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「デブ」「ブタ」と言われた学生時代 46歳でビキニフィットネス3位入賞「見た目だけでなく、心身の健康や自信につながっている」【筋トレ】

「デブ」「ブタ」「プロレスラーみたい」——。そんな心ない言葉を身近な家族から投げかけられ、体型と見た目に自信を持てず、人前に立つことすらためらっていた女性がいる。46歳の会社員・上島明子(かみしま・あきこ)さんだ。かつてはコンプレックスの塊だった身体を「変えていけるもの」と捉え直し、努力を重ねた今、上島さんは9月15日(月・祝)に開催された『マッスルゲート茨城大会』のビキニフィットネスマスターズ部門で3位入賞を果たした。

【写真】上島明子さんの強くてしなやかなボディ

オーバートレーニングから学んだ「休養もトレーニングの一部」

学生時代は体格の良さを理由に心ない言葉を受けてきた上島さんは、「強くてしなやかな身体を自分で作りたい」という思いからトレーニングを始めた。

しかし当初は「やればやるほど良い」「重ければ重いほど良い」と思い込み、オーバートレーニングに陥ることもあった。怪我を繰り返し、疲労が抜けず体調を崩したり、「頑張っているのに成果が出ない」と落ち込んだ時期もあったという。

そこから学んだのは、「休養や栄養もトレーニングの一部」という考え方だった。食事や睡眠を含めた計画的な取り組みへと切り替えたことで、成果が出やすくなった。

ボディメイクを続ける中で、身体を「コンプレックスの塊」から「変えていけるもの」と捉え直せるようになり、小さな変化を前向きに受け止められるようになった。

上島さんは「身体だけでなく心も強くなり、挑戦することや自分を表現することが楽しいと思えるようになりました」と笑顔を見せる。

上島さんが目指すのは「健康的で女性らしいしなやかさと強さを兼ね備えた身体」。筋肉のメリハリやラインを大切にしながらも、柔らかさや美しさを感じられる身体を追求している。「見た目だけでなく、自分の心身の健康や自信につながるから」と理由を話す。

得意な部位はないとしつつも、好きなトレーニング部位は背中と脚。背中は広がりや厚みを出す感覚が難しく腕に効きやすいため、「肩甲骨の動きを意識して丁寧に取り組む」。脚も感覚が掴みにくい部位だが、「股関節の可動域を意識し、フォームを正確にすることで少しずつ手応えを感じています」と話す。「課題がある=伸びしろがある」と捉え、改善を楽しみながら続けている。

「生涯フィットネス」というこだわりと、支えてくれた人たちへの感謝

ボディメイクにおけるこだわりは「バランスと女性らしさを大切にすること」。肩とヒップの丸みを意識してウエストとのコントラストを引き立て、メリハリあるシルエットを目指す。また、「食事も睡眠も含めてボディメイク」と捉え、無理な減量や過剰なトレーニングではなく、日常生活全体を整えることを意識している。

そして何より大切にしているのが「生涯フィットネス」。大会のための一時的な身体づくりではなく、健康で動ける身体を一生涯維持することを目標にしている。

今回の結果について上島さんは「突っ込みどころ満載の課題だらけのステージングでした」と振り返るが、「自分一人では決してステージに立つことはできなかった」と強調する。ポージングの先生やトレーナー、仲間や友人、そして家族。多くの人々の支えに感謝を伝えた。「特に先生には日夜を問わず寄り添っていただき、その存在がとても心強かった」と話す。

筋トレを本格的に始めたきっかけは「身体も心も健康になりたい」という思いから。興味を持っていたピラティスを体験するために訪れたパーソナルジムでの出会いが転機となった。過去にもジム通いの経験はあったが続かなかった。しかし今回は「ジムの雰囲気やトレーナー陣の人柄に惹かれ、ここなら頑張れるかもしれない」と感じたことが継続につながった。

今では週4〜5日、1回1時間強のトレーニングを行い、ライフワークとして夢中で取り組んでいる。

「今回の挑戦で明確に見えた課題があるからこそ、次はさらに成長できるという希望を持てました。これからもポジティブに、自分の弱点や改善点に真摯に向き合いながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います」

【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。

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取材・文:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩

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