9月7日(日)に千葉県・千葉市民会館で開催された『第29回日本クラス別ボディビル選手権』の80kg以下級で優勝に輝いたのは須山翔太郎(すやま・しょうたろう/44)選手。実に10年ぶりとなる本大会への出場となった。
須山選手が出場したボディビル80kg以下級は昨年日本選手権2位の嶋田慶太選手、同じく昨年7位の喜納穂高選手など、激戦区として話題となっていた階級。そんなハイレベルな戦いで競り勝ち、優勝が決まった瞬間にはガッツポーズで喜びを表した。
「率直にうれしいですね。去年の日本選手権が11位ということで、崖っぷちというか、このままいったらヤバいなと思っていたので」
日本選手権のファイナリスト12名は、いわば日本のナチュラルボディビル界のトップ12人。その最高峰の舞台でトップ6入りが12回、2位が2回と長年活躍を続けている須山選手。しかし昨年の同大会、11位と”ファイナリスト陥落”間近まで順位を落としてしまった。
その結果を受け、須山選手が今シーズン特に注力してきたのは食事面。
「これまで食が細く、オフシーズンに体重が思うように増えなかったんです。これまでは80kgにもなかなか到達しなかった。なので今年は食事量を増やすことに取り組みました。その結果、オフでは84キロまで体重を増やすことができました。昨年の日本選手権の大会当日が76kgだったのですが、今回は3日前の時点で80kg、今日は78kgほどで大会を迎えることができました」
特に食事で効果的だったのが”消化酵素”だという。「コメや肉、野菜といった基本的な食事に加えて、パイナップルを取り入れることで消化吸収が良くなり、しっかり食べられるようになりました。酵素が僕の身体にうまく働いてくれたようです」と話した。
優勝の喜びに浸る間もなく、視線は次なる舞台の日本選手権へと向けられている。「まだまだ詰められるところがあるので、残り1カ月でさらに磨きをかけたいです」
間違いなく今大会の顔の一人だった須山選手。ポーズを取るたびに会場から湧き出る声援の量は、須山選手の人気と復活への期待が込められていた。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:FITNESSLOVE編集部