「最初はSNSでの“立派な二の腕w”ってコメントがきっかけでした」
オーナーバーテンダーとして働きながらトレーニングを続ける小栗絵里加(おぐり・えりか/40)さん。『ベストボディ・ジャパン』をきっかけにフィットネス競技の世界に飛び込み、『サマースタイルアワード』ではベティプロ部門のプロ選手として活躍している。身長145cmという小柄な体格ながら、引き締まったその身体の存在感はひときわ大きい。夜型の仕事をこなしながらも身体を変え、コンテストでも結果を出すその姿は、ジム迷子になっていた過去の自分を救い出した証でもある。
【写真】小栗絵里加さんの引き締まった身体と丸く引き上がったお尻
「コロナ禍前、仕事で海外を訪れる機会が続いたことで、ついつい食が進み、気づけば体重が増えていました。お客様が撮ってくれた写真がSNSに上がってたんですけど、コメント欄に『立派な二の腕w』って書かれてて……。正直笑えなかったです」
そこからダイエット目的でジムに通い始めたものの、最初は何をすればいいか分からない状態。入会しては退会を繰り返す、いわゆるジム迷子だった。SNSでのコメントが頭から離れなかったが、効果を出せるトレーニング方法がわからず悩んでいた。大きな転機となったのが、パーソナルトレーニングとの出会い。
「自分一人のトレーニングではなかなか続かなかったし、効果も出なかったです。なのでパーソナルトレーニングに申し込んで、とにかく最初はトレーナーさんの言うことを素直にやってました。お尻のトレーニングでは、ゴムバンドでネチネチ回数を重ねる系のトレーニングから、中重量〜高重量のヒップリフトやスクワットまで、とにかくやれと言われたことをやるって感じでした。すると3カ月くらいでお尻とハムの境目がきゅっとしてきて、レギンスやスキニーが楽しく履けるようになりました。ずっと四角い形をした、いわゆる『ピーマン尻』がコンプレックスだったのですごくうれしかったです。お尻って下部・上部・サイドと部位によって狙う筋肉が違うんですよね。今は知識も増えてトレーニングが楽しくなっています」
小栗さんの職業はバーテンダーということで、勤務は夜中まで続く。トレーニング時間やアルコールとはどのように付き合っていたのだろうか?
「朝しっかりご飯を食べて、仕事前にトレーニング。夜は深夜1時に食べたらすぐ寝てしまうので、軽めのスープカレーやサラダ、お鍋にしています。減量期間中のアルコールは蒸留酒を飲むようにしていました。個人差はあると思いますが、私は醸造酒よりも蒸留酒のほうがお腹が膨れにくく、糖質も少ないので選んでいます。量は飲んでも3杯までと決めていますが、コンテストの1〜2週間前だけは禁酒しています!」
また、遺伝子検査の結果から「魚の脂質で絞りやすい体質」と判明したため、朝食には必ず銀鮭を食べているという。減量期間中の定番食材は、脂肪燃焼効果を狙う黒にんにくと焼き梅干し。生姜パウダーや良質な油分を摂るためにMCTオイル入りコーヒーも必須だ。
「脂肪燃焼効果もありますし、なにより元気が出る。昔は脂質を徹底的にカットしてましたが、ボディメイクの知識が増えて、今は良質な油は摂るべきって考え方に変わりました。もちろんタンパク質、脂質、炭水化物のバランスも大事にしています」
「最初は何をしていいか分からずに、いろんなジムに入会しては退会を繰り返していました。でも、パーソナルトレーニングをして、正しいトレーニングのやり方や食事バランスを知ることで、一気に世界が変わったんです。トレーニングって、『やらなきゃ』じゃなくて、『知ったら楽しくなるもの』。バーテンダーというお酒を扱う仕事をしていても、自分の身体をどう扱えばいいのかがわかってくると、結果は出るしボディメイクも楽しくなってきます。今では『もっとやりたい!もっと変わりたい!』って気持ちです」
今は、まだ見ぬ自分に出会えることが楽しみで日々のトレーニングを続けているという。自分の身体に向き合い生活スタイルに合わせることで、身体や気持ちが変わることを教えてくれる。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
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取材:柳瀬康宏 撮影:小栗絵里加
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