされるコーヒーは、単なる嗜好品を超えた健康効果が示されている。多くの研究により、2型糖尿病や肝臓病、心血管疾患、心臓発作や脳卒中、パーキンソン病、アルツハイマー病などの予防を含む多くの健康効果と関連性が示されている。

加えて、コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経を刺激し、集中力を高める。これにより、競技能力の向上や長時間の運動を継続することが可能となる。こうした理由から、朝目覚めたときの目覚まし代わりに多くの人がコーヒーを愛飲している。

ただし、過剰な糖分や油脂、人工添加物を含むクリーマーが含まれているコーヒーは、決して健康に良いとは言えない。あくまでも推定だが、コーヒー愛飲家の65%が健康的な飲み方をしていないという統計結果もある。

もし味を変えたい場合は、無糖かつ高タンパクなクリーマーや有機ココナッツミルクパウダー等の代替品で不必要なカロリーの摂取を抑える方法もある。

 

多くの健康効果

ダイエットや生活習慣を整えるという目標の維持集中力が高まる

 

朝型人間と夜型人間の比較

『オベシティ(肥満)』誌に掲載された約2千人を対象とする調査では、睡眠パターンと食生活の間に明確な相関が認められた。

寝る時間が遅い夜型人間と早起きの朝型人間を比較し、カロリーや主要栄養素の摂取量に違いがあるか調査した結果、確かに夜型人間と朝型人間とでは食生活に差があることが確認された。不規則な食生活は睡眠の質を低下させ、運動量も低下させる。もし可能であれば、朝型人間の生活スタイルを試すことを勧める。生活リズムを整えることで身体の不調を解消することができるかもしれない。

朝型人間

1日を通じて、いわゆる健康的な食品を選択する傾向が強く、タンパク質の摂取量も安定している。

夜型人間

朝食時の糖分摂取が多くタンパク質が不足しがちな一方、夕食には脂質と糖質が過剰になる傾向がある。週末には食事時間が不規則となり、間食量も平日の2倍に増大する。

「逆コルチゾールカーブ」になっていないか?

朝早く起きることが難しい場合、ホルモン分泌のタイミングが正常ではない可能性がある。通常、コルチゾールは起床時に最も高い。これは空腹状態のため身体にストレスがかかっているからだ。しかし、食事をすることで身体の機能が活発に働き始め、コルチゾールのレベルも低下していく。夜になると、コルチゾールレベルは最も低くなるので身体がリラックスし、睡眠に入るための体内環境が作られていく。

しかし、この分泌パターンが逆転する「逆コルチゾールカーブ」がある。つまり、朝の目覚めが悪く、夜間に覚醒状態になって寝つけない状態だ。この原因に、副腎への過度な負担や、ストレスへの適応不全が挙げられる。

これを調べるには副腎ホルモン検査を受ける必要がある。この検査では、1日の中の4つの時間帯に唾液を採取してコルチゾールレベルを調べる。

朝、起きるのが苦手だという人は、その原因はコルチゾールの分泌タイミングにあるかもしれない。

 

編集注

低グリコーゲン状態の練習で本番に強くなる

2015年、ランニング学会が朝練習のトレーニング効果について、歴史的背景と科学的根拠の両面から考察した総説を発表した。

かつては走行距離を稼ぐための補助的な手段とされてきた朝のランニングだが、現代の東アフリカ勢などはこれを主練習に位置づけ、高い成果を上げている。科学的には、起床後の低グリコーゲン状態で走ることが脂質代謝の向上や持久力アップにつながると指摘されており、「Training low,compete high. (トレーニングはグリコーゲンが少ない状態で行い、競技会には十分な状態で臨む)」という戦略の一つとして注目されている。

また、早朝の低い体温が長時間運動におけるプレクーリング効果をもたらす可能性や、個人のクロノタイプが練習効率に与える影響も示唆されている。ただし、効果を最大化するためには、運動後速やかに炭水化物とタンパク質をバランス良く摂取することが不可欠だ。一方で、高強度練習の難しさや免疫力低下のリスクも存在するため、個々の体調管理に合わせることが課題だ。

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