2025年5月31日、神奈川・カルッツかわさきで開催された、40歳以上の“筋肉の祭典”『マスターズカップ2025 produced by SUMMER STYLE AWARD×MUSCLE GATE』。初心者も出場しやすいボディコンテストとして人気を誇る『SUMMER STYLE AWARD(サマスタ)』と『MUSCLE GATE(マッスルゲート)』の初タッグとなったこの大会には、各世代の強く、美しく鍛え上げた大人たちが集結し、見応えあるステージが繰り広げられた。
男子部門のうち「スポーツモデル50歳以上の部」で優勝、「スタイリッシュガイ50歳以上の部」でも2位と、2冠に迫る活躍を見せたのが、本間慎一(ほんま・しんいち/57)さんだ。
「今回は今シーズン初戦。まだ先は長く、削り過ぎると回復が間に合わないので、有酸素運動は入れずに食事とトレーニングで調整しました。仕上がりはまだまだですが、結果を残せていいスタートが切れたと思います」
ボディコンテスト歴は10年。2021年、サマスタに50歳以上の「グランドジェネレーション」クラスが新設された際には、スポーツモデル部門で初代チャンピオンを戴冠するなど、着々と成果をあげてきた。
「始めたばかりのころは、分からないことだらけで、とにかく食べて身体を大きくしていったんですが、減量すると逆に削れ過ぎて小さくなってしまって……。そこから自分に合った減量幅を探りながら、8kg、7kg、6kgと減らしてきました」
現在は時計修理専門会社を経営しながら、仕事前の午前中にトレーニング時間をしっかり確保。食事も買い物から調理、片付けまで自分でこなす。
「奥さんに作ってもらっても、結局『これも、それも食べられない』と言うことになって悪いので(苦笑)。食材もシーズンに合わせて、増量用・減量用と細かく管理して決めています。もともと計画を立てて実行するのが好きなので、それもトレーニングの楽しみのひとつですね」
トレーニング継続のカギは「環境を整えること」と語る本間さん。自宅周辺にはパーソナルジムやボディケアの施設もあり、“トレーニングありき”の生活を完全に自分で構築している。
昨年は初孫も誕生し、家族との時間も大切にしながら挑戦を続けている。2024年12月の『サマースタイルアワード決勝大会』では、ビキニパンツ姿でお孫さんを優しく抱く一幕も。
「この年齢でビキニパンツ一丁で舞台に立つなんて、なかなかできない経験ですよね。その姿を孫が作文のネタにしてくれるくらいまで頑張ろうかと思っています(笑)」
現在のモチベーションは、あえて「この一戦が最後だ」と覚悟を決め、達成しがいのある目標に挑むこと。
「サマスタのスポーツモデルというカテゴリーは、マスターズのプロ選手が出てくるので、その方たちと戦って、いつか倒したい。高い壁ですが、僕には失うものが何もないし、負けて当たり前。だからこそ挑戦したいし、それをどう実現するかを長期的に考えています」
最後に改めて「筋トレのメリット」を問うと、即答だった。
「全部ですね。考え方もポジティブに変わりましたし、気持ちの切り替えもできるからストレスもない。何より、“今が一番いい身体”と言えること自体がすごいこと。その意味でも、筋肉は自分にとって資産であり、財産だと思っています」
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材・文:藤村幸代 撮影:中島康介