身長149cmと小柄ながらも、「ステージをモデル気分で歩けるのがうれしい」と語るのは、小川佳子(おがわ・よしこ/50)さん。
6月29日に開催された、ベストボディジャパン主催『マッスルモデル・フィットネスモデル2025』の「フィットネスモデル部門・ウーマンズクラス(50歳以上)」に出場し、見事グランプリを獲得した。
トレーニングを始めたのは40代後半。長年続けているバドミントン競技での膝や肘の故障、疲労感、そして体型の崩れが気になり始めたころ。「このままではいけない、自分の身体を変えたい」との思いから、筋トレという新たな挑戦がスタートした。
身体づくりの8割は食事
ボディメイクの土台として大切にしているのは、食事と睡眠。「身体づくりの8割は食事」と語る小川さんは、食生活の乱れや睡眠不足がトレーニングの効果にも大きく影響すると実感している。
「過去には揚げ物やアルコールの取りすぎによって、翌日に体調を崩した経験もあります。栄養バランスを意識した食事と十分な睡眠を取ることで、ボディラインにも変化が現れました」
食事と睡眠を整えた上でトレーニングをすると、効果はてきめんだったそうだ。身体の変化について尋ねると、「特に脚が引き締まりました」と小川さんは声を弾ませる。以前は、長めのTシャツやチュニックで下半身を隠していたが、今では「見せたい」と思えるようになり、デニムも自信を持って着こなせるようになったという。
洗面所がホームジム
現在は、週に一度パーソナルジムと24時間ジムの2カ所に通い、さらに毎日の自宅トレーニングも欠かさない。特に印象的なのは、お風呂上がりのルーティン。シートマスクをつけている10分間を有効活用し、洗面所でダンベルを使ったトレーニングを行っている。
ダンベルは、土台3.5㎏にネジで重りを追加できる可変式のものを愛用。サイドレイズやベントオーバーロウイング、ワンハンドロウイングなど、その日の体調や目的に応じて種目と重さを調整しながら取り組んでいるという。
「人様にはお見せできない姿なんですけど(笑)。自宅トレーニングのための時間を設けることは難しくても、パックをしている間にやると決めていれば続けられます。お肌も潤い、身体も鍛えられて一石二鳥ですね」
身長が低くても、ボディコンテストは挑戦できる
13歳で身長が伸びなくなった小川さんは、コンプレックスから人生に消極的になっていた時期もあるという。トレーナーに勧められたコンテスト出場も、「この身長では……」と、最初は全く考えなかった。
しかし、「背が低いほうが、身体のメリハリをつけやすい」というトレーナーの言葉に背中を押され、昨年初めてボディコンテストに挑戦。「今はこの身長も自分の個性として、愛せるようになりました」と、笑顔を見せる。
小川さんが抱くこれからの目標は、かっこよく歩けるようになること。そのためにウォーキング教室にも通い始めたそうだ。「年齢を重ねても背筋を伸ばして、若々しく歩けるおばあちゃんになりたいんです」と語るその姿は、フィットネスの舞台だけでなく、人生そのものを前向きに歩んでいるようだった。
取材・文:小笠拡子 大会写真:岡 暁
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門で、毎月コツコツ筋肉鑑賞貯金をしている。
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