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怪物・扇谷開登の“腕周り50㎝越え”の豪腕はこうして作られた【解説!扇谷開登の超高密度トレーニング】

昨年の日本選手権で圧巻のバルクを披露し、ボディビル界に衝撃を与えた扇谷開登。特に上腕囲50㎝を上回る巨大な腕は、アウトラインにスケール感と重量感をもたらすストロングポイントとなっている。
今回は、圧倒的サイズを誇る扇谷開登の腕のトレーニングを紹介しよう。

文と写真/吉田真人 大会写真/中島康介 Web構成/中村聡美

2024年日本男子ボディビル選手権4位
扇谷開登

扇谷開登が考えるボディビルにおける腕

ボディビルにおいては、どのポーズをとっても腕は見られます。太さだけでなく、形も大事です。山のように盛り上がる二頭筋、そして突き出すような幅と形のある三頭筋は、迫力を出し、他の選手と違いを出せる部位だと思います。

扇谷開登が目指す腕

僕の目指しているのは、美しい腕ではなく、迫力のある腕です。太くて、ストリエーションがバチバチに入った密度感のある、ゴツくて岩のような、えげつない腕を目指しています。

腕のトレーニングメニュー

最近「扇谷式」と呼ばれているが、扇谷開登のトレーニングを理論的に組み立てているのは、トレーニングパートナーの美濃川大だ。美濃川のトレーニング理論は、元東京大学教授で自身二度の日本選手権王座に輝いた故石井直方氏のトレーニング理論をベースとしており、「筋肉は楽には発達しない。筋肉を完全に疲弊させることが大切」ということから、「何時間もトレーニングしたくないから、短時間で最大限の効果を出そう!」と考えて生まれたトレーニング方法だ。

①スタンディング・EZバーカール
75㎏×20回→65㎏×15回→インクラインダンベルカール16㎏×10回→徒手抵抗×10回×3セット

②ライイング・トライセップス・エクステンション
70㎏×15回→60㎏×20回(最後はナロウプレスとの組み合わせ)→シーテッド・ダンベルフレンチプレス40㎏×10回×3セット

腕のトレーニング解説

①―①スタンディング・EZバーカール

狙い
上腕二頭筋、収縮を狙う

構えと動作
スタンスは腰幅くらいであごを引き、手のひらの真ん中でバーを握って構えます。手首をストレートに立てた状態のまま肘を曲げていき、二頭筋をつぶしていくイメージです。

最初に75㎏をストリクトで10回、そして最小限の反動で5回、さらに反動を大きくして5回反復して追い込んでいきます。この時に上体を後方に反るような無理な反動を使うと、腰を痛めてしまうので、それは絶対にやりません。

その後、重量を65㎏に下げ、動作を止めずに動かし続けます。そうすると、かなり痛みが溜まってきますので、「これ以上無理」、というところまで追い込みます。

ポイント肘を曲げ切ったところで、二頭筋をギュッと強く収縮させるのがポイントです。

①―①スタンディング・EZバーカール
75kg×20回→65kg×15回
75㎏をストリクトで10回行い、続いて最小限の反動を使って5回、さらに反動を大きく使って5回、合計20回行う。その後、65㎏に重量を落としてもう「これ以上は無理!」というところまで追い込む

①―②インクライン・ダンベルカール

狙い
上腕二頭筋、ストレッチを狙う

構えと動作
スタンディングカールの時と同じように、手のひらの真ん中でバーを握ります。1秒くらいで上がる重量を使い、ネガティブで3秒耐えながら下ろして二頭筋をしっかりストレッチし、負荷が抜けないところで切り返して上げていきます。加圧のように圧力が高まって、血流が阻害されている状態を維持するイメージです。反復できなくなったら、ダンベルなしの状態で徒手抵抗をかけ、さらに限界まで追い込みます。

ポイント
ダンベルを持っている時は肘を下げ過ぎて負荷が抜けないようにし、その後の徒手抵抗の時には補助者に肩関節が伸展する位置まで押し込んでもらい、長頭にしっかりとストレッチをかけるのがポイントです。

①ー②インクライン・ダンベルカール
16kg×10回→徒手抵抗×10回×3セット
1秒くらいかけて上げられる重量を用いて、ネガティブでは3秒かけて耐えながら下ろす。反復できなくなったら、ダンベルなしで徒手抵抗をかけてもらいさらに追い込む。徒手抵抗では、肩関節がストレッチする位置までしっかりと押し込んでもらい、ストレッチをかける

②―①ライイング・トライセップス・エクステンション

狙い
三頭筋、長頭のストレッチ

構えと動作
EZバーを使い、おでこの上ではなく、頭の後ろ側に下ろしていきます。75㎏を12回くらい自力で行い、3回補助を入れ、重量を65㎏に落として12回くらい反復し、さらに3回補助で追い込みます。上がらなくなったら、腕を曲げた状態のまま頭の後ろから胸の上にバーを移動させ、ポジティブでのナロウプレスとネガティブでのトライセップスエクステンションを組み合わせて限界まで追い込んでいきます。

ポイント
両肘を閉じている状態で、手首を軽く屈曲させて三頭筋に引っ掛けるように下ろしていくのがポイントです。

②-①ライイング・トライセップス・エクステンション
70kg×15回→60kg×20回
バーベルをおでこではなく、頭の後ろへ下ろしていく。75㎏を自力で 12 回行ったら補助を3回つけ、65㎏に落として 12 回くらい自力で行い、さらに補助を入れる。上がらなくなったら、そのままナロープレスに移行してさらに追い込みをかける

②―②シーテッド・ダンベルフレンチプレス

狙い
三頭筋、ストレッチ

構えと動作
フラットベンチに座り頭の上方にダンベルを構え、頭の後ろの方へダンベルを下ろしていきます。肩関節が硬くて肘が開いてしまうのですが、なるべく閉めるように意識して行っています。
以前はネガティブ3秒で下ろすやり方でしたが、肘関節の負担が大きく、肘を痛めてしまったので、今はある程度テンポよく動かすやり方で行っています。三頭筋では、肘への負担が大きいため、徒手抵抗で追い込むやり方を現在はしていません。

ポイント
ダンベルを下ろしていく時に上体を前方に突っ込むようにして三頭筋にストレッチをかけるのがポイントです。

②-② シーテッド・ダンベルフレンチプレス
40kg×10回×3セット
以前はネガティブを3秒かけて行っていましたが、肘を痛めてしまったので、現在はある程度テンポ良く動かすやり方で行っている。三頭筋の種目は肘関節への負担が大きいため、徒手抵抗で追込むやりかたはしていない


※次号では扇谷選手の肩のトレーニングを紹介したいと思います。

↓第3回は肩トレ!↓

https://www.fitnesslove.net/?p=139121&preview=true

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