愛知県で9月20日(土)に開催された『サマースタイルアワード(以下、SSA)2025東海帝王』のビキニモデル部門に、ルーキーとして参加した広兼こずえさん(ひろかね・こずえ/48)さん。広兼さんは、公務員として働きながらポールダンスパフォーマーとしても活動する経歴を持つ。
「初のSSAのステージを終えてほっとしています。華やかな衣装やステージの雰囲気に惹かれて出場を決めました」
上位入賞は逃したものの、新人離れした背中の筋肉と引き締まった身体で、今後の活躍を予感させた。広兼さんがポールダンスのステージからボディメイクの世界に飛び込んだ背景から、ボディコンテストへの多様な業界からの参入増加の理由を探る。
ポールダンスが開いたボディメイクへの道
広兼さんのボディメイクのきっかけは、3年前に始めたポールダンスだ。
「テレビやネットでポールダンスを見て、セクシーでカッコいいと憧れていました。近くにスタジオがあることを知り、挑戦してみました」
ポールダンスで鍛えた筋肉はボディメイクとは異なるが、ステージでの表現力や魅せ方に生きたという。ボディメイク競技では、筋肉を美しく見せるポージングに体幹の安定、柔軟性、リズム感、表現力が必要とされる。こうした要素は、芸術分野や各種スポーツの経験を持つ選手が武器として持ち込むことが多く、広兼さんもその一人だ。
運動好きが育んだ筋肉とストイックな生活
広兼さんが本格的に筋トレを始めたのは1年半前、ポールダンスの技術向上のためだった。
「平日は仕事で時間が限られるので、できる日に1時間半ほど。土日は部位を変えてトレーニングしたり、ポールダンス、バレーボールなどで朝から夜まで運動しています」
特に注目された背中の筋肉は、広兼さんの多様な運動経験に由来する。
「中学ではソフトボール、高校では弓道、社会人になってからは野球やバレーボールに誘われて参加してきました。運動は得意ではないけど大好きで、仲間と一緒に活動することを楽しんでいます」
筋肥大のためのトレーニングと運動能力向上のトレーニングは異なるが、筋肉の感覚や操作力、一つのことに没頭する姿勢は、ボディメイク競技でも大きな強みとなる。また、ポールダンスの露出度の高い衣装を着るため、以前から食事管理アプリ『カロミル』を使い、PFCバランスを管理。減量に苦労することはなかったという。
次のステージにむけて改良を模索
「日々のトレーニングはもちろんですが、ステージに立つまでの事前準備の大切さなど、大会の雰囲気もわかりました。次は自分に合ったカテゴリーを考えながら、さらなる結果を目指して挑戦を続けたいです」
広兼さんはステージを楽しみつつ、次の挑戦に向けて課題を明確にしている。ボディコンテストは、異なる経歴を持つ人々が新たな自己表現の場として輝ける場所だ。運動や芸術との親和性の高さが、多様なジャンルからの挑戦者増加を後押ししているのだろう。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』『Womans'SHAPE』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。
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