自然療法「ナチュロパシー」を実践するインドの医師・シルパ先生が、心と身体の悩みに優しく寄り添う。ヨガや食事など自然の力を取り入れて、健康的な生活を送る一方で、お酒やスイーツも大好きで、友人と集まる際にはアルコール度数の高いお酒を楽しむシルパ先生。家族や友人との集まりが欠かせないインド文化の中で、シルパ先生が健康で幸福な身体と心を維持する理由を探ると、「自己規律があるかないか」が健康を左右することが分かってきた。
ナチュロパシー(自然療法)とは
自然治癒を重視した、インドで正式に認められる伝統医学。古代インドで発展したアーユルヴェーダに対して、ナチュロパシーは19〜20世紀にアメリカやヨーロッパで発展した。栄養、ハーブ、断食、鍼、水療法などを使って、薬を使わず身体が自ら治癒する環境を整える
健康を左右する自己規律
シルパ先生が健康的な生活を維持できる理由は「自己規律」にある。インドでは家族や友人と多くの時間を過ごし、協力して生活することが多いため、集団生活の中でも自分をコントロールする力が重要になる。シルパ先生も、友人と楽しく、時にはお酒を飲んだりお菓子を食べたり過ごしながらも、常に自分のコンディションを確認し、体調の限界を超えないよう心がけている。
悪酔いの原因
お酒を飲んで相手にイライラしたり、泣いたりするのは、心身の調子が整っていないサイン。不健康から抜け出すためには、自分の中の問題を解決すること。健康な心と身体は、自分で自分をコントロールする努力によって得られる。自分の内側を見つめて、シルパ先生のような自己管理ができるようになれば、飲み過ぎによる失敗を防ぎ、健やかにお酒を楽しめるようになるだろう。
シルパ先生のお酒の付き合い方
「お酒を飲んでも、翌朝は飲んだメンバー全員でヨガをして、デトックスジュースを飲んで、元気に一日を始めます。よく飲むメンバーはみんな医者だから、みんなでそのまま病院に行くのだけど、みんな何事もなかったかのように元気なんです(笑)」
身体の声に従い、「今」の自己管理を徹底することで、健康を維持している。
翌日に残さないお酒の飲み方
- 飲み会前にしっかり水分補給し、空腹を避けましょう
- 高品質なお酒を選び、割る際は炭酸飲料を避け、常温水や温水で割るのがおすすめ
- おつまみは消化に優しい野菜や果物など、なるべく柔らかいものを選びましょう
二日酔いにおすすめのヨガのポーズ
パワンムクタアーサナ(ガス抜きのポーズ)
仰向けになり膝を抱える
ヴァジュラサナ(サンダーボルトのポーズ)
正座する
連載「インド医師が教えるナチュロパシー」
インドのヨガ修行で出会ったナチュロパシー医師・シルパ。大都市から少し外れた村にある彼女の自宅では農園を有し、多種多様な野菜やハーブ、果物を栽培する。毎朝、ヨガを学びに近所の住人が集まり、植物と共に人と動物が豊かに暮らしている。自然に囲まれながらもお肉やスウィーツ、お酒とも上手に付き合っている。自然と共に、楽しく生きる彼女が伝える「健康」をお届けしよう
監修 Dr.シルパ。SDM(Sri dharmasthala manjunatheshwara)大学にてNaturopathy(自然療法)とYogic sciences(ヨガの科学)を研究しBNYS(Bachelor of Naturopathy & Yogic Sciences)の学士号(医師資格)を取得。インドでNaturopathyは正式に認められた医学の一つ。
「身体に不調・障害のある方々のために、ヨガや自然療法がより身近になるようサポートしていきたいです」
取材・文:松本実奈美