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【天下一品の背中製造法】トップ選手のトレーニング法とは?日本一の背中を持つ“末恐ろしい須江”にミライモンスターが迫った!

筋肉を鍛えたいと考え、真っ先に思い浮かぶ部位は大胸筋や腕であろう。それは、人と会ったときにすごく印象に残るし、夏に太く逞しい腕と分厚い大胸筋がパンパンに張っていたら、それはカッコイイことだろう。しかし、大きな逆三角形を作る背中の筋肉には目を背けがちなトレーニング初心者や、中級者はいるのでは? 今回は、学生時代から“羽ばたく背中”を持ち、大きな上腕と誰よりも広がった背中で日本のボディビル界を席巻した“伝説”須江正尋選手の、圧倒的な背中を作るトレーニングの秘密に、“ミライモンスター”として、日本ボディビル界の若きエース・相澤隼人選手が迫る! 皆さんも、ここで紹介するトレーニング法を参考にして、デカい背中を作ろう!

取材・文・写真:月刊ボディビルディング編集部

“伝説”須江正尋選手(左)と“ミライモンスター”相澤隼人選手(右)

デカい背中はこうして作られる➀ 鍛錬シーテッドロウイング

狙う部位 :広背筋中部、下部

第1種目は、シーテッドロウイング。鍛錬というメーカーのマシンを使用していて、軌道が直線ではなく円で引いてくる。まずはツーハンズでフルスタックまで重量を上げる。須江選手は、ネガティブ動作では肘を曲げたままストレッチをかけていく

須江選手のトレーニングを行っているジムにあるマシンは、全て鍛錬というメーカーのマシンであった。この日の第一種目であるシーテッドロウイングは、通常のロウイングとは少し軌道が異なり、直線的でなく円軌道で対象筋が収縮するマシンであった。また、須江選手の背中の種目では、腕の曲げ伸ばしは行わない。体幹と肘の距離を近づける、また離すことにより広背筋を鍛えていく。
まずアップの段階では、ツーハンズで行う。フルスタックになったらワンハンドに切り替え、徐々に重さを上げて行き、最終的にはフルスタックをワンハンドで行う。スタートポジションを作る際、先に広背筋にテンションをかけながらポジションを作るため、腕相撲の体制をとり、それをキープしたままスタートポジションにつく。広背筋を収縮させる時は肩甲骨をしっかりと下げるため胸椎を伸展させ、再び体幹から肘を遠ざけるようにしていく。
ワンハンドで行うことにより側屈が可能になるため非常に感覚が掴みやすかった。また、引けなくなったところからは、もう片方の腕で補助を行い、引けなくなるまで徹底的に追い込むことが必要である。

 

デカい背中はこうして作られる② ラットプルダウン(ベントラットバー)

狙う部位:広背筋、上部中部

第2種目はベントラットバーを使ったプルダウン。スタートポジションから胸椎を伸展させ、その状態をキープしてバーを引いてくる。反動はなるべく使わない。相澤選手は、フィニッシュでの胸椎の伸展が甘い

第二種目は、ベントラットバーを使用したラットプルダウンである。ラットプルダウンを使用したトレーニングは4パターン行い、後半になるにつれて広背筋下部へと移行していく。ここでは、主に広背筋の上部から中部にかけてメインに鍛えていく。
ロウイング同様、肘の曲げ伸ばしは必要としない。サムレスグリップでバーを握り、足は拇指球で踏ん張る。胸椎を伸展させた状態がスタートポジションであり、なるべくその状態をキープしながら動作を行う。つまり、身体を振るようなチーティングは使用しないということになる。胸椎を伸展させているので目線も上を向き、肘を肩甲骨の下の方へと近づける。負荷が抜けない範囲で動作を行うのがポイントである。

動作は極力肘の曲げ伸ばしを行わずに、肘を肩甲骨の下の方へ引きつけるようにする

デカい背中はこうして作られる③ ラットプルダウン(パラレルバー) 

狙う部位:広背筋中部、下部

須江選手オリジナルといえるプルダウン。ロープを上腕に引っ掛けて行うことにより、腕の関与がかなり減る

ラットプルダウンの2パターン目は、パラレルグリップを使用したラットプルダウンである。基本的な動作のポイントは同じであるが、ここではクレーン用のバンドで腕を固定して動作を行う。
肘にバンドを引っ掛け、腕で引くというよりは完全に肘から動かす動作となる。肘が伸びない分可動域は狭くなるが、背中を使える範囲での動作が可能になる。この種目では、第二種目のラットプルダウンよりも少し倒した状態で行い、身体を前後に振らず、倒したままで固定して動かすのがポイントである。

パラレルバーでのプルダウンでは、クレーン用のロープを上腕に引っ掛けて行う

次回、来週木曜日は!▶デカい背中はこうして作られる④~⑥ お楽しみに!


須江正尋(すえ・まさひろ)1967年2月27日生まれ、埼玉県出身。身長161cm体重70㎏(オン)77kg(オフ)
学生選手権で2連覇を果たしてから現在まで、その象徴的な背中で“伝説”とまで称される日本屈指のボディビルダー。
主な戦績:
1988・1989年 全日本学生ボディビル選手権優勝
1993年 選抜70㎏級優勝
2006年 日本クラス別選手権75㎏級優勝
2008・2009年 日本選手権2位


相澤隼人(あいざわ・はやと)1999年10月21日生まれ、神奈川県相模原市出身。身長164㎝、体重75㎏(オン)85㎏(オフ)
トレーニングを先にしていた双子の兄の影響から12歳でトレーニングをはじめ、非常に向上心があり、勉強熱心な性格と成長期が重なったこともあり、すさまじいスピードで成長が進行している若手No.1選手。若手と言いながらも、ボディビル歴8年というから驚きだ。2021年日本選手権優勝の快挙達成。
主な戦績:
2015~2017年 全国高校生選手権優勝
2017年 日本ジュニア選手権優勝 世界ジュニア選手権75㎏級5位
2018年 全日本学生選手権優勝
2019年 東京選手権優勝 日本クラス別選手権70㎏級4位 全日本学生選手権優勝 日本選手権9位


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