ホームジムで鍛えて日本一!パワーリフティング59㎏級・蛯原孝晴~筋トレは家でも成立する~

ここ最近の「筋トレブーム」によってフィットネスクラブも増加し、24 時間営業のジムも増えてきたが、それでも都市部以外では、通える範囲にジムがあるという人のほうが少ない。家の近くにジムがあっても、仕事と営業時間が重なっていたりなど、ジムに通えないという人も多い。そして、昨年から大流行の脅威を奮う「新型コロナウイルス」により、ジムに行くのを避けざるを得ない状況の人もいるのでは?ならば自宅にトレーニングできる器具をそろえて「ホームジム」を作るのはいかがだろうか? 今回は、ノーギアパワーリフティング59㎏級トータル日本記録保持者、蛯原孝晴選手をご紹介。「ホームジム」で日本チャンピオンになった選手として知られており、自宅の庭の6 畳のプレハブにこだわりの器具を凝縮している。ホームトレーニー必見の大特集、ぜひご覧あれ。

取材・文:藤本かずまさ

庭のプレハブが練習場

大学卒業後に地元の消防署に就職したんですが、その当時は実家の小屋にコンパネを張って、そこにベンチ台を置いてベンチプレスとロープ登りをやっていました。そのころはまだパワーリフティングという競技の存在を知らず、あくまで消防のためにトレーニングをしていたんです。パワーリフティングを始めるようになったのは、9年ほど前に自宅近くのジムに入会して、そのジムのトレーナーに大会に出ることを進められたのがキッカケです。
子どもが生まれてからは、子どもが寝ている間にジムに行くようにしていました。でも、子どもが起きてしまったり、世話で嫁さんを家に1人で残してきたりと、ジムに行きづらくなったんです。また、勤務明けの日がジムの休館日と重なると、その日はトレーニングができない。子どものためにも自宅にいる時間を増やしたかったので、嫁さんに相談して、ホームジムを作ることにしました。
僕は消防隊員なので、トレーニングはこれからもずっと続けていきます。嫁さんには、最初はお金がかかるけれど、ジムの会費を払い続けることを考えたら自宅にジムを作ったほうが経済的だからと説明しました。
ジムをやめてからしばらくの間、ベンチプレスは実家の小屋、スクワットとデッドリフトは車庫でやっていたんですが、プレートを運ぶ煩わしさもあったので、ホームセンターで購入したプレハブを自宅の庭に建てて、そこに器具をまとめて置くようにしました。

自宅の庭の6 畳のプレハブジム。プレハブ設置にかかった費用は、本体と設置料金込みで40万円弱。器具も入れると80 万円くらいかかった。パワーラックの高さがギリギリだったため、天井の高さを少し上げている

このホームジムが完成したのは2年前です。広さは6畳あります。床は3センチのコンパネの上にカーペットを敷いて、下にはショック吸収用のマットを2枚敷いています。さらに床下にジャッキを当てて強度を強くしています。重たいものは端に設置して、もっとも床の強度が高い場所にデッドリフトを置くようにしました。
器具はネットオークションや個人売買などを活用して、少しずつ揃えていきました。嫁さんが「後で買い替えることになるよりも、ずっと使い続けられるもののほうがいいんじゃない?」って言ってくれたので、丈夫なものを選ぶようにしました。
スクワットラックは、強度が高くて懸垂ができるタフスタッフのラックを選びました。これはシャフトとプレートもついたセットを個人の方から格安で購入できました。
ベンチ台は児玉大紀さんのイベントに行ったときに、公式台の規格で作られた『児玉スペシャル』がたまたま安く売られていたんです。嫁さんにこの値段で買えるのは今日だけだから、と頼み込んで購入しました(苦笑)。
体との唯一の接点となるシャフトのセレクトは妥協しませんでした。世界大会出場が決まったので、世界大会仕様のものを購入しようと思い、知り合いのパワーリフティング関係者にお願いして、世界大会仕様のシャフトをスウェーデンから輸入してもらいました。
プレートは、重量誤差が少ない信頼できるメーカーのものを選んでいます。実際の重量よりも重たかったらトクをしますが、軽かった場合、試合で痛い目に遭うのは自分ですから、やはり器具は競技と同じ仕様のものを使いたいです。「規格に合ったものを選びながら、そのなかで価格を抑える」という考え方です。
仕事のシフトは1日置きに24時間勤務になります。トレーニングは、朝5時に起床して、勤務の前にやっています。丸1日の勤務が終わって自宅に戻ったら、また午前中にトレーニングをします。ですので、ほぼ毎日トレーニングはやっていますね。


蛯原孝晴(えびはら・たかはる)
1980年7月12日生まれ。茨城県取手市出身。身長164cm、体重61kg。
パワーリフティング歴14年。柔道3段。柔道は中学から開始し、大学まで続けたが両膝の故障で断念。消防隊員としての体力作りのためにウエイトトレーニングを続ける中でパワーリフティング競技に出会う。ノーギア全日本59㎏級で4連覇。


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

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