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26歳・保育園の先生がHYROX日本代表として活躍 「子どもたちに元気で負けていられません(笑)」【HYROX WARRIORS no.10】

世界的に話題のフィットネスレース「HYROX(※)」で活躍する選手に迫るコーナー。第10回は、HYROXの数々の大会で輝かしい成績を残している現役保育士の砂沢愛(すなざわ・あい/26)さんを紹介する。

※「HYROX(ハイロックス)」とは、ランニングとフィットネス種目を組み合わせた新しいスタイルの競技。1kmのランニングと、8種目のファンクショナルトレーニング(機能的全身運動)を交互に繰り返すことで、筋力や持久力だけではなく、さまざまなフィットネスに関する能力が問われる。

【写真】子どもたち顔負けの元気な姿でゴールを飾った砂沢さん
砂沢愛さん

海外を転戦する“現役保育士アスリート”

砂沢さんの挑戦は、すでに世界の舞台へと広がっている。

2024年5月の台湾大会Women PROを皮切りに、9月のシンガポール大会では同カテゴリのAge(25〜29歳)カテゴリで1位を獲得。続く11月の香港アジア選手権では、シングル・ダブルスに加え、日本代表として国別対抗リレーにも出場した。

翌2025年も勢いは止まらず、5月の韓国大会ではWomen PRO Age2位、6月には世界選手権Women PROへの出場。同月にはアジア選手権で国別対抗リレー日本代表として2位を獲得。そして8月の横浜大会では再びWomen PRO Age2位と、わずか2年経たずして、名実ともに“世界を舞台に戦うアスリート”へと成長を遂げた。

トレーニングの軸はCrossFitとランニング

「クロスフィットトレーニングを基本に、ランニングはLSD(ロングスローディスタンス)とインターバルトレーニングを組み合わせています。もちろん筋肥大を目的とした筋トレも行って、さまざまな体力要素を磨いています」

高校時代からボート部に所属し、日体大時代には全日本大学選手権で準優勝を果たすなど、基礎体力と競技力には定評がある。その実力からロウイングには自信があり、男子顔負けのタイムで通過したという。

「バーピーやウォールボールといった全身を使う種目も、クロスフィットトレーニングで培った持久力と動作の安定性が生きたと思います」

一番の壁も支え合いで乗り越える

「一番の課題はRunです」

短く即答するその言葉の裏には、レースを重ねてもなお越えられない課題がある。HYROXでは合計8kmのランが設定されており、各ステーションの疲労を抱えた状態で、走り続ける過酷さは尋常ではない。

体力的にも精神的にも限界を試される戦いだが、砂沢さんの背中を押してくれる存在がある。

「レース中、知り合いや家族、ジム仲間から“頑張れ!”と声をかけてもらい、苦手なランでも力を出して最後まで走り切ることができました。あの瞬間、自分は本当に恵まれていると感じました」

時に一人で挑み、時に仲間と挑む。リレーでは日本代表としての責任を感じることも多かったというが、プレッシャーよりも誇りを胸に、仲間と共に全力を尽くした。

HYROXが広げた“縁”と“可能性”

砂沢愛さん
レースを重ねる中で、砂沢さんの周囲には自然と人の輪が広がっていった。

「HYROXを通じてたくさんのフィットネス仲間ができました。私をきっかけにHYROXを始めてくれた人もいて、素敵なご縁が増えています」

身体的にも変化は大きく、保育の現場で子どもたちと全力で遊びながらも、夜にはアスリートとしての練習に励むことができる無尽蔵の体力を手に入れた。

「見た目も今までより健康的になりました。さらに日常の動作も軽くなり、仕事でも疲れにくくなったと思います。子どもたちにも元気では負けていられませんから(笑)」

保育士として子どもたちに夢を語り、アスリートとして自らの背中で“挑戦することの価値”を伝えるーHYROXはそんな一人ひとりの人生を輝かせる舞台になっているのかもしれない。

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文:林健太 写真提供:砂沢愛

執筆者:林健太
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。HYROX横浜はシングルプロで出場。

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