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その重量、意味ありますか?筋トレ初心者が陥りがちな“重量信仰”【筋トレ初心者よくある落とし穴❷】

「もっと重いウエイトを挙げたい!」━その気持ち、わかります。でもちょっと待って。初心者が最初に身につけるべきは、ウエイトよりも“姿勢と動作の質”。本当に効かせるためのフォーム習得の極意をボディビル元世界チャンピオンの鈴木雅さんとAthleteBody所属ボディビルコーチの本橋直人さんが解説します!

筋トレ初心者の落とし穴②

正確なフォームを習得せずに重量を追い求める

多少フォームが悪くなることを許容して重量を扱おうとしてはいないだろうか。重量を挙げることは確かに一つのモチベーションにはなる。しかしどうせなら、トレーニング効果が得られるフォームでそうした方が良いだろう。

「フォームが崩れたり、犠牲になったりしないようにトレーニングすることが大切です。可動域が狭くなってしまうのもエラー動作の一例と言えますね」(本橋)

スクワットやプレス系種目を例にするならば、筋肉をしっかりと伸ばして収縮させることが大事だ。しかし、重量を意識するあまりに可動域が狭くなってしまうと、筋肉を伸長する範囲も同時に狭くなってしまう。これでは、筋肉に対するトレーニング効果を最大限に得ることは難しいだろう。


また、初心者が重量を意識しすぎると、正しいトレーニングフォームの習得が難しくなってしまうというデメリットもある。

「正しいフォームをまずは覚えた上で、その中で重量を追い求めていくというのが、正しいアプローチ法だと言えるでしょう」(本橋)

それでは、重量を扱っていくために最初に身につけないといけない正しいフォームとはどういうものなのだろうか。

「まずは動作に入る前の構えの姿勢が大事です。それから可動範囲をしっかり確保した上で、ウエイトをコントロールできることが必要な条件となります」(鈴木)

やはり最優先事項としてフォームの確立があり、その次の段階として重量を追い求めていくことが出てくるのだろう。
しかしそうは言っても、やはり重量を扱うことには魅力がある。トップ選手のトレーニング重量に憧れてトレーニングを行う初心者もきっと多いはずだ。

「重量を下げられなくなる傾向は、減量中のボディビルダーに多いですが、初心者も同じだと思います。その場合は思い切って、『どうせ伸びていないならトレーニング内容を変えてしまおう』くらいの気持ちになってみても良いかもしれません」(鈴木)

無闇に重量を扱うことは怪我にもつながるため、そうなる前に自分のトレーニングを見直すきっかけが作れると良いだろう。
自分だけでトレーニングを変えることが難しい場合は、トレーナーの意見を聞くことも有用だ。

「指導では、まずは理屈的なところを説明することが多いです。可動域を広くすることのメリットなどですね。こうして納得してもらうことに加え、実際に動作してもらって一定の快感を得てもらうようにすると、行動変容を引き出しやすいと感じています」(本橋)

回避法!

姿勢やフォームの確立を最優先事項にする

すずき・まさし
1980年12月4日生まれ。福島県出身。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2010~2019年日本選手権9連覇。2016年IFBB世界選手権ボディビル80kg以下級優勝。現在トレーナーとしては主にアスリートやボディビル競技者のトレーニング、栄養指導にあたる。他にもアスレティックトレーナーや理学療法士に対して身体の原理原則をいかにトレーニングに落とし込むかといった指導にも携わる。

もとはし・なおと
1982年11月1日生まれ。埼玉県出身。AthleteBody.jpで活動中のパーソナルトレーナー。トレーナー歴17年であり、ここ10年は体組成改善に専門で取り組む。特にここ5年はボディビルやフィジークといった競技者のクライアントを多く指導している。久野圭一選手や昨年の日本クラス別で活躍した藤井貫太郎選手も指導を受け、指導前後の変貌振りがSNSで話題となった。

取材・文:舟橋位於 撮影:北岡一浩、舟橋賢、中島康介 Web構成:中村聡美

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佐藤奈々子選手
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