自分の体型を変えたい、健康診断に引っかかって……。筋トレを始める動機は十人十色だろう。
石川拓也(いしかわ・たくや/34)さんの場合は、「モテたい」というシンプルな動機から始まった。
180cmの長身、細身の体型で、かつては“モヤシ”と呼ばれていた石川さん。特にお腹まわりにだけ脂肪がついていたことで、「だらしない」と言われたこともあったという。
そんなコンプレックスを払拭しようと、石川さんは4年前から本格的にボディメイクに取り組み始めた。コツコと積み重ねた結果、筋肉質で引き締まった身体を手に入れる。ボディコンテスト・サマースタイルアワードのステージに立ち、輝く存在へと変貌を遂げている。
【写真】石川拓也さんのスタイリッシュ&バキバキボディ(before写真あり)
まずは1週間だけでもやってみる
変化のカギとなったのは、「努力を習慣に変える」という考え方だった。
「努力だと思ってやると続かない。まずは1週間だけでも健康的な習慣を実践してみることで、生活全体が自然と変わっていきました」。こうしてトレーニングや食事の見直しだけでなく、資格取得に向けた勉強時間も確保できるようになるなど、好循環が生まれた。
生活習慣の中で最も大きな変化は「早寝早起き」だと話す石川さん。以前は夜型の生活だったが、朝ジムに行く習慣を身につけることで、1日のスタートを有意義に切れるようになった。筋肉によくない食事も避けるようになり、外食時には脂質量を常にチェックするなど、身体づくりへの意識は高まった。
「普段の食事も、身体作りのために1日の食事回数を4〜5回に増やしました。そしてラストの食事はなるべく早い時間に済ませるように。こうした食生活の改善は、代謝や筋肉のコンディションにも良い影響を与えていると思います」
トレーニングは高重量ベースの追い込みスタイルで
トレーニングはまさに“量こそ質”を実践するスタイル。1日に2回トレーニングを行うダブルスプリットをしていた時期もあるそうで、多いときには週14回もジムに通っていた。
「高重量をベースに、とにかく追い込みました。すると、それぞれの種目のフォームや効かせ方のクオリティが自然と向上しました。量をやった先に質がついてくると思います」と、石川さんは語る。
コンプレックスを抱いていたときは、自分の身体を鏡で見ることを避けていた。しかし今では、日々のコンディションを確認するのが習慣に。身体の変化をポジティブに捉えられるようになり、「自分の身体に自信がついた」と石川さん。周囲からも「明るくなった」と言われるようになったそうだ。
筋トレはただの努力ではなく、習慣の延長線上にあるもの。そう語る石川さんの姿勢は、これから身体を変えようとする多くの人にとって、大きなヒントになるだろう。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
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取材・文:小笠拡子 写真提供:石川拓也(Instagram:taku11fitness) 大会写真:夏目英明
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門で、毎月コツコツ筋肉鑑賞貯金をしている。
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