「コロナ禍で体重が激増して、無理な糖質制限と自己流の筋トレでリバウンドを繰り返していました」
そう語るのは、看護師のかれんさんだ。160.5cmの身長で、コロナ禍で体重が増え2022年には57kg体脂肪率32%になった身体を、2025年には47kg体脂肪率15%まで変化させた。3年間でマイナス10kg、体脂肪率は半分以下。その変化の裏には、『お米を抜かない』ことを軸にしたダイエットがあった。
※体脂肪率は市販の体組成計によるものです。

「お米を抜けば痩せる」と思い込んでいた過去
「もともと太りやすい体質だったので、コロナ禍で一気に太ったのがきっかけでした。お米を食べなければ痩せると思い込み、糖質制限をして一時的に体重を落とすけど、また戻る……その繰り返しでした」
当時は、運動をすれば痩せる、食べなければ痩せると信じていたという。しかし、無理な制限を続けるうちに疲労が抜けず、代謝も落ちてしまった。そんなとき、栄養バランスを意識した食事と正しいトレーニングに出合い、身体は少しずつ変わり始めた。
「食事を見直したことで、ようやく痩せられました。糖質・脂質・タンパク質のバランスを整えて、無理に我慢せずに食べるようにしたんです。例えば朝はパンからお米に変えて、卵やノンオイルのツナを合わせて卵かけご飯に。昼は栄養バランスの良いお弁当を用意し、夜はご飯と鮭、煮物、野菜サラダなどを中心に組み立てるようにしました」
さらに、週に1回は何も気にせず食べる日であるチートデーを設けて、ストレスを溜めないようにしているという。
「ダイエット=我慢ではなく、『栄養を整えて満たすこと』に考え方を変えました。そうすることで、食べても太らない身体を作ることができたと思います」
週4回の筋トレ+朝散歩で代謝アップ!
トレーニング歴は約3年。以前は家でのトレーニングや自己流でジムのトレーニングに留まっていたが、今では週4回のジム通いを続けている。内容は加圧トレーニング、HIIT、筋トレ、ランニングと多彩だ。
「以前はトレーニングもよく分からないまま、自分で適当に筋トレをしていましたが、今は自分でトレーニングについて調べたりしながら、高重量でしっかり攻める日もあれば、低重量でネチネチ追い込む日もあります」
さらに毎朝の日課が散歩。
「朝のお散歩はほぼ毎日しています。太陽を浴びて身体を動かすと、代謝も上がって気分も前向きになります」
朝から動く習慣がついたことで、一日の消費エネルギーが自然と増え、ダイエットが加速していった。またかれんさんは、看護師として働いており、忙しく仕事をしながらのダイエットは、時間との勝負だったという。
「仕事の合間や帰宅後のわずかな時間にジムへ行ったり、有酸素運動を取り入れたり……。隙間時間をどう使うかを常に考えていました」
続けられた理由を尋ねると、「ストレスを溜めないこと」と即答。
「完璧を目指さず、トータルで見てバランスを取ることが大事です!1日で失敗しても、1週間トータルで整っていれば大丈夫。そう考えると、無理なく続けられますよ」
「トレーニングで、ようやく自分を好きになれた」
ダイエットを経て変わったのは、見た目だけではない。
「体力がついて、疲れにくくなりました。そして、何より自分のことを好きになれたんです」
かつては鏡を見るのが嫌だったが、今は自分の努力を誇れるようになったという。
「これからもトレーニングを続ける理由は、自分をもっと好きになるため。ダイエットって、結局自分を大事にすることだと思うんです」
無理な制限ではなく、心と身体が整うのが、食べて痩せること。その姿勢こそ、健康的なフィットネスなのだろう。
取材・文:柳瀬康宏 写真提供:かれん
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに挑戦中。










