フィットネス トレーニー

“70代のビキニ選手”が高校生に大反響!「どんな自分になりたい?」理想の老後から逆算する、高校生のためのフィットネス

中高年期と健康
「どんなおじいちゃん、おばあちゃんになりたいですか?」

「中高年の健康」という10代にとっては遠い将来の話を自分事へと変えた授業が、滋賀県立東大津高等学校で行われている。紹介されたのは、70代にして筋トレに励み、ビキニフィットネスへと挑戦して進化を続ける石川多津子さん。石川さんの挑戦が高校生にどう影響を与えたのか。授業を行った保健体育教諭の杉藤麻理子先生に伺った。

[初出:Woman'sSHAPE vol.31]

【写真】71歳でまだまだ進化する身体とポージングを披露する石川多津子さん

【石川多津子さん】近所の同い年の奥様に誘われて、40歳からジムに通い、 現在は、週1の水泳と週4のダンス、本格的な筋トレを継続。 2025年に70歳でビキニフィットネスデビューを果たし、1年で5大会出場。 大会ごとに進化を見せた

━━保健の授業で本誌前号の石川多津子さんの記事を取り上げられたそうですね!お二人の出会いや授業のきっかけについて教えてください。

杉藤 石川さんとは3年ほど前、地元のスポーツクラブでマスターズ水泳の練習仲間として出会いました。本誌を拝読したのがちょうど夏ごろで、2学期から担当する『中高年期と健康』という単元にぴったりだと思ったんです。この分野では、加齢による心身の変化や、高齢者の健康を支える取り組みを学びます。
以前から、80代で高校に通う方やマラソンを続ける方の資料は使っていましたが、今回はもっと身近な存在を紹介したくて。実は本校の水泳部も冬場に石川さんと同じスポーツクラブのプールをお借りして練習しており、生徒にとっても馴染みのある方なんです。「こんなに美しく、体力も気力も充実して活躍されている方がいる」という事実は、生徒の心に深く響くのではないかと考えました。

━━授業では具体的にどのようなテーマで進められたのでしょうか?

杉藤 高校2年生のクラスで、「どんなおじいちゃん、おばあちゃんになりたい?」というテーマで、理想の姿から逆算して、今何をすべきかを考えさせました。教科書の内容とつなげてお話しした後、生徒たちに感想を書いてもらったのですが、予想以上の反響でした。生徒たちは自分の親や祖父母、あるいは将来の自分自身と重ね合わせ、非常に前向きな感想を寄せてくれました。驚いたのは、その感想を石川さんにお渡ししたところ、42人全員分、一人ひとりに丁寧なお返事を書いてくださったことです。
質問や悩みを書いていた子にも、人生の先輩として温かいアドバイスをくださり、これには生徒も私も本当に感動しました。

━━生徒さんの感想で印象的だったものはありますか?

杉藤 「70代で筋肉が衰える年齢なのに、美を追求し向上させていく姿がすごい」「身体的・精神的な壁を越える姿勢がカッコいい」といった意見がありました。
男女問わず、筋トレやボディメイクへの関心が高い生徒が多くなっていて、「筋肉があったほうが太りにくい身体になる」といった知識にも敏感で、女子も「ただ細いだけでなく、程よく筋肉をつけたい」という子が増えています。男子も「腹筋を割りたい」と筋トレに意欲的です。石川さんの姿は、彼らにとってまさに理想的なロールモデルでした。

━━最後に、杉藤先生が若い世代に伝えたいメッセージをお願いします。

杉藤 身体と心の健康のためにも、生涯にわたってスポーツを楽しんでほしいですね。スポーツをすることで、学校や職場以外の新しいつながりができるなど自分の世界も広げてくれます。また、人生を豊かにしてくれます。だからどんなに忙しいときでも、日常生活の中にスポーツを取り入れてほしいです。1日5分、10分でも効果はあります。
保健という科目は、食事や運動、生活習慣病、性教育など、今後の人生に直結する分野ばかり。中高年になってから慌てるのではなく、若いうちから栄養バランスを考えたり、運動したりすることの重要性をこれからも伝えていきたいです。

70代の石川さんの新しい挑戦をする姿がかっこいい(高校生)

石川さんの挑戦が希望に!授業を終えた高校生の反応

石川さんの授業では、ネガティブな感想は一つもなく、前向きな感想や質問が寄せられました。その一部をピックアップしてご紹介。石川さんからのお返事も高校生への想いが込められています。

①時間がなくて新しいことに挑戦してこなかったけど、少しでもやってみて新しい自分に出会えるようにしたい。年をとるほど挑戦しにくくなると思っていたけど、70代の石川さんの新しい挑戦をする姿がかっこいいと思ったし、そのためにも健康の維持を心がけたい。

石川さんより

挑戦は大きなことでなくてもいいし、なにか自分の中でプチ挑戦みたいなものを見つけて、できたら自分をほめてあげてください。

②年をとっても笑顔で運動できるよう、まずは今から生活習慣を整え、健康を意識していきたい!

石川さんより

まずは25m泳げるようにと40歳で始めた水泳ですが、毎日の練習によってできなかったことができるようになるのが、うれしくてたまりませんでした。大会に出場することによってモチベーションが上がり、その結果で次への課題も見つかります。人間関係は時には悩みの種にもなりえますが、トレーニングなど継続できたのは、ジムで知り合った人達のお陰であると言えます。

③高みを目指そうと努力する姿が素晴らしい。思い立ったらすぐ行動していらっしゃるけど、何が原動力となって行動しようと思うのですか?自分は行動しても無理だと思ってなかなか行動できません。

石川さんより

若い時は、何事にも消極的で、将来時間ができたら始めたらいいと思っていましたが、自分の年齢を考えると、平均寿命まで生きたとしてもあとわずかだし、やり残したことを書き出し、とにかくやってみようと思いました。無理なことかどうかやってみないとわからないと思います。だめならまた他のことをやってみたらどうでしょう。きっと自分が楽しめるものが見つかると思います。

④継続力があって尊敬した。身体づくりを始めてケガや病気は減ったのか気になった。

石川さんより

ボディビルダーのように無理な筋トレはせず、自分の能力に見合ったトレーニングをしているので、ケガや病気も大丈夫です。40歳で始めたときは、しんどかったけど、今の方が体力がつき、元気です。

⑤健康以外でトレーニングをやっていてよかったと感じたことはありますか?

石川さんより

たくさんあって言い切れないですが、遊んでも疲れないこと。小3の孫と50m泳ぐ競争をして勝ったこと、中学生の孫(女子)と同じようなファッション(ダメージジーンズにショート丈のシャツ)ができることなど。

⑥運動はどれほど認知症予防になるのか。

石川さんより

元気なうちは健康のことなんか考えないものです。少し衰え出した時に気が付くものです。指先を動かすだけでも脳に伝わり、活性化すると思います。全身を動かすことは、認知症予防には欠かせないことだと思います。高齢者が脚を骨折し、病院に入院したとたんに認知症を発症する話をよく聞きます。運動はできなくても、ジムに歩いて通い、人と会話し、笑い、風呂に入って帰るの繰り返しでもお元気な人は大勢おられます。

その他

時間が……、恥ずかしい……、といくらでもいい訳できそうなのに逃げずに取り組んでBeautifulBodyを維持しているのがかっこよすぎる。

続けられる趣味がある大人ってかっこいい。

「自分が一番だと思って出る」という気持ちは違う場面でも思い出したい言葉だと思った。周りの環境も大切だと思った。

周りが頑張っているとこちらも頑張れる。

いろいろなことができるようになるうれしさがあると、心も健康に過ごせることに気付いた。

今まで自分が持っていた先入観をいい意味で壊してくれました。

年齢関係なく、やると決めたら挑戦することが大切だと実感した。

次ページ:71歳でまだまだ進化する身体とポージングを披露する石川多津子さん

取材・文:Womanʼs SHAPE編集部 撮影:岡暁、上村倫代 写真提供:杉藤麻理子、石川多津子 Web構成:中村聡美

-フィットネス, トレーニー
-,

次のページへ >

おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手