「365日飲酒していた自分が、今は体脂肪率6%(※)のビキニモデルとしてステージに立っています」。
そう語るのは、サマースタイルアワードのビキニモデル部門で活躍する渡邉貴美(わたなべ・きみ/48)さんだ。金融系企業に勤める会社員として多忙な日々を過ごしていた中、ふと気づけばお尻の形が変わり、心身の不調が重なるように。身体だけでなく、心も強くなりたいと決意し、5年前に本格的なボディメイクをスタートした。
【写真】「脱げる呑兵衛」こと渡邉貴美さんのメリハリが美しいビキニ姿
毎日のように飲酒していた時代からの大変革
ボディメイクを始める前は体重49.9kg、体脂肪率27.2%(※)だった身体が、現在は大会出場時で43kg・体脂肪率6%(※)へと大変貌。渡邉さんは、見た目の変化以上に「考え方と生き方そのものが変わった」と語る。
(※体脂肪率は市販の体組成計によるもの)
まず大きく変えたのが生活習慣。通勤電車をやめ、雨の日もカッパを着て自転車移動を貫くように。遠方への移動でも「運動のチャンス」と捉え、時間制限がない場合は徒歩やシェアサイクルを積極的に取り入れることで、自然と日常がアクティブになった。
また、食事の内容も大きく改善。毎日のように飲んでいたお酒に休肝日を設けるようになり、外食中心の生活から自炊へとシフトし、PFCを記録する癖がついた。
「自炊においては、脂質や糖質の内容にも配慮するようになりました。MCTオイルなどの良質な脂を摂るようにし、白砂糖や人工甘味料の代わりに麹やハチミツを活用。減量において糖質制限は本当の最終手段です。GI値にこだわってジャスミン米やバゲットなどを取るようにしています」
ボディメイクを通じて広がる、交流の輪
トレーニング面では、ギックリ腰を経験したことを機に解剖学の学習を始め、パーソナルトレーナーの資格である『NSCA-CPT』の資格を取得。自身の身体のクセや可動域を理解したうえで、ウォーミングアップから丁寧に取り組むようになった。
減量期は朝に有酸素運動、夜に筋トレを行い、週5〜6日の頻度で継続。「筋トレがしたいから早起きする」という生活スタイルは、仕事への集中力やタイムマネジメントにも好影響を与えているという。
ボディメイクを始めてからヒップは丸く引き締まり、背中や肩に厚みが出てきた。ボディメイクを通じて異業種・他世代との交流も広がり、「今では格闘技やスポーツなど、幅広い分野への興味も深まっている」と話す。
仕事環境や年齢といった“変えにくい条件”の中でも、飲酒習慣や通勤手段などの選択を変えることで、身体を進化させてきた渡邉さん。このビフォーアフターは、「自分の選択によって、身体は変えられる」という希望そのものだ。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
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取材・文:小笠拡子 写真提供:渡邉貴美 大会写真:夏目英明
執筆者:小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門で、毎月コツコツ筋肉鑑賞貯金をしている。
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