ニュージーランドで開催されたICN(Icompete Natural New Zealand’s Premier Natural, Drug Tested Federation.※)の大会で、ミスフィットネスカテゴリーのオーバーオール優勝という快挙を成し遂げたのが中津真紀さん(なかつ・まき/42)だ。2021年から競技を始め、国内の大会でも金メダルを手にしてきた実力者が、新たなカテゴリーで大きな一歩を踏み出した。
※ニュージランドのアンチドーピングを掲げるボディビル団体。
「ビキニで結果を残すことはできていましたが、心の中では自分が本当にやりたいスタイルは違うのではないかという思いがありました。ミスフィットネスは絞りを生かし、力強さを表現できるカテゴリー。挑戦して本当に良かったです」
7週間前の決断から掴んだ勝利
当初はオフシーズンを過ごす予定だったが、短期の減量をきっかけに出場を決意。そこからの減量は過去最大の10kgに及んだ。
「今年は出ないつもりでしたが、やっぱり挑戦したくて。コーチに相談すると予想外にGOサインが出て、一気にスイッチが入りました。末期でも1900kcalは確保していたので、体力を維持しながら仕上げられました」
大会7週間前に決断してからは、徹底した準備の日々。特にポージングは大きな課題だったという。
「IFBBと違い、背中を見せるポージングが必要でした。レッスンは2回だけで、あとは自分で練習。まだまだ改善点はありますが、挑戦を評価していただけてうれしいです」
中津さんが惹かれるミスフィットネスは、華やかさだけでなく「強さ」を求められるカテゴリーだ。
「脚や背中のカットを見せて力強さを表現できるのが魅力です。華麗さと同時にかっこよさがある。その両方を見せられるのが、このカテゴリーらしさだと思います」
今回の優勝は、自分に合った舞台を見つけた証でもあった。
さらなる挑戦へ
次なる目標は10月に行われるNationals。
「どの大会でも、過去の自分を超えるコンディションで挑むことを目標にしています。今回はPMSと重なり最高の仕上がりではなかったので、次はベストを出せるはず。ポージングもさらに磨きます」
さらに海外の舞台にも視線を向ける。
「ニュージーランドは競技人口が少なく同じ顔ぶれと戦うことが多いので、世界の舞台でどこまで通用するかを試したい。今年はドバイで世界大会もあるので、挑戦できればと思っています」
「私は40歳手前でトレーニングを始めました。もっと早く始めていればと思うこともありますが、続ければ必ず変われる。モチベーションが上下しても、自分のゴールを忘れずに挑戦を続けてほしいです。トレーニングを通して出会いや学びが広がり、今の自分があります」
ニュージーランドで新たなステージを切り拓いた中津さん。挑戦を続ける姿勢は、これからコンテストを目指す人々に大きな勇気を与えてくれるだろう。
取材・文:FITNESS LOVE編集部 写真提供:中津真紀