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肉離れ中でもベンチプレス!?「自分でも制御ができない」ストロングマン歴1年で大躍進のホープ・吉原瑛太

極限の筋力に加え、持久力や耐久力も必要になる、ストロングマン。まだ日本では認知度が低い競技ではあるが、1人のスーパールーキーが現れる。競技歴自体は浅いものの、怪物の素質は確かに垣間見えた。

外国勢にも負けないルーキー

━━まだストロングマンの競技歴自体も浅いと伺いました。

吉原 そうですね、以前はボディビルをしていました。ストロングマンのためのトレーニングに完全に切り替えたのは、ちょうど1年前くらいです。今年の2月に行われた、『天下無双』が2戦目でした。
これはストロングマンの階級別世界大会の日本予選みたいなもので、僕は90㎏以下級で出場しました。エントリー人数8名中、日本人は僕だけでしたが、4位になることができました。

━━日本予選とはいえ、周りは外国勢ばかりだったんですね。経験値のある選手とご自分を比べてみて、どうでしたか?

吉原 この順位は妥当だと思います。ポイント差をそこまで広げられたわけじゃなかったので、本腰を入れて経験を積んでいけば、もっといいところはいけるんじゃないかな、と考えています。体型的にもデッドリフトのような引く系の種目や、重いものを持って歩くキャリー系の種目は得意なので、まだ伸び代があると思っています。

━━それが強い理由としては、高校・大学時代にされていたラグビーがベースになっているから?

吉原 はい、かなり生かされていると思います。ラグビーを始めた最初のころは、走ってトライを取るような、カッコいいポジションでした。しかし、僕自身が負けず嫌いで、泥臭いプレイが向いていると思ったんです。なので途中から、競技者同士の身体がぶつかる〝フランカー〞というポジションに変更したんです。こういった背景もあって、心肺機能は割と強い方なんですよね。

無自覚の〝脳筋〞タイプ

━━ラグビーをされていたということは、元から体格が良かった?

吉原 いえ、めちゃくちゃ細かったですよ。体重でいうと58㎏ぐらいでした。で、大学卒業のときには108㎏になっていました。

━━ほぼ倍ですね!これはフランカーになるために大きくしたのでしょうか?

吉原 そうです。基準としては「95㎏超えたら良い」と言われていたので、ものすごい気合いで増やしました(笑)。基準はクリアしたのでフランカーになれたのですが、そこからも身体を大きくしたいがために増やして。最終形態として108㎏になった感じです。大学時代は遊んだ記憶が全くなくて、トレーニングとラグビーにすべてを費やしたと言っても過言ではありませんね。筋トレして身体をデカくすることが楽しくてしょうがなかったです。
大学時代は週に14回ジムに行くことも当たり前でした。チームでトレーニングして、ラグビーの練習をして、夜に自主トレをする。こんな生活を4年間ずっとやっていたんです。筋トレに出合ってから、やればやるだけ強くなるってマインドが強くなったので。

━━インスタグラムのユーザネームもローマ字で〝脳筋〞がついていますよね(笑)。

吉原 大学時代にアカウントを開設しました。そのときにキャプテンが「お前は脳筋やから、脳筋にしよう」って言って。そのまま今も使っています(笑)。自分は普通だと思っていましたが、周りから見れば脳筋だったようです!

━━ストロングマンにシフトチェンジしてからも、同じようなエピソードはありますか?

吉原 大会出場のための練習をしていたときなんですが、限界突破して40度超えの熱を出しました。自分で制御ができないタイプなんですよね。肉離れしてもやらないと気が済まないから、ベンチプレスしていました。いつかくっつくかな、なんて。浅はかですけど、そんな考えを持つタイプです。そういったマインドや性格などのバックボーンがあるからこそ、ストロングマンという競技に適しているのかもしれません。

よしはら・えいた
1997年生まれの埼玉県出身。身長181㎝、体重94kg。高校・大学とラグビーをしており、現在はパーソナルトレーナーとして勤務。2025年階級別世界大会OSG・日本予選4位

取材・文:小笠拡子 写真提供:吉原瑛太 Web構成:中村聡美

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